8月7日、続・水どぅ宝 上映会に行ってきたのであるが、上映会の前にフリージャーナリストの幸田泉さんの講演があった。
いただいた資料には「身近に潜むPFAS汚染」大阪、兵庫、岡山の事例…とあったので、これを紹介する。
はじめに、PFAS(ピーファス)とは有機フッ素化合物の総称である。PFASは耐熱性、耐薬品性にすぐれているため、フライパンの焦げ付き防止や、車のワックス、そして(米軍が使う)泡消火剤など様々なものに使われている。一方、自然に分解されにくく「フォーエバーケミカル」と呼ばれており、一部のPFAS…PFOA(ピーフォア…カルボン酸が含まれる)やPFOS(ピーフォス…スルホン酸が含まれる)、PFHxSは人体に蓄積されやすく有害性が指摘されている。
大阪でのPFAS汚染は、摂津市のダイキン工業淀川製作所からのもの…ダイキン工業はエアコンメーカーとして有名であるが、それとは別に商品として2012年までPFOAを商品として製造していた。なお、現在PFOAの使用・製造は禁止されているが、PFOAの代替物質もまたPFASなのだそうな。
2019年の環境省調査で、ダイキン工業淀川製作所近くの井戸水から、1855.6ng/L(ナノグラムパーリットル…ナノですよナノ!)が検出された。これは全国ワースト1の数値だ。2020年、環境省は河川・地下水における「暫定指針値」を50ng/Lとし、水道水などの飲み水の「暫定目標値」も50ng/Lとしているが、それの37倍以上の値である。また50ng/Lという値も、専門家からみれが高い値だそうな。
ダイキン工業では昨年12月から地下水汚染を食い止めるため、淀川製作所の周辺を遮水壁で取り囲む工事を開始し、敷地内で地下水をくみ上げ、PFASの除去を行っている。また9月~12月に、京都大学が大阪府民約1000人を対象に血液検査を行い、459人の中間発表ではそのうち28%の人が、20ng/mlを超えていた…20ng/mlは、健康に影響がでる「要注意」ラインなのだそうな。また今月中に1000人全員のデータがでそろうとのことである。
兵庫県の明石市、2019年に明石川では105.4~145.6mg/LのPFASが検出された。丸尾牧、兵庫県議が汚染源を独自調査したところ、明石川の流域に産業廃棄物最終処分場があり、PFASを含んだ様々なゴミ(あらゆるものに使われているから…から浸出しているのだろうということだ。また丸尾県議は地震の政務活動費を使って、2023年夏、明石市民9人、尼崎市民10人の血液検査を行った。平均値は26ng/ml、5人が20ng/mlを超えていた。明石市水道局は2020年度から、活性炭の交換頻度を4年に1回から、年1回に増やして汚染に対応している。
そういった「使用済み活性炭」が山中に山積みされているところからPFOAが流出し上水道の水道水に混入したのが岡山県、吉備中央町でのケースである。給水エリアには約1000人の住民が住んでいる。吉備中央町の水道課は2020年に800ng/Lを検出していたが、対策を取らず、水道統計には1ng/L未満と虚偽報告していた。2021年には1200mg/L、2022年には1400mg/L検出されている。
京都大学が住民27人の血液検査をしたところ、全員が20ng/ml超え、平均値は186.4ng/mlであった。また住民のうち半数程度に、流産、肝機能障害、甲状腺疾患、腎盂腎炎などの症状があるという。
PFASを摂取しないためにはどうしたらよいか?まず、自治体に「水道水のPFAS検査はしているか」問い合わせてみる…環境省が全国を調査中である。自宅の水道には浄水器を設置し、安全性がはっきりしない井戸水は飲まない…湧き水なんかを汲んできても、そこに混ざっている可能性がある。PFASは色もにおいもないので、高濃度に混ざっていてもわからない。また汚染されている河川の魚は食べない、身の回りのPFAS使用製品を減らす(すごく難しい)、またアクロバットで「献血をする」というのもある…これまで蓄積されたPFASの血中濃度を下げることができるそうだが、輸血される側はいい迷惑だろう…一定の年齢以上になったら、かなりPFASが蓄積していると思った方がよいとのことでそうな。
最後は、PFASはどこにでもあります。正しく恐れて身を守ろう…ということであった。
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いただいた資料には「身近に潜むPFAS汚染」大阪、兵庫、岡山の事例…とあったので、これを紹介する。
はじめに、PFAS(ピーファス)とは有機フッ素化合物の総称である。PFASは耐熱性、耐薬品性にすぐれているため、フライパンの焦げ付き防止や、車のワックス、そして(米軍が使う)泡消火剤など様々なものに使われている。一方、自然に分解されにくく「フォーエバーケミカル」と呼ばれており、一部のPFAS…PFOA(ピーフォア…カルボン酸が含まれる)やPFOS(ピーフォス…スルホン酸が含まれる)、PFHxSは人体に蓄積されやすく有害性が指摘されている。
大阪でのPFAS汚染は、摂津市のダイキン工業淀川製作所からのもの…ダイキン工業はエアコンメーカーとして有名であるが、それとは別に商品として2012年までPFOAを商品として製造していた。なお、現在PFOAの使用・製造は禁止されているが、PFOAの代替物質もまたPFASなのだそうな。
2019年の環境省調査で、ダイキン工業淀川製作所近くの井戸水から、1855.6ng/L(ナノグラムパーリットル…ナノですよナノ!)が検出された。これは全国ワースト1の数値だ。2020年、環境省は河川・地下水における「暫定指針値」を50ng/Lとし、水道水などの飲み水の「暫定目標値」も50ng/Lとしているが、それの37倍以上の値である。また50ng/Lという値も、専門家からみれが高い値だそうな。
ダイキン工業では昨年12月から地下水汚染を食い止めるため、淀川製作所の周辺を遮水壁で取り囲む工事を開始し、敷地内で地下水をくみ上げ、PFASの除去を行っている。また9月~12月に、京都大学が大阪府民約1000人を対象に血液検査を行い、459人の中間発表ではそのうち28%の人が、20ng/mlを超えていた…20ng/mlは、健康に影響がでる「要注意」ラインなのだそうな。また今月中に1000人全員のデータがでそろうとのことである。
兵庫県の明石市、2019年に明石川では105.4~145.6mg/LのPFASが検出された。丸尾牧、兵庫県議が汚染源を独自調査したところ、明石川の流域に産業廃棄物最終処分場があり、PFASを含んだ様々なゴミ(あらゆるものに使われているから…から浸出しているのだろうということだ。また丸尾県議は地震の政務活動費を使って、2023年夏、明石市民9人、尼崎市民10人の血液検査を行った。平均値は26ng/ml、5人が20ng/mlを超えていた。明石市水道局は2020年度から、活性炭の交換頻度を4年に1回から、年1回に増やして汚染に対応している。
そういった「使用済み活性炭」が山中に山積みされているところからPFOAが流出し上水道の水道水に混入したのが岡山県、吉備中央町でのケースである。給水エリアには約1000人の住民が住んでいる。吉備中央町の水道課は2020年に800ng/Lを検出していたが、対策を取らず、水道統計には1ng/L未満と虚偽報告していた。2021年には1200mg/L、2022年には1400mg/L検出されている。
京都大学が住民27人の血液検査をしたところ、全員が20ng/ml超え、平均値は186.4ng/mlであった。また住民のうち半数程度に、流産、肝機能障害、甲状腺疾患、腎盂腎炎などの症状があるという。
PFASを摂取しないためにはどうしたらよいか?まず、自治体に「水道水のPFAS検査はしているか」問い合わせてみる…環境省が全国を調査中である。自宅の水道には浄水器を設置し、安全性がはっきりしない井戸水は飲まない…湧き水なんかを汲んできても、そこに混ざっている可能性がある。PFASは色もにおいもないので、高濃度に混ざっていてもわからない。また汚染されている河川の魚は食べない、身の回りのPFAS使用製品を減らす(すごく難しい)、またアクロバットで「献血をする」というのもある…これまで蓄積されたPFASの血中濃度を下げることができるそうだが、輸血される側はいい迷惑だろう…一定の年齢以上になったら、かなりPFASが蓄積していると思った方がよいとのことでそうな。
最後は、PFASはどこにでもあります。正しく恐れて身を守ろう…ということであった。
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