先月、赤字ローカル線の代替にはならないバス転換という記事をあげて、
記事の最後には「バスドライバー不足の問題からも地域の交通崩壊を招きかねない」としている。最近は路線バス事業者でも人口減少、働き手不足による運転手不足が深刻化しており、バスを減便せざるを得ないという問題も起こっている。地方では赤字ローカル線の「代替バス」として手を挙げるであろう地域の事業者でも、人出不足でしり込みしているようなところもあるらしい。
てなことを書いたが、赤字ローカル線が走っているところではなく、大阪で人で不足によりバス路線を廃する!というニュースが流れてきた。Y!ニュース産経新聞
もう限界…金剛バス全線路線廃止の衝撃、地域の足引っ張る2024年問題
燃料費の高騰や深刻な人手不足が、地域の「足」に影響を及ぼし始めている。大阪府富田林市など4市町村を中心に路線バスを運行する金剛自動車(同市)は、12月でバス事業を廃止すると発表。都市部から比較的近い地域での全15路線の廃止は、地元住民や関係者に衝撃を与えた。国は自動運転の実証実験を進めるなどしているが、運転手の残業規制が強化される「2024年問題」が迫る中、公共交通の在り方が改めて問われている。(以下略)
金剛バスの全路線廃止、廃業は地元にとっても突然だったようで、記事にも「地元住民や関係者に衝撃を与えた」とある。モータリゼーションや人口減少で採算がとれない、赤字が累積している…というだけでなく「運転士がいない」というのは致命的だ。記事には
記事の最後には「バスドライバー不足の問題からも地域の交通崩壊を招きかねない」としている。最近は路線バス事業者でも人口減少、働き手不足による運転手不足が深刻化しており、バスを減便せざるを得ないという問題も起こっている。地方では赤字ローカル線の「代替バス」として手を挙げるであろう地域の事業者でも、人出不足でしり込みしているようなところもあるらしい。
てなことを書いたが、赤字ローカル線が走っているところではなく、大阪で人で不足によりバス路線を廃する!というニュースが流れてきた。Y!ニュース産経新聞
もう限界…金剛バス全線路線廃止の衝撃、地域の足引っ張る2024年問題
燃料費の高騰や深刻な人手不足が、地域の「足」に影響を及ぼし始めている。大阪府富田林市など4市町村を中心に路線バスを運行する金剛自動車(同市)は、12月でバス事業を廃止すると発表。都市部から比較的近い地域での全15路線の廃止は、地元住民や関係者に衝撃を与えた。国は自動運転の実証実験を進めるなどしているが、運転手の残業規制が強化される「2024年問題」が迫る中、公共交通の在り方が改めて問われている。(以下略)
金剛バスの全路線廃止、廃業は地元にとっても突然だったようで、記事にも「地元住民や関係者に衝撃を与えた」とある。モータリゼーションや人口減少で採算がとれない、赤字が累積している…というだけでなく「運転士がいない」というのは致命的だ。記事には
月の平日利用者数は全路線で約2600人だが、平成25年度の乗客が約172万人だったのに対し、令和3年度は約106万人と約4割も減少。安全運行には約30人の運転手が必要だが、現在は20人(うち3人は他社からの派遣)で、過去3年間は赤字だったという。
運行する4自治体からは補助金交付も打診されたが、最終的には断ったという。白江社長は「今後の運転手確保の見通しも立たず、補助金だけでは根本的な問題解決にならない」と述べ、バス事業が直面している厳しさを強調した。
とある。矢折れ力尽き…というより、矢(運転士)がない!状況だ。
廃止後もバス路線が維持できるよう、近鉄バスや南海バスも巻き込んで地元で協議中であるようなのだが、大手私鉄参加のバス事業者でもやはり運転士不足をはじめ、新規にバス路線を受け持つのはしんどいだろう。次は福岡の例Y!ニュースRKB毎日放送
路線バス廃止と減便の理由は「深刻な乗務員不足」 西日本鉄道の社長が説明
西鉄は路線バスのダイヤを改正し、10月から福岡県内の32路線で減便・廃止すると発表しました。西鉄は乗務員が130人ほど不足していることを明らかにしました。
西鉄 林田浩一社長
とある。矢折れ力尽き…というより、矢(運転士)がない!状況だ。
廃止後もバス路線が維持できるよう、近鉄バスや南海バスも巻き込んで地元で協議中であるようなのだが、大手私鉄参加のバス事業者でもやはり運転士不足をはじめ、新規にバス路線を受け持つのはしんどいだろう。次は福岡の例Y!ニュースRKB毎日放送
路線バス廃止と減便の理由は「深刻な乗務員不足」 西日本鉄道の社長が説明
西鉄は路線バスのダイヤを改正し、10月から福岡県内の32路線で減便・廃止すると発表しました。西鉄は乗務員が130人ほど不足していることを明らかにしました。
西鉄 林田浩一社長
「2024年問題を含めて足元でも乗務員の不足が深刻化している。やむを得ず減便をやらせていただいた」
減便されるのは福岡地区の17路線、北九州地区の11路線、久留米地区の3路線です。福岡地区では、利用者数が落ちている便を中心に平日で全体の1.6%にあたる186便を減便する一方、インバウンドの増加を受けて博多駅~福岡空港を結ぶ直行便を1日14便増便します。一方、筑豊地区の田川市などを走る「金田・方城」路線は、利用者の減少を受けて数年前から自治体と協議を重ね、廃止を決めたということです。
乗務員37人分の業務量を削減
乗務員37人分の業務量を削減
西鉄によりますと、現在、乗務員が130人ほど不足していて、今回のダイヤ改正で37人分の業務量の削減になるということです。
西鉄バスは福岡・北九州を中心に路線網を広げる大手民鉄傘下のバス会社であるが、そこでも運転士不足から減便や路線廃止をしているという。
大都市近郊であっても、人手不足、労働者不足により、ついに公共交通機関が維持できなくなるところまでニッポン社会が追い詰められているのだ。
少子化や「働き方改革」で、とくに建設業や運輸・物流関係、介護職などで労働者が不足しているというのは昨日今日始まったことではない。なりふり構わず外国人労働者を導入する!という方法をとらざるを得ないだろうが、入管体制に見られる外国人への差別や、そもそも日本の賃金水準が韓国、中国、台湾ほかアジアの国々と比べて低くなってきていることで「外国人労働者から日本が選ばれない」という問題も出てきている。またバスの運転手では、大型2種免許が必要になるから、外国人をただ読んでくればいいというわけにもいかない。
もちろん、こういった少子化や労働者不足の原因は、日本の資本主義が新自由主義体制を極端に推し進め、労働者を蔑ろにする政策をとり続けてきたためであり、その責任は政権与党の自民党にある。
いずれにせよ、数年、いや万博をやるまでもない間に、あちこちで労働者不足による社会の麻痺や縮小が起こってくるのではないか?
スーパーやコンビニには商品が並ばず、夕方の5時には棚が空っぽになってしまう。電車もバスも、昼間はほとんど動いていない、マイナンバーカードで役所の手続きを早く済ませても、肝心のモノが郵便事情で届かない、マンションでエレベータがぶっ壊れても、なかなか直らず、階段での上り下りを余儀なくされる…
便利な日常生活も、もはやあと数年で送れなくなるのではないか?
西鉄バスは福岡・北九州を中心に路線網を広げる大手民鉄傘下のバス会社であるが、そこでも運転士不足から減便や路線廃止をしているという。
大都市近郊であっても、人手不足、労働者不足により、ついに公共交通機関が維持できなくなるところまでニッポン社会が追い詰められているのだ。
少子化や「働き方改革」で、とくに建設業や運輸・物流関係、介護職などで労働者が不足しているというのは昨日今日始まったことではない。なりふり構わず外国人労働者を導入する!という方法をとらざるを得ないだろうが、入管体制に見られる外国人への差別や、そもそも日本の賃金水準が韓国、中国、台湾ほかアジアの国々と比べて低くなってきていることで「外国人労働者から日本が選ばれない」という問題も出てきている。またバスの運転手では、大型2種免許が必要になるから、外国人をただ読んでくればいいというわけにもいかない。
もちろん、こういった少子化や労働者不足の原因は、日本の資本主義が新自由主義体制を極端に推し進め、労働者を蔑ろにする政策をとり続けてきたためであり、その責任は政権与党の自民党にある。
いずれにせよ、数年、いや万博をやるまでもない間に、あちこちで労働者不足による社会の麻痺や縮小が起こってくるのではないか?
スーパーやコンビニには商品が並ばず、夕方の5時には棚が空っぽになってしまう。電車もバスも、昼間はほとんど動いていない、マイナンバーカードで役所の手続きを早く済ませても、肝心のモノが郵便事情で届かない、マンションでエレベータがぶっ壊れても、なかなか直らず、階段での上り下りを余儀なくされる…
便利な日常生活も、もはやあと数年で送れなくなるのではないか?