たたかうあるみさんのブログMKⅡ

み~んなそろって、闘争勝利!でもやっぱりメットは、白でしょ⁉ということにしておこう。

容量がいっぱいになった「たたかうあるみさんのブログ」を移動して、2020年7月に新たに開設した、共産趣味鉄道ヲタブログ⁉…旅行、萌え系ネタ⁉もあります。

#朝鮮人虐殺

「福田村事件」を観たぞ

 1週回以上前の話だが、映画福田村事件を観てきた。(少々ネタバレあり、注意)
 関東大震災における、流言飛語による朝鮮人・中国人などの虐殺事件のなかで、朝鮮人と間違われて被差別部落民が殺された事件を題材にしている。
 本題である朝鮮人に対する虐殺を描かないでどうするんだ!というような批判もあるのだが、この映画は朝鮮の植民地化、独立運動圧殺や差別もベースにきちんと描かれているし、部落差別や女性差別・抑圧、ハンセン患者への差別も描かれている。そして社会主義者の虐殺、されに「大正デモクラシー」の敗北が、次の悲劇を生んでいったであろうということも暗示される。(もちろん、関東大震災時における敗北が、ストレートに次の戦争への悲劇につながったわけではない。抵抗は1,920~30年代も継続されたのであるが…)

 映画は、大震災が起こる前の福田村や周辺のひとびと、また殺される讃岐の行商団の様子を細かく伝える。福田村に、朝鮮で教師をしていた沢田智一(井浦新)がつれあいを連れて帰ってきた。汽車の中でシベリア出兵で夫を亡くした島村咲江(コムアイ)が一緒だ。村の入り口で在郷軍人たちが盛大に咲江を迎える。インテリである村長(豊原功補)は同じインテリの沢田の帰郷を喜び、村にデモクラシーを根付かせるため一緒に頑張ろうと励ますが、沢田は村でなれない農業を始める。
 行商団は被差別部落の人たちが、食うために讃岐の村をあとにした。ハンセン病患者に”効かない薬”を売りつけることもする(もちろん効かない薬ばかり売っているわけはない。また効かない薬であっても、それが必要とされることもある)彼らは被差別者であるが、日本に来ている朝鮮人に対する意識は様々だ。あからさまに差別感情を持っているも者は、朝鮮人の飴売りに対し「(朝鮮人の飴は)何が入っているかわからん!」といって蔑むが、その言葉を聞いた行商団のリーダー、沼部新介(永山瑛太)は「自分も同じようなこと…部落民のつくるものには、何が入っているかわからん…を言われた」とそれをたしなめ、飴をたくさん購入する。行商団の何人かは「お守り」を持っているが、それは「水平社宣言」が書き込まれた紙であった。
 町では労働争議が行われたりして、赤旗・黒旗が掲げられたりもしている。争議では朝鮮人が戦闘的に闘うそうで、それを憎々しげに語る村の労働者がいる。新聞記事は「いずれは社会主義者か鮮人か、はたまた不逞の輩の仕業か」と世論を煽り、市民の不安と恐怖在郷軍人も含む村の宴会では、日清戦争時の「旅順の虐殺」経験者も出てくるが、年齢的には朝鮮植民地化前後の、独立運動弾圧をしてきた人たちなのであろう。朝鮮人虐殺に向かう下地は、十分に描かれている。村での女たちの「不倫」模様も描かれるが、「不倫」は家父長制への反抗である!「不倫」への非難は「男が安心して戦場で戦えない!」という、まことに身勝手なものでもあった…家父長制が天皇制をささえ、戦争を支えているのだ!
 震災が起こる…避難民が逃げてくるとともに、「朝鮮人が火をつけた」「井戸に毒を入れた」などの流言飛語もやってくる。良識をもっている村長はそんなことはないと否定するが、村では在郷軍人が自警団を結成し、気勢をあげる。恐怖と憎悪に包まれる中、沢田はつれあいに、朝鮮で独立運動鎮圧の虐殺(「堤岩里(チェアムリ)教会事件」らしい)に加担していたことを語る。東京ではすでに、朝鮮人虐殺や社会主義者虐殺が始まっている。飴売りの朝鮮人少女も虐殺された。
 戒厳令が出され、治安は軍や警察、行政が責任をもつことになったので、村の自警団はいったん解散だ。何かことを期待していたのか、残念がる村の男たち…女たちは「戦争ごっこ」だと男たちを非難し、早く日常の仕事に戻るよう促す…だがそこに行商団がやってくる。渡し舟で川を渡りたいが、15人もの人間と大量の荷物だ。渡し守(東出昌大)とトラブルになり、村の人も集まってくる。ここで「朝鮮人ではないか?」と疑われるわけだ。半鐘が鳴らされ、さらに多くの村人が竹やりなどの武器も携えてやってくる。村の警察は、行商の鑑札を確認が済むまで手をださないよう注意するが、在郷軍人たちは「十戦十五倫と言ってみろ」「歴代天皇の名前を言ってみろ」などと尋問を繰り返す。沢田のつれあいが「私はこの人たちから薬を買った、この人たちは朝鮮人ではありません!」と必死に弁護するが、リーダーの沼部伸介は「朝鮮人ならころしてもええんか!」と、まっとうなことを叫ぶ、それと同時に彼の頭にとび口が下ろされ、虐殺がはじまってしまう…
 沼部の「朝鮮人だったらころしてもええんか!」というのは普遍的な人権思想、いやそれ以前のあたりまえのことだと思うのだが、その当たり前を叫んだ直ぐ後に、それを打ち消す虐殺が始まる描写は、本当に恐ろしい…まっとうな意見が通らず、虐殺がはじまってしまう差別社会ニッポン(「同調圧力」のせいだけにしてはイケナイ)の恐ろしさである。まやこのセリフは、様々なものに置き換えて考えることができる…「障害者だったら、ころしてもええんか!」「トランスジェンダーだったら…」「外国人だったら…」あるいは「アイヌだったら、琉球人だったた遺骨をかえさなくてええんか」「沖縄だったら、基地が集中していてもええんか」等々…この叫びは、死刑制度に反対し、オウム事件をドキュメンタリーとして撮ってきた森達也監督もいちばん言いたかったことだろう。

 虐殺のシーンは、ある意味しつこく描写される…何人からも竹やり等で突かれ、川に追い詰められ、死体は画がされる…殺される側の理不尽さ、恐怖をまじまじと見せつけられるが、これは同時に朝鮮人に対して、もっと大規模に行われてきたのだ!それを想像しなさいということだと思う。また、事件後、生き残りの少年が取り調べる刑事に対し、虐殺された9人の名前、それと生まれてくるはずだった赤ん坊につける予定の名前を告げる…これも、虐殺された人には、一人ひとり、名前のある、人生をいきていたのだ!ということだ。飴売りの朝鮮人少女も、殺される寸前、奪われた自分の名前を高らかに叫んだ!このことも、皆さん、想像してくださいということだ。

 映画「福田村事件」いい映画なので、絶対に観ろ!と書いておく。

8/27大阪集会と展示会

 私は行けませんが、大切な集会のお知らせ
20230827 関東大震災虐殺集会_0001
「アジアから問われる日本の戦争」展2023 アフター企画
関東大震災における朝鮮人・中国人虐殺から100年
同報の無念を語る
「ほうせんか」慎民子(シン・ミンジャ)さん
8/27大阪集会と展示会
 別室にて、当時の豊富な原資料を展示

 大阪集会及び展示会
日時:8月27日(日)集会13:30~(13:00開場)
          展示会(集会終了後、16:00頃)
会場:PLP会館(4F)集会:中会議室
           展示:小会議室
講演:慎民子「ほうせんか」
映像:ドキュメント映画
  「関東大震災80年ー歴史をくり返してはならない」
報告:林伯耀
   100年犠牲者追悼大会実行委員会・共同代表
展示及び開設:久保井規夫(アジア民衆歴史センター)
参加費:800円             (❊敬称略)

講師プロフィール
慎民子(シンミンジャ)さん 在日朝鮮人二世
一般財団法人「ほうせんか」理事、「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」メンバー、証言集「風よ鳳仙花の歌をはこべ」共同執筆者

あの時、「民族排外主義」に染められた私たちは隣人である朝鮮や中国民衆を無残に殺戮し、やがて「侵略戦争」の道を突き進んだ!

その「反省」はおろか、こうした史実さえ知らされないまま、今、再び中国や朝鮮に対する憎悪が煽られ。新たな「戦争」への道を突き進みはじめている。
過去の反省と、「民族差別」を克服することでしか、「アジアの共生」と「平和」はありません!

主催:南京大虐殺60ヶ年大阪実行委員会
共催:中国人強制連行 受難者聯誼会連合を支える会
 連絡先:080-5634-3553

20230827 関東大震災虐殺集会_0001(1)
関東大震災における朝鮮人、中国人虐殺100年
歴史に真摯に向き合い、国家の責任を問い、再発を許さない共生社会への第一歩を!

 1923年9月1日の関東大震災は首都圏で死者10万人、住居喪失者200万人を超える、日本の地震災害史上最大の被害をもたらした。2日には「戒厳令」が布告され軍隊が被災地を制圧した。政府が「震災を利用し朝鮮人が各地に放火」等のデマを拡散し流言飛語が広がった。戒厳軍の制圧下で、軍・警と共に、官憲の主導下に組織された自警団に結集した民衆により6000人を超える朝鮮人、800人近い中国人が虐殺された。また、日本の社会主義者や労働運動の活動家や、朝鮮人、中国人と間違われた一部日本民衆も虐殺された。朝鮮、中国への侵略と植民地支配を推し進めていた日本は、現地の民衆の強い抵抗に遭い、その憎悪と恐怖から、日本国内で、官民一体となってジェノサイド(他民族虐殺)を敢行した。
 そして百年、他民族への驕りと蔑視、ヘイトクライムは今も後を絶たない。国レベルでの「他民族への公的な差別」が継続していることと、日本政府が関東大震災での大虐殺を一世紀にわたり隠蔽し続けていることは表裏一体なのだ。総理大臣が会長を務める中央防災会議の報告書(2008年)は、「過去の反省と民族差別の解消の努力が必要」と指摘している。関東大震災での虐殺を隠蔽し歴史を改竄する政府の責任を放置したままでは、再び加害の側へ動員されてしまうのだ。
 虐殺百年の年に、多民族・多文化が共生できる社会へ踏み出すため日本社会の隅々から立ち上がろう。
 いま再び隣国への敵愾心を煽り「敵」基地攻撃を正当化する日本政府の戦争動員に立ち向かうために!

関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会(東京)
8/31(木)犠牲者追悼大会
 時間:18:30(開場18:15)
 会場:文京シビックホール(大ホール)
 朝鮮半島、中国、米国から遺族や研究者等が来日
9/2(土)国会前キャンドル集会
 時間:19:00~20:00
 場所:国会正門前
9/3(日)国際シンポジウム
 時間:17:30~
 会場:在日大韓基督教会 川崎教会

東京連絡先:090₋8808₋5000(藤田)080₋5382₋1834(川見)

2023年8/31~
東京へ‼


「民衆暴力」

 年末年始の時間に読んだ本の適当な感想…
「民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代」(藤野裕子 中公新書 2020年8月)である。
民衆暴力ー一揆・暴動・虐殺の日本近代 (中公新書 2605) [ 藤野 裕子 ]
民衆暴力ー一揆・暴動・虐殺の日本近代 (中公新書 2605) [ 藤野 裕子 ]
 そこそこ新聞の書評欄で紹介もされて、期待して読んだ。取り上げられているのは「新政反対一揆」「秩父事件」「日比谷焼き打ち事件」「関東大震災時の朝鮮人虐殺」である。また序章では、近代に至るまで…近世期の百姓一揆などから、近世の「民衆暴力」を捉えている。
 新書という限られた項数の中、四つの「民衆暴力」を取り上げ、その底流に流れるのは何か?とするのはなかなか難しい。筆者の意図としてある「今必要なのは、『暴力はいけない』という感覚をいったん脇において、過去に民衆がふるった暴力がいかなるもので、どのように怒ってきたのかを直視し、暴力に対する見方・考え方を鍛えることであろう。そのことで、現代の感覚をもう一度見つめ直す機会が得られるはずだ」(はしがき ⅲ)という点において、かならずしも成功したとは言い難いのではないだろうか。だが四つの事件を取り上げることで、近代化・民主化・対外戦争・植民地支配といった近代日本を理解する上で大切な要素と民衆暴力のかかわり、変遷は見えてくる。民衆が暴動・暴力をふるっているからといって、必ずしも対権力に対し「反権力的」「革命的」にふるっているわけではない。それは先日、アメリカでトランプ大統領に扇動された民衆が連邦議会に乗り込んだ「暴力」を見ても明らかである。だが、それも含めて民衆が暴力をふるうのはそれなりの理屈があること、それは時代時代によって違うこと、さらに一揆や暴動の”きっかけ”を作った者(例えば「日比谷焼き討ち事件」における集会を主催した者)は全く別の、違う思惑を持っていた等、もう様々だ。だから「その底流に流れるのは何か?」という一本筋のとおったものは見えにくく、かつ個々の事例がわりと詳細に取りあげられているため、どうしても消化不良感が残るものだった。
 ただ、あとがきで書かれている「本書の企画をスタートさせる際に、三つの目標を立てた。大学生にも手に取ってもらえる本にすること。歴史の知識を増やすのではなく、歴史をとおして思考を深められる本にすること。オリンピックの前に刊行すること。(p212)のうち、前者2つの目標は十分達成していると思う。だから本書の前に著者が著している「都市と暴動の民衆史」(有志舎 2015年)は、すごく期待できる本なのだろう。
都市と暴動の民衆史 東京・1905-1923年 [ 藤野 裕子 ]
都市と暴動の民衆史 東京・1905-1923年 [ 藤野 裕子 ] 
 また、本書で取り上げられた各事象・事件について、特に2章設けて論じられている「関東大震災時の朝鮮人虐殺」については、別途それについて書かれた本を読む必要があると思うし、そう思うように本書は書かれているぞ!
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あるみさんとは

あるみさん

左翼、時々テツ!ちょっぴり萌え系…白系共産趣味ブログであったが、どうも本人のスピリットは赤か黒らしい。闘争・集会ネタが主。主戦場は沖縄・辺野古。
 もとネタは、鉄道むすめのメットキャラ「金沢あるみ」さん。フィギュアを手に入れ、メットを白く塗ったりして遊んでいた。「あるみさん」つながりで「すのこタン。」も要チェック!
 「侵略!イカ娘」からはまったのは「ガールズ&パンツァー」…梅田解放区の隠れ「ガルパンおじさん」でもあるが、今は「はたらく細胞」の「血小板ちゃん」にハマり(おいおい)人間が朝の6時に起きれるか!という謎のコンセプトで生きている。

メールは、nishihansenあっとyahoo.co.jpまで(あっとを@に変更して下さい)
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