たたかうあるみさんのブログMKⅡ

み~んなそろって、闘争勝利!でもやっぱりメットは、白でしょ⁉ということにしておこう。

容量がいっぱいになった「たたかうあるみさんのブログ」を移動して、2020年7月に新たに開設した、共産趣味鉄道ヲタブログ⁉…旅行、萌え系ネタ⁉もあります。

#白井聡

対米従属国体と貧困ほったらかし体制は関連するのか?

 岸田政権は安保関連3文書改定を閣議決定し、専守防衛をかなぐり捨てて軍備拡大に邁進する…そのための防衛費増大と増税路線まっしぐらだが、そんな中で先週行われた統一地方選挙勝利・岸田退陣拓く討論集会である。白井聡さんはいつものとおり、対米従属「国体」体制について述べられ、岸田軍拡はもちろん、アメリカに言われたからやるんだ!というものなのだそうな。福祉や教育に必要な予算について、いくら民衆が要求しても何もしない岸田政権が、アメリカに言われたからと軍拡のための予算を増税も含めてあれこれ検討するのは何なのだ!というお話でもあった。
 もう一方の雨宮処凛さんのお話しは、コロナ禍でますます深刻化する貧困の問題だ。配布された資料には定期的に掲載されている「マガジン9」の第618回:防衛増税の裏で起きていることがコピーされている。今や失業等で住まいを失うということがあたりまえに起こり、ホームレスになれば、昔はブルーシートのテントで暮らしたが、今はネットカフェで泊まり歩くようになること(公園からブルーシートテントが消えたといわれているが、こうした事情もあるようだ)リーマンショックの「年越し派遣村」はまだまだ中高年の男性が主体であったが、今は女性の非正規労働者が多く相談に訪れていること、東京で住居のない人が生活保護を受けた場合、1カ月ぐらいビジネスホテルに泊まることができ、アパートや仕事を探して再出発が出来たのであるが、厚生労働省の通達でそのホテル利用がやりにくくなり(「旅行支援」政策によってホテルが埋まり、値段が高騰していることもあるようだ)以前のように無料低額宿泊所(貧困ビジネス)に追いやられているなどの話があった。
 白井聡さんが言う「対米従属国体」論はあまりにも話が大きすぎるので、これでどーやって統一地方選挙を闘うのか?という話もあるが、白井さんは雨宮さんの話を受けて、自民党政権は貧困層に冷たいが、中間層にも冷たい…民主党政権時にあった「子ども手当て」は非常に助かったが、自民党政権で亡くなった。自民党の「少子化対策」は中途半端で、その結果が出生数80万人切りだと述べられた。まぁ、こういった「人にカネを出さない」「貧困ほったらかし」体制(これも日本全国で考えれば大きな話だが)の批判が、統一地方選挙の争点になるのであろう。
 
 それにしても…だ。
 「対米従属国体」を続け、アメリカの言うがままに武器を爆買いし、対中国で先頭に立って闘う”傭兵””奴隷”のような立場に立ち続けることと、貧困をほったらかしにしつづけることが、なぜ並立しているのだろうか?二つの問題は、全く別々の問題なのに…
 対米従属を続けた上で、一人ひとりに「豊かな分配」を行うことも可能であろう…とてもリッチな、アメリカの傭兵・奴隷というのもアリではないか?
 もちろん、資本主義が行き詰っているので、分配なんぞできない!(あるいは分配すると資本主義がぶっ壊れてしまう!)というのが本質だ。対米従属でない国々でも、おそらく格差は広がり、貧困は深刻化しているだろう。
 「対米従属国体」と「貧困ほったらかし体制」の関連性(あるいはまったく別々のものが、たまたま現自民党政治の中枢を占めているだけ?)ということについて、お二人には会場の皆さまからの意見も頂きながらじっくり討論してほしいものであるが、これもまた大きな話になるので「統一地方選挙勝利」には向かないなぁ~

 ということを考えながら、集会は第二部へ。茨木市市議の山下けいきさんが司会をする予定であったが、所用で来られず元門真市議の戸田ひさよしさんが司会を務めた。大石あきこ衆議院議員の国会報告ビデオは分かりやすい。木村真豊中市議の維新批判や、丸尾牧兵庫県議の、兵庫県知事選挙、尼崎市長選挙の分析、大椿ゆうこ社民党副党首のアピールの後、立候補予定者アピールということで「れいわ新選組」の候補者ばかり5人が壇上に登りアピール…前回の国葬反対緊急シンポジウムと同じ展開となった。もっとも、白井聡さんは立憲民主党は全く信用しておらず、れいわ新選組に期待しているとのことなので、これはこれでよいのだろう…ということにしておこう。

統一地方選挙勝利・岸田退陣拓く討論集会のお知らせ

 討論集会のお知らせ
カルトゆ着の政治を終わらせ、統一地方選挙勝利・岸田退陣拓く討論集会
白井、雨宮集会_0001
◎12月16日(金)18:30~
福島区民センター
(JR[環状線「野田」北、JR東西線「海老江」南、阪神「野田」南西、地下鉄千日前線「野田阪神」南西、それぞれ5~8分)
会場費・資料代:800円 先着300人まで 電話予約優先
感染症対策を:マスク着用、高熱者不可

第一部 カルト癒着の政治を終わらせよう
 白井聡さん(政治思想家・政治学者・京都精華大教員)
 雨宮処凛さん(作家・社会運動家、『週刊金曜日』編集委員)
 司会進行:つじ恵(弁護士・元衆議院議員)

第二部 維新・岸田と対決し、統一地方選挙勝利へ
 丸尾牧(兵庫県議) 木村真(豊中市議)
立候補予定者からのアピール
国会報告(ビデオ):大石あきこ(衆議院議員)

 9月の安倍の国葬を前にした9・23シンポジウムに続き、12月16日にカルトゆ着の政治を終わらせる討論集会を開催します。テーマは地方議会にまで及ぶ統一協会と自民党の癒着をあぶりだし、カルト癒着の政治支配を終わらせることです。そのためには臨時国会・通常国会闘争を闘うとともに、来年4月の統一地方選挙の勝利が必要です。
 12・16集会は、第1部では白井聡さん(政治学者)、雨宮処凛さん(社会運動家)の討論を、つじ恵さん(弁護士・元衆議院議員)の司会でおこないます。第2部は、統一地方選の政治課題を、木村真さん(豊中市議)と丸尾牧さん(兵庫県議)に提起を受け、その後立候補予定者がアピールを行います。アピールは政党・政派を問いません。国政報告は大石あきこさんのビデオ報告です。
 岸田政権は1カ月に3閣僚が辞任し、支持率は全マスコミで30%台の危機にあります。この政権を追い込み、退陣させる討論・アピールから2023年の闘いに突入していこう。

主催:12・6討論集会実行委員会
 連絡先 尼崎市西御園町113₋3 つじ恵政治経済研究所 携帯:090₋9213₋5291松田

異議あり国葬!9・23緊急シンポジウム(前篇)

 9月23日、異議あり国葬!9・23緊急シンポジウム「安倍銃撃死と統一教会問題」に参加してきた。
 港区民センターのホールに椅子を並べ、人が集まってくる。
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 前方左側に、司会のつじ恵さん、講師の白石聡さん。右側はれいわ新選組衆議院議員、大石あきこさん、豊中市議、木村真さん、れいわ新選組、やはた愛さんの席になる。
 席が埋まって来て、大石あきこさんが来るとなぜか会場から「大石さ~ん」「愛ちゃぁ~ん」と声がかかる…続いて「白井さ~ん」と声援が送られる…何なんだこの集会は(^^) (叫んだヤツは誰か知っているが、言わない)
 時間になったので、司会のつじ恵さんがあいさつ…かなり長いもので、白井さん、そしてリモート参加の紀藤弁護士とは長い縁があり、今の時点で最強のメンバーをそろえた。統一教会の問題は、入り口でしかない、どういう方針で闘うのか…山際大臣を辞めさせ、野党共闘をけん引するのは「れいわ」だ。統一教会と日本会議に支えられた、国民のことを考えないのが自民党だ。統一教会は地方政治に入り込んでいる、統一地方選挙が大切な闘いだ。この問題を切り口に「黄金の3年間」を許さず、倒閣運動につなげ、衆議院解散に追い込むと開会宣言をされた。
 続いて白井聡さんの「安倍銃撃死と2012年体制の行方」と題する基調講演である。まず白井さんは、現在の情勢が「紙一重」の軌跡で起きている…いろんな不正が適切に処罰されず、責任も追及されずに忖度忖度でやってきた「忖度王」がぱっと消えたから、様々な事実が明らかになっている。しかし山上容疑者による銃撃は失敗した可能性があり、襲撃された安倍さんが元気だったらどうなっていたか?
 おそらく山上容疑者の動機や背景は明らかにされず、細々と漏れ聞こえる程度だっただろう。一方で「安倍さんが襲撃されたのは、反対派が安倍さんを批判するからだ!」「左翼が悪いんだ!」という、ツイッターで落合洋一氏が流したようなキャンペーンが成功していただろう。そうなると、僕や大石さんは「亡命」しなければならない(大石さん「まきこまないで下さい」とツッコミ)
 ともあれ、みんな忘れてた統一教会問題が表面化した全財産をはぎ取る統一教会の広告塔だった安倍晋三を「国葬」にする自民党は、統一教会問題を片付けられない…などと述べられた。
 ここから白井さんは統一教会の成り立ちや、岸信介ら自民党内の保守傍流(改憲派)や笹川良一、児玉誉士夫ら右翼のフィクサーに統一教会が近づいて「勝共運動」を始めた経緯について説明(ただ笹川良一はなぜか反共運動を”やめた”らしい)また教祖、文鮮明は「反共愛国」で新興宗教を作ったが、反共はフェイクだったらしく、91年に朝鮮の金日成と会談し、両者の関係は友好的で安定している。ある意味、朝鮮に対し統一教会はものすごく投資、プレゼントをしているぐらいだ。「反共」を取ると統一教会は韓国・朝鮮ナショナリズムであり、日本からどれだけむしりとってもいいんだとなる…日本からの「献金」が朝鮮に行ってミサイルとなり、それが飛んできたのを安部が「アラートだ!」といっている…などの話を続けた…このように白井さん、朝鮮・韓国に対し排外主義的な煽りを行ってしまっている。やっぱりこのあたりの「リベラル」の限界なんだろう。
 続いて日本会議とも類似性をもつ「反共主義」について…そもそも日本における「反共主義」は薄く広く広がったもので、イデオロギーとして共産主義に反対する他、日本共産党に反対するというものがる。社会主義を目指す者のうち、日本共産党に行かなかった者が社会党をつくったので、いろいろな潮流の人がいたのであるが、その中から共産党に反対する「民社党」ができ、労働組合では「同盟」を作った。そこから富士政策大学校という強烈な反共主義の集団も出ている…そういった人たちが、野党の中にも入り込んでいる。幹部に統一教会の媒体に出た者がいる立憲民主党が、統一教会問題を追及できるわけがない!
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 続いて白井さんは、国葬は世論を二分している。賛成対反対が、3:7から2;8ぐらいになっている。そもそも安倍さんは追悼するに値する政治家だったのですか?自民党で安倍さんを批判し続けていた村上誠一郎が安倍氏を「国賊だ!」と言って国葬欠席を表明した。忖度帝国が崩壊しつつある。読売TVのミヤネ屋が頑張っている、TBSも、NHKでさえ報道し始めた…朝日は全然ダメだが…
 岸田は何者か?安倍がつくった長期腐敗体制を受け継いだものだ。これは単なる「政権」ではなく「体制」だ…誰がトップに立っても変わらない、安倍一強体制である。戦後の体制が紆余曲折を経てなれのはての、最終体制である。
 安部さんを見ていると、日本スゴイ、このまま平和と繁栄が永久に続くように見える唯一無二のキャラだった…戦後の「欲望」を写すもの、それが突然、無くなった!欲望を持続することができなくなった。この体制は倒れるか? 誰が、どこがやるのか?自民ダメ、立憲ダメ、「れいわ」しかない!(ホント、言い切りましたよ、この人)
 スターリンの死後、スターリン批判まで2年かかっている。私たちはいいかげんに、現実をちょくししなければならない…として、「紙一重」で得られた今後の政治の流動化に期待をして、白井さんの講演は終了した(つづくよ)

異議あり国葬!9・23緊急シンポジウムのお知らせ

反国葬&反統一協会集会第二弾!?のお知らせです。
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異議あり国葬!9・23緊急シンポジウム
安倍銃撃死と統一協会問題
◎9月23日(金・休)18:30~
大阪港区民センター・ホール
 (JR環状線・地下鉄「弁天町」西5分)
会場費 前売り・電話予約500円 当日700円
前売り・予約優先 先着400人まで マスク着用、感染症対策を

基調講演 白井聡(京都精華大教員・政治学者)
 「安倍銃撃死と2012年体制の行方」
特別報告 紀藤正樹(弁護士・リモート中継)
 「統一協会と政治の癒着」
討論;大石あきこ(衆議院議員・予定)会場参加者
司会・進行:つじ恵(弁護士)
報告・アピール:やはた愛(れいわ新選組)/自治体議員・候補/大学生

 7・8の一発の銃弾が、社会の風景を変えた。自民党(安倍派)と統一協会の癒着ー支配の闇が一気に露出し、安倍政治を賛美する国葬強行と一体のあまりもの腐敗ぶりに岸田政権の支持率は急速に下落を始めた。「失われた30年」~この国の政治・経済・雇用・社会のあらゆる分野の制度崩壊と、警察・マスコミが統一協会の追及をやめた30年が見事に重なる。その『長期腐敗体制』(白井聡、角川新書)のあだ花が安倍晋三だった。賃金は下がり続け、消費税は気が付けば10%に。「自主憲法制定」と言いながら対米従属を強め、米兵器を爆買い、官僚制の宿痾はコロナに敗北・打つ手なし。格差・貧困と「死にたくなるような社会」が人々を襲っている。
 戦後平和運動と護憲運動、3・11以降の反原発運動、15年戦争法闘争の遺産を食いつぶし、沖縄を見捨てる野党共闘が、国政選挙に勝てる訳がない。国葬が強行され、安倍なきあとも2012年体制に組み敷かれるのか。この9月の私たちの行動が歴史の分岐点だ。

主催:9・23緊急シンポジウム実行委員会
連絡先 尼崎市西御園町119ー3 つじ恵政治経済研究所 携帯:090-9213ー5291 松田
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「安倍銃撃死と統一協会問題」9・23緊急シンポジウムへの招待状
 2012年以降の安倍政治の継続を白井聡(京都精華大教員)らは「2012年体制」と呼ぶ。それは安倍、菅、岸田と、首相が代わっても自民一強支配が持続しているからだ。
 1955年に成立した自民党単独支配体制(55年体制)は、ソ連崩壊と日本経済の行き詰まり(バブル崩壊)を経て崩壊し、93年に細川連立政権は発足した。以降2012年までは、「政権交代可能な2大政党制」への移行かと思われたが、12年の民主党政権崩壊で終焉した。以降、国政選挙で野党が勝ったことはない。改めてこの一強政治を2012年体制と呼ぶゆえんである。
 『永続敗戦論』(2013年9月)以降、この政治過程を追う政治学者の白井聡(京都精華大学教員)は、22ねん参院選前に『長期腐敗体制』(角川新書)を上程した。そこでは政治腐敗を退場させられない理由を、「野党が弱いから」ではなく、「国民が退場を望んでいない」からと、苦渋の報告をしている。
 7月参院選も予想通り敗北であった。
 しかし、その渦中で最高権力者・安倍元首相は、突然銃撃に倒れた。そして安倍支配のいくつかの装置(アベノミクス、官僚支配、「安倍外交」、岩盤右派支配など)の一つー統一教会問題が全面的に表出し、内閣支持率は一気に下降した。統一教会を30年以上追い続けた紀藤正樹弁護士らの執念がもたらしたものだ。
 「次はまた安倍」がなくなり、長期政権をもくろむ岸田は、統一教会切り捨てを装う内閣改造と、岩盤右派を取り込む国葬を行う。しかしそれが逆に国論二分になり、今や統一教会問題は自民党のアキレス腱になりつつある。
 この10年、安倍政治と対決してきた白井聡は、7・8以降の情勢を「2012年体制の終焉」と論じられるのか、統一教会問題を追い続けてきた紀藤弁護士らは、統一教会=勝共連合の政治的浸食にどう決着つけるのか、2012年体制下の「死にたくなるような社会」に真っ向対決で登場し、8議席をえた「れいわ新選組」は、「99%の人々の暮らし第一」の中堅政党に飛躍できるのか。
 9・23シンポジウムは、市民一人ひとりも、失われた30年から主権を取り戻すボトムアップの運動・政治を作り出せるのかをかけた共同作業の場だ。熱い討論から新たな歩みをふみだそう。

白井聡 思想家、政治学者。京都精華大学教員、1977年東京都生、早稲田大学政経学部卒、一橋大社会学大学院退学。3・11を機に日本現代史を論じた『永続敗戦論ー戦後日本の核心』で石橋湛山賞受賞。著書に『未完のレーニン 〈力〉の思想を読む』『国体論 菊と星条旗』『武器としての「資本論」』『主権者のいない国』など。
紀藤正樹 弁護士、全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長代行。1960年山口県生。大阪大学法学部卒。1987年司法試験合格。以降、消費者問題、宗教問題などの弁護活動を行う。著書に『21世紀の宗教法人法』『カルト宗教 性的虐待と児童虐待はなぜ起きるのか』など。

武器としての「資本論」

 最近、話題になっている「資本論」本について…
 「武器としての『資本論』」(白井聡 東洋経済新報社 2020年4月)は、資本論の解説、あるいは入門書としての体裁をとっている。私は資本論の入門書とかはほとんど読んだことがないので、この本が他のものと比較して良いのかそうでないのかは分からず、読んでみたら「まあこんなモンか」という感想しかない。もっとも「入門書」だからその後…資本論を読んでみる、あるいはマスクス主義を学習する…につながればいいので、そのへんは読者に委ねられる。もちろん入門・解説だから資本論第一巻の範囲で、第二巻、第三巻には触れない。また今日の資本主義の基軸である金融資本(G-G´)についてはさわりしか触れられない。

武器としての「資本論」 [ 白井 聡 ]
武器としての「資本論」 [ 白井 聡 ]
 本書では資本論の王道・商品とは何か?というところから始まり、その解説にページが割かれる。白井氏は

 この「商品による商品の生産」が登場して初めて、物質代謝の「大半」が商品によって扱われ
るようになったと言える。そしてこの「大半」の度合いが際限なく高まり続けるのが、資本主義社会特有の傾向であり、宿命なのです。(p45)

と説く。なんでも商品化してしまうのが、資本主義社会なのだ。もっとも私的に言えば、資本制、資本主義的生産様式が主流の社会では、資本が「剰余価値」を求めるために動き、そのための手っ取り早い方法が「商品生産」なんですよ!ということなんだが。
 「剰余価値」についての説明は本書の7講「すべては資本の増殖のために」で展開されているが、人は「賃金」以上に価値を生産しているというざっくりした話ではなく、必要労働は4時間なのだが、実際は8時間働いていますよ!という説明のほうがよいのではないか?私にはそっちのほうが分かりやすかった。
 「本源的蓄積」…資本主義の「始まり」が暴力的に、血塗られて始まっていること…がちゃんと第11講「引きはがされる私たち」(実際はそれより前のページから)で展開されているのが良い。(だから映画「マルクス・エンゲルス」は、官憲が元の入会地に“侵入”した農民を取り締まるべく襲い掛かり、容赦なくメッタ打ちにするシーンから始まるのだ)そして白井氏は近年の新自由主義拡大の中で、

 このようにしていったんは安定化された労働者の地位をグニャグニャにして再びはじまりの労働者に戻すことです。言い換えれば、労働者が置かれてきた社会環境・権益から、労働者を引きはがすことにほかなりません。その意味でこの過程は、歴史上のではなく、現在進行中の本源的蓄積です。(p215)
 
と説く。新自由主義政策とは、ある意味「本源的蓄積」と同様の暴力性をもって進められているのである。
 そこで必要なのが「階級闘争」である。ただし、旧来の階級闘争の戦線は総崩れになっている。第13講「はじまったものは必ず終わる」で、「共産党宣言」に始まるマルクスの階級闘争論が展開されているが「収奪者が収奪される」…隣の資本家をぶん殴ればいいというわけではない(「収奪者を収奪」といのは、生産手段なんかを労働者階級が分捕ることなので、資本家を「ぶん殴る」ことではないのだが…)構造を変えましょう!資本主義には必ず「終わり」があるのだから!ということである。
 最終の第14講「「こんなものが食えるか!」と言えますか」において、ソ連初期のマルクス主義法学者、エフゲーニ・バシュカー二フの話は興味深い。封建時代において、例えば領主(政治権力に年貢をおさめるという収奪方法は、政治的行為でもあるし、経済的行為でもあった。だが資本制社会では収奪が行われても、それは「等価交換」であり、収奪は行われていない。国家権力がや法がストレートに収奪をしているわけではなく、「等価交換」がちゃんと行われているか規制しているだけである。
 バシューニカスはここを捉えて、「政治的社会と経済的社会が分離し、別物になることが、資本制社会の特徴である」と指摘しています。このようにして近代の国家権力の、前近代それとの根本的な違いを精密に分析して、描き出したのです。
 ではこの状態からコミュニズムを実現するためには、何をしなければならないのか。またコミュニズムが実現されたとは、どんな世の中なのか。
 バシューニカスの結論は、「等価交換の廃棄」でした。
 ここでのポイントは、「ブルジョワ階級の絶滅」ではないということです。(p265)
 まぁ、「資本家を滅ぼすこと」が階級闘争の目的ではないということだが、バシューニカスがスターリンに弾圧・処刑されてしまい、こういったラディカルな法学がソ連から消えてしまった。
それはともかく、白井氏は「資本論」の中に等価交換を錯乱する契機がどこかにあるのではないか?と探す…「労働力の等価交換」と言っても、どこまでが必要な労働なのか、等価の価値は上下する、白井氏は

 何を必要不可欠だとみなし、何を別に必要ではないとみなすのか、曖昧な言い方になりますが、それは文化的に決定されると言うべきでしょう。(p269)

と述べ、イギリス料理がまずい話(産業革命以降、まずくなったそうだ)、ニュージーランドでも20年前は羊ばかり食べていたのが、今は味のないブロイラーを食べている(羊肉や牛肉は輸出に回されて高くなったそうだ)ことを引きながら、「それはいやだ」と言えるかどうか、そこが階級闘争の原点になると説く!たんに「美味い物を食いたい!」というところから階級闘争を始めよう!ということでなく(そうゆうところもあるのだろうが)

 それゆえ、意思よりももっと基礎的な感性に遡る必要がある。どうしたらもう一度、人間の尊厳を取り戻すための闘争ができる主体を再建できるのか、そのためには、ベーシックな感性の部分からもう一度始めなければならない。(p280)
 
ということなんだそうな。

 この本を読んだら、資本論も読んで、感性を研ぎ澄まして、「階級闘争」やって人間の尊厳を取り戻そう!というアジテーションなのである!
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あるみさんとは

あるみさん

左翼、時々テツ!ちょっぴり萌え系…白系共産趣味ブログであったが、どうも本人のスピリットは赤か黒らしい。闘争・集会ネタが主。主戦場は沖縄・辺野古。
 もとネタは、鉄道むすめのメットキャラ「金沢あるみ」さん。フィギュアを手に入れ、メットを白く塗ったりして遊んでいた。「あるみさん」つながりで「すのこタン。」も要チェック!
 「侵略!イカ娘」からはまったのは「ガールズ&パンツァー」…梅田解放区の隠れ「ガルパンおじさん」でもあるが、今は「はたらく細胞」の「血小板ちゃん」にハマり(おいおい)人間が朝の6時に起きれるか!という謎のコンセプトで生きている。

メールは、nishihansenあっとyahoo.co.jpまで(あっとを@に変更して下さい)
ではでは(^^)

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