たたかうあるみさんのブログMKⅡ

み~んなそろって、闘争勝利!でもやっぱりメットは、白でしょ⁉ということにしておこう。

容量がいっぱいになった「たたかうあるみさんのブログ」を移動して、2020年7月に新たに開設した、共産趣味鉄道ヲタブログ⁉…旅行、萌え系ネタ⁉もあります。

#人民新聞

人民新聞裁判のもつ意味

 1週間たつが、人民新聞裁判取り下げ報告集会のレジュメとその若干の補足…おおくは村上さん自身の報告による…でもって、表題のことを書いてみる。
 
はじめに、おさらいとして経過であるが。2021年11月に、人民新聞が村上さんに対し、副業であるメンズエステを辞めるよう強要し、そこでハラスメントが行われた。結局村上さんはメンズエステを辞め、別のナイトワークをすることになったわけだが、本人は当初「泣き寝入り」をするつもりだったそうだ。ところが宝島社裁判のある支援者が「裁判費用をかせぐためにナイトワークをしている」と肯定的な書き方であるがFacebookにあげたのである。その記事を、たまたまかつて人民新聞で働いていたものの、ハラスメントで辞めた女性の目にとまり「大変なことになっているね」と村上さんとコンタクトを取った。村上さんがメンズエステを辞めさせられた(だから別のナイトワークで働いている)という事情を説明したところ、「それはハラスメントだよ」と”指摘”されたとのことである。そして自分がハラスメントで辞めたのに、そのことについて声を上げなかったことが、今回の村上さんの件につながっている、ごめんねと謝ったそうである。そこで村上さんは「同じことを繰り返させない」ために、闘うことにしたのだそうな。
 手始めに「連帯ユニオン」に相談したところ、団体交渉はできないが「話し合いの場」を持つことは可能であるということで、年明けから3回、話し合いをした。その場では連帯ユニオン組合員である友人が参加して、人民新聞側を追及したりもした。ただユニオン側がこれ以上の介入は難しいし、団体交渉も避けたいということで、連帯ユニオンでの話し合いは終了した。
 その後、先に村上さんとコンタクトを取った人も含めた、人民新聞からかつてハラスメントを受けたという人が集まって話し合いを引き継いだ…これは労働組合・ユニオン相手ではなく、あくまでも任意の人の集まりによるものだ。数回の話し合いが行われたが、過去にハラスメントを受けた人が再度、人民新聞から被害を受け(資料によれば、セクシャリティに関するアウティングの仄めかしと、その実行である!)その方が精神的に追い詰められ、話し合いの継続が困難になってしまった。(私も別途、裁判直前にその方にお会いしたのだが、大変消耗した状態で、もう話し合いは続けられない、裁判しかありませんと訴えられたのである)
 村上さんは茨木市にあるサポートユニオンwithYOUに赴いて「自分たちでは人民新聞から対等な話し合いがなされなかったので、ユニオンにはいって団交したい」と伝えたが、連帯ユニオンでも無理だったこともあって「団交は無理だが、裁判にするなら支援できる」と提案され、裁判が始まったわけである。その後「きょうとユニオン」から連絡が入り「ウチで団交しよう」と提案され、団交が始まる…ただ裁判は一度取り下げると同じ内容で訴えることはできず、団交が決裂した場合に備えて団交と平行して継続されることになった。これが昨年の11~12月のことである。期日を引き延ばし、引き延ばしして5月25日に設定していたのであるが、なんとかその日までに「和解協定書」が結ばれ、自己批判文が人民新聞読者に発送されたため(参考)裁判は取り下げられたのである。

 では団交で解決したのであれば、裁判は何だったのか?という疑問が残る。この点について、労働組合による団交・交渉は当事者が絞り込まれ、部外者・支援者が参加しずらいということもある。交渉中もその過程や内容を外に出すことが難しい。それに対し、裁判は原則、公開されているので支援を募りやすく、裁判に沿った形ではあるが過程・内容を外に出すことも可能である。実際問題、裁判になるまで「村上さんと人民新聞が揉めている」こと水面下で行われており、運動圏では「なんか揉めてるらしい」程度でおぼろげに伝わっているか、あるいはまったく知られていなかったか?ということである。また裁判そのものが、団交に対しての圧力にもなったという面もある。ただ、いすれにしても支援者がそれなりに集まったということが大きなカギであり、後で行われた交流会の中でも村上さんは、人民新聞とそこの活動家が言うことと、田舎からでてきた自分の言うことのどちらを信用してくれるのか不安であったが、これだけの人(報告集会では30名程度)が集まってくれてありがとうございますとお礼を言っていたことも報告しておく。

 報告集会では、今後についての報告もなされた。まず本報告集会でもって「人民新聞ハラスメント裁判を支援する会」は解散することになり、団体交渉と連携した裁判を支援する取り組みとして
①運動体で働く者の労働環境について、使用者と雇用契約を結ぶことなど新しい芽をつくりだすことができた。
②裁判の報告集会や学習会を通して、運動体に存在する男性中心の共同社会の前近代的な関係を見直すことにつながった。
③同様に裁判の報告会や学習会を通して、ナイトワークや風俗産業で働く女性の権利や人権、職業選択の自由などについて考えることにつながった。
 との報告がなされた。そして、これらの立場を継続する個人参加の活動を進めていくことの確認がなされたのである。
 また大阪市西淀川区にある、医療法人愛仁会からのパワハラに対し裁判で闘っている島本友紀子さん(仮名)のアピールがあり、社会医療法人愛仁会パワハラ裁判を支える会(準)を足り上げたので、メーリングリスト等に登録して、支援してくださいとのことであった。

 ではでは…

人民新聞和解協定書と自己批判文

 昨日こちらの記事に書いた通り、人民新聞裁判が終結し、裁判を取り消した報告会が行われた。とりあえず公表された和解協定書と、自己批判文を掲載する。

和解協定書
 ㈱人民新聞(以下、「甲」という)と、きょうとユニオン(以下、「乙」という)ならびに村上組合員(以下、「丙」という)の3者は、甲における労働問題の諸点について、下記のとおり合意したことを確認し、その誠意ある履行を確約して和解協定書を締結する。
①甲は11月25日の話し合いを発端とするハラスメント及び労働環境に関する紛争について自己批判文を作成し、5月25日までに人民新聞購読者全員に郵送する。
②甲は2022年1月5日以降の話し合いの中で約束したハラスメント研修を継続する。
③甲は本件解決にあたって解決金として150万円を乙に5月11日までに支払う。
④丙は上記①の郵送と③の支払いを確認次第すみやかに、大阪地方裁判所で係争中の訴訟を取り下げる。
⑤本協定成立後は、甲と乙、丙は、互いに誹謗中傷をしない。
 双方の関係者・支援者に対しても、和解の趣旨を誠実に説明し理解を求める。
 自己批判文の公開は本件紛争の解決について報告する目的に限る。
⑥甲と乙、丙は、本協定に定める事項の履行をもって、甲と乙、丙との間には、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。
 上記合意の成立の証として3者は以下に捺印した。本合意書は原本3通を作成し、3者が各々その1通を保持する。
 2023年5月11日
 (甲) ㈱人民新聞社 山田 洋一
            津林 邦夫  
            園 良太
 (乙) きょうとユニオン 執行委員長 笠井 弘子
 (丙)  同   組合員 村上 薫


自己批判文 ㈱人民新聞社 山田洋一 津林邦夫 園良太 2023年5月11日
 私たち人民新聞の編集部3名は、2021年11月25日に社員であった村上薫氏と新聞社事務所で約1時間の話し合いを行いました。そこで村上さんに対して、休業中の副業(メンズエステ)へ復帰しないことと、退職を求めました。「経営者だけでなく従業員も逮捕弾圧される事例の増加」と、「逮捕弾圧とその影響を防ぐこと」が主な理由でした。
 しかし、この話し合いやその後のやり取りの末に、私たちは村上さんから2022年3月に大阪地裁に提訴されました。その上で、村上さんが加入した労働組合「きょうとユニオン」との団体交渉も始まりました。
 11月25日の「話し合い」とその後の言動が、村上さんに大きな苦痛と損害を与えたことを認め、以下の通り表明します。
 11月25日、私たち3人は、勤務時間外の村上さんを職場に呼び出し、急遽話し合いを持ちました。その話し合いの場で、私たちは村上さんに弾圧の危険性と各方面への影響を主な理由として、メンズエステに復帰しないことと、退職を提案しました。村上さんの職業選択の自由の否定、そしてメンズエステについての偏見に基づいた介入は村上さんの尊厳を深く傷つけました。
 この話し合いは、職場の上司かつ年長の男性=明らかに優位な立場にある私たち3人が村上さんを取り囲んでの話し合いとなり、これは力関係が不平等な中で行われた明白なパワーハラスメントでした。
 そのような一方的な話し合いを行った背景には、1 人民新聞が、賃金の発生する労働と個人の政治的な活動とを混同し、境界を曖昧にしていたこと。2 それによって、活動家なのだからという「大義名分」を持って労働者の基本的権利を尊重せず、長時間労働や過重労働の常態化をしていたこと。3 労働者個々人の生活や価値観への介入をハラスメントだと認識していなかったこと。4 女性差別に関しての認識が不十分であったこと。5 人民新聞が度々指摘されてきた男性中心主義を改められなかったこと。
 このような背景が、11月25日の「話し合い」をもたらしたと言えます。
 2022年1月5日、村上さんとその支援者からメンズエステへの復帰問題の話し合いが申し込まれ、1月8日から3月4日まで5回行われました。第1回では、村上さんから3点の要求が出され、私たちは3回目に書面での回答と謝罪文を提示しました。話し合いはその後も続き、5回目に私たちから見た事実認識の提示と反論を行いました。しかし、そのような過程で人民新聞側が村上さんを精神的に追い詰め、話し合いが継続できないような状況となったために、訴訟へと発展してしまいました。
 話し合いにおける私たちの対応を改めて自省すると、組織や個人の自己防衛意識が先に立ち、何が問題だったのか、深く考えることができないまま、話し合いが進んでしまったと思います。
 また話し合いの中で人民新聞社側が提出した経緯の認識についての書面は、村上さんのプライバシーに関わる内容であり、村上さんの精神的苦痛を大きくさせてしまいました。
 私たちは、以上の内容を自己批判します。
 また、再発防止として村上さんから要求されていた、パワーハラスメント加害者研修の受講はすでに昨年春から開始しており、今後も継続するつもりです。
 そして村上さんが団体交渉で求めている賠償に応じるとともに、現在の有限責任事業組合(注)で同じ過ちを繰り返さないよう、編集部内での対等で開かれた関係性や、無理や矛盾のない仕事のやり方を目指して、常に自己チェックと話し合いを行っていきます。

以上

(注)株式会社人民新聞は2022年4月、「有限責任事業組合」に会社形態を変更しました。

人民新聞への裁判が終結します

 村上薫さんが人民新聞社を「セクハラ・パワハラ」で訴えていた裁判であるが、実は長い期間、労働組合を通じての「団体交渉」が行われ、解決の道を模索していた。その間、期日の設定はあったが審議自体を先延ばししていたのである。
 本格的な交渉は今年1月から行っていたのであるが、5月11日に村上さん、人民新聞の当該、そして間に入っていた労働組合(きょうとユニオン)との間で協定書が締結された。おおまかな内容は①人民新聞側はハラスメントがあった事実を認める②自己批判文を作成し、封筒に封入して読者に送付する③人民新聞側から村上さんに解決金を支払う④今後、お互いに誹謗中傷を行わない…というようなものである。
 事実関係を認め、自己批判するということ、解決金(そこそこの額)を支払うということが交渉の結果、勝ち取られたわけだ。

 これをもって、人民新聞社を訴えていた裁判そのものを取り下げることになる。

 次回期日が5月25日(木)午後から予定されていたが、この日は急遽「協定と裁判取り下げ」報告集会となる。

 5月25日(木) 13:30~ 大阪弁護士会館 1110号室

 報告集会に結集しよう!

「人民新聞裁判・村上薫さんを支援する会」賛同呼びかけ

 10月20日に大阪地裁で村上薫さんが人民新聞を訴えた裁判の口頭弁論が行われたので参加してきた。狭い傍聴人席(20名程度)はいっぱいになり、途中で傍聴者が交代することもあった。
 裁判終了後、弁護士会館で集会が行われた。その報告の中で、こちら側から9ページに及ぶ質問の書類を提出したので、裁判官は人民新聞側はちゃんと答えること、そこから・事実認定・使用者責任の有無・違法性の有無について議論することになるとまとめられた。これまで人民新聞側から、こちらの訴えに対し数行で「〇〇〇については、否認する」「〇〇については、個人の責任である」とうような反論しか返ってこなかったので、具体的な反論をするように!ということなのだ。そこで人民新聞側は反論に1か月半はかかるという答弁をしたので、次回の審尋は12月15日(木)となった。なお、こちらも毎回傍聴人があふれる事態となっているので、大法廷での審尋を希望している。
 さてこの支援者集会で10月8日の学習会でも説明のあった「人民新聞裁判・村上薫さんを支援する会」が正式発足することになり、賛同呼びかけが配布された。以下、転載する。

「人民新聞裁判・村上薫さんを支援する会」賛同呼びかけ
2022年10月20日
■原告村上薫さんが人民新聞社を裁判に訴えることになったのは?
 2021年2月10日に出版された「大阪ミナミの貧困女子」(宝島社)は、コロナ禍で値崩れした女性を買って応援しようという差別的な内容で、ミナミの女性差別、職業差別を訴え、政治による解決を求めた執筆者である村上薫さんの原稿を許可なく改ざんしました。今、彼女は出版社を訴えて「宝島裁判」を闘っています。この裁判費用を捻出、人民新聞社の劣悪な報酬では賄えない自らの生活費を得るためにメンズエステで働いていました。
 2021年11月25日、人民新聞社の編集長他2人から、社員の村上さんは「メンズエステを辞めるしかない」「活動家なら危ない橋を渡るべきではない」「人民新聞が弾圧される可能性もある」「人民新聞に迷惑がかからないようにすべきだ」「人民新聞を辞めても。メンエスを続けている限り権力はお構いなしにガサをかけてくる」との理由で、メンエスを辞めるように迫られました。
 この状況で、人民新聞社がメンズエステに対して社会的に偏見をもっていること、職業選択の自由を侵していること、将来の自らの生活が崩れることを彼女は主張しましたが、人民新聞社からメンエスを辞めるように迫られ退店に追い込まれました。
■そして今、村上さんは人民新聞社に次のような行動を起こしています。
 2022年1月8日、連帯ユニオンを通して交渉し、①こちらが指定するセクハラパワハラ防止のための研修への参加、②何をしたかを紙面で明らかにして自己批判すること。③ナイトワークを休んだ期間の裁定予想給料とハラスメントを受けて出社できなかった期間の人民新聞での給料の補填を求めていましたが、3月4日決裂しました。その後、人民新聞社をハラスメントでやめた人たちが中心になり人民新聞との話し合いがもたれましたが、その過程で再びハラスメントを受けるという事態が起こりました。
 現在、彼女はきょうとユニオンに加入し、団体交渉を通じて「契約関係」「労働条件」「退職問題」や人民新聞社のハラスメント体質の反省と給与未払い損害賠償などを求めています。
 村上さんと代理人(高岸桂子弁護士)は、大阪地裁へ3月14日仮処分を15日には本訴を行い、経済的損失、損害金の請求を行いました。また、4月18日、地位保全の仮処分の申立を行いました。団体交渉と並行して裁判に訴えた理由は、人民新聞社が2022年3月に会社を解散し新しい事業体を設立するため、損害請求の裁判が困難になることから3月に訴訟手続きを行いました。
 支援する会は、この「人民新聞裁判・村上薫さん」を支えるために、財政面のみならず、裁判の傍聴や裁判経過の共有、女性への性差別ハラスメントなどの学習会を開いて行きます。
 また、性風俗事業者をコロナ休業持続化給付金から排除した厚生労働省を訴えた裁判で、6月30日東京地裁は「大多数の国民の性的道義観念」にもとづき「本質的に不健全」の立場から訴えを退けました。こうした誤った観念を問い直すことも「人民新聞社ハラスメント裁判」の核心の一つであるとの立場から、風俗で働くこと、ナイトワークのことについても考えていきます。
 この裁判を支えていただくために賛同人になっていただくことをお願いするとともに、賛同会費として1口1000円をお願いし、賛同カンパを指定する郵便振替または口座に振り込んでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

2,022年10月20日
事務局(連絡先) サポートユニオンwithYOU 072-655ー5415

郵便振替口座 サポートユニオンwith YOU 00970-8ー209223
銀行口座 りそな銀行 茨木支店(207)普通(0474644)

人民新聞社裁判学習会の報告

 昨日8日は人民新聞社裁判学習会に、トークセッションでしゃべらないとイケナイこともあり参加skてきた。会場の茨木市、男女共生センターローズWANは、JR茨木駅と阪急茨木駅の中間にあって、周りに高い建物はないから5階会議室、501-502に上ると見晴らしがよい。
 トークセッションの打ち合わせを行ってから、集会開始…まずはサポートユニオンwithYOUの島野さんから司会挨拶。私たちのような労働組合にも、男性中心社会が残っている。また自分の組合で働いてもらっている人に対しても、今回のことで改めて雇用契約を結ぶことにしたが「個人請負」みたいな形になっているところも多い。ナイトワークについても、コロナ対策の持続化給付金を受け取れなかった風俗業が裁判を起こしたら「本質的に不健全」だから受け取れなくて当然だという判決が出た…こういった内なる意識にどのように向かうのかが問われていると述べられた。
 続いて担当する高岸桂子弁護士から裁判の経過報告である。請求の趣旨は、雇用契約上の地位確認、2022年1月からの未払い賃料の支払い、損害賠償の請求であるが、まず人民新聞社が今年の3月に事業を清算して「無くなる」可能性があったので(事業清算→新体制移行は本裁判が起こる前から既定路線であった)そのため地位確認や賃料の支払いについては急ぐ必要があったので、まずは仮処分、続いて翌日に本訴を行った。会社は清算法人として残ることになったので、仮処分は取り下げて本訴1本で今は動いている。
 地位確認と賃料請求について、村上さんは一旦、人民新聞社に「退職届」を出しているが、後に撤回した。しかし人民新聞社側は「退職届は撤回されていない」として争っている。ただ、なぜか社会保険が継続したりと不自然な点が残っている。もっとも村上さんと人民新聞社の間に雇用契約が交わされておらず、労働契約上の縛りや規則が何もない、証拠がないことがネックになっており、後で「雇用契約がないのになぜ人民新聞社は退職届を受け取ったのか?」という質問も会場から出てきた。
 損害賠償の請求について、副業(メンズエステで働くこと)の退職強要、副業に対する差別的な発言が「パワハラ。セクハラ行為である」と主張しているが、人民新聞社側は、社内の個人がプライベートでしゃべった事であり、会社は無関係であるとして、裁判では全面的に否認している(裁判前の「団体交渉」ではパワハラについて認め、謝罪文を出したりもしている)。争点としては、それが会社としての行為なのか、また「パワハラ・セクハラ」だといっても不法行為に該当する行為と言えるかということだそうな。また、現在清算中の旧の人民新聞社が相手ということだが、新体制の人民新聞も、人も、新聞の内容も、振込口座も旧人民新聞と同じままであり、同一であるといえそうなのだが、法的には必ずしもそうではないこともネックになっている。
 つづいて村上薫さんからの発言である。
 まず初めに、これは裁判闘争が目的なのではなく、運動体の中でどうやって相互批判をやっていくかという問題であると述べられた。反差別などを掲げ、権力と闘う運動体の中で、たくさんのパワハラ・セクハラが起こって来たが、被害者が潰されてきた。「穏便な解決」として被害者の方が引き下がる例が多いが、それでは私たちは前に進めない。相互批判に対する恐れをなくしていこうと述べられると、会場から拍手が起こった。
 その後セックスワーカー・夜職で働く人への差別、偏見についての話が続く…皆さんの身近にセックスワーカーは居ますか?セックスワーカーの多くは隠しています、例えば親には秘密ですという人が大勢いること、ドストエフスキー「罪と罰」の父親と娘の話などから、セックスワーカーは悲しいばかりでもなく、キラキラしたものでもないということ、それなりに綺麗な恰好をするので、反発する人も多いが、見えない貧困の中にいること、「普通の人」が例えば定年が65歳であるのに対し、生涯賃金は年齢を重ねるごとに低下し、30歳になるとゼロになるから、稼げるときに稼ぐしかないこと、実はありふれていて、めずらしい存在ではないから、見えにくいものに目を向けて欲しいというようなことを話された。
 なぜ今の職業についたか、もともと大学の学費を稼ぐため、ラウンジで働きだしたのがきっかけである。親が学費を出さず、二十歳過ぎたら全部自分持ちとなった。反原発・反差別の運動で東京や大阪に行くことも多いので交通費もかかる。そこから「若狭の原発を考える会」で一緒に活動するようになり、報告を人民新聞社に持って行ったことから繋がりが出来て、人民新聞社で仕事をするようになって、ある時「社員にする」と言われたのだそうな。会社の環境とか、他を知らなかったので「まあこんなもんか」と納得してがんばっていこうとしたが、お金はない。20万円ほど借金もあったが、アレルギーがあるので倉庫内軽作業や介護職、農業の仕事は出来ない。昼は人民新聞の仕事もあるし、急に集会、デモが入ってくることもあって、シフトが完全に組まれている仕事は無理だが、キャバクラのような夜職であれば、そういった急な休みも織り込み済みなので、最初は茨木の、そしてミナミのラウンジで働くことにした。(なお大学は中退ということになり、最終学歴は高卒のままである)
 そうした中、コロナ禍で吉村知事がいきなり、ミナミの街の囲まれた街区一帯に「休業要請」を出した。仕事がなくなって抗議の記者会見を開いたら、お店のママから「もう雇えない」と通告された。ママの気持ちも理解できるので、辞めて荷物を持って街を歩いていると、メンズエステのスカウトから声をかけられた…当時、ラウンジやクラブを辞めさせられて荷物を持って困っている女性を、風俗のスカウトが声をかけていたそうだ…そこでメンズエステ(風俗であって風俗でない?)で働くことにした。
 1年くらいたって、メンズエステ店への摘発が全国で増えてくる中、人民新聞社から弾圧を避けるため「メンズエステを辞めるように」言われるようになった。当時「宝島社裁判」を抱えていて、裁判費用がどれだけかかるか、ナイトワークしていなかったら、払えない!
 今回の裁判で、人民新聞をつぶそうというのではない。ハラスメントを自覚して欲しい。人民新聞社に女性が少ないのは、入ってはやめ、入ってはやめしているからだ。このことについて相談した元社員?ボランティア?の方は「当時、声を上げれなくて、ごめんね」と言ってくれたそうだ。これで終わりにしなければということなのである。
 続いて、トークセッションである。まずは私からこちらのブログ記事にも書いている通り、キュア相談所の会議において、彼女にメンズエステの仕事を辞めるよう説得した一人であり、当時は弾圧対策としてやむを得ないと考えていたが、年明けに別のメンバーから「それは差別である」との指摘を受けたことなどを述べた。また人民新聞社側からメンズエステを辞める説得するように依頼を受けた際に、特にあからさまな夜職差別、セックスワーカー差別の言動はなかったが、村上さんが”お金に執着している”というようなことは言われたこと、人民新聞社側が辞めさせたことはハラスメントでないと言うのであれば、裁判で堂々と「弾圧対策として正しかった」と主張すればよいのに、そういった主張をしているわけではないこと、個人がやったこととしているのであれば、その個人が責任を引き受けようとしているのか疑問であるとも述べておいた。
 Swing Masaさんは女性Sax奏者として、音楽の世界ももろに男社会だ。リブの女性たちに助けられ、シスターフッドを信用してこれまで生きてこられた。組織を守るために辞めさせるのであれば、生活を保障すべき、村上さんが何も納得していないのに辞めさせるのはあり得ないと述べられた。また「村上さんは嘘つきである」などとSNSで拡散する人がいるが、相手が見えないから言い切れてしまう。相手の感情を逆なですることになるから、相互批判は直接面談して、何回も会ってすりあわせていかないとうまくいかないのではないか?それにしても村上さんが気丈夫なのが救いで、私もハラスメントを受けてメチャメチャしんどいということを述べられた。
 大学で差別やマイノリティについて研究されている北口さんは、支配的な道徳観、価値観は時の権力者にとって都合の良い価値観であり、被害者ががまんしてがまんして、最後に発せられる声に真実があるのではないだろうか?風俗業はなくならないが、雇用関係は圧倒的に女性に不利だ。また風俗で働いている人の「更生施設」が全国に96カ所あるが、入所者は8名である、時代に合っていない。釜ヶ崎の炊き出しに女性が並ぶようになったが、これも雇用関係の問題だ。今回の「職業差別」で突きつけられたものは、単なるメディアの会社がセクハラ・パワハラをしたということ以上に多様な見方が出来る。変わらなければならないのは、男性ではないかと述べられた。
 会場からの意見として、異論はたくさんあるけれど、セックスワークを労働として向き合い、権利が守られなければならないこと、人民新聞社はセックスワーカーといっしょに闘ってくれるものだと思っているが、ワーカーの職業としての自立的選択を軽視している、そのことを問うていかなければいけない。
 相互批判をしていくうえで、何を大切にするか?被害者が「元気」な状況にあるのは特別なことで、立ち上がれない被害者も沢山いる。被害者がつぶれないよう、被害者を守りながら闘うことが大事だ。
 あと、いいわけをしない。たかがセクハラということではないし、運動体をつぶさないために声をあげないというのは間違っている。人民新聞を、相手をつぶすのではない、自分のやっていることは、分かっている?と声をかけている。
 加害者と被害者が直接会って話し合うかどうかは、村上さんが判断することで、村上さんがいやがることはしない。直接の加害・被害がない部分でどうしていくかということだ。
 人民新聞社はハラスメントを認めており、新体制で世間的に認められている人を呼んで、勉強会を行っている。それならばしなければならないことは、直接村上さんに合って謝罪することではないか?裁判で訴えられていることを丸ごと認めてもいいはずだ…などという意見が出された。
 最後に島野さんから、きょうとユニオンで現在行われている交渉についての説明や、フェミニズムに引き付けてもう少し考えていく場が必要ということで、「人民新聞ハラスメント裁判を支援する会(準)」の説明が行われた。資料にはさみこまれたアンケート用紙に感想を書くことになっているが、よろしければ「支援する会」への参加希望者は名前と連絡先を書いて提出ということである。また本日、カンパ封筒も挟み込んでおり、カンパは全て村上さんに贈るということで、集会の幕を閉じた。
 なお、次回の人民新聞裁判は10月20日(木)13:15~である。後の報告会で「支援する会」を立ち上げるとのことだ。
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あるみさんとは

あるみさん

左翼、時々テツ!ちょっぴり萌え系…白系共産趣味ブログであったが、どうも本人のスピリットは赤か黒らしい。闘争・集会ネタが主。主戦場は沖縄・辺野古。
 もとネタは、鉄道むすめのメットキャラ「金沢あるみ」さん。フィギュアを手に入れ、メットを白く塗ったりして遊んでいた。「あるみさん」つながりで「すのこタン。」も要チェック!
 「侵略!イカ娘」からはまったのは「ガールズ&パンツァー」…梅田解放区の隠れ「ガルパンおじさん」でもあるが、今は「はたらく細胞」の「血小板ちゃん」にハマり(おいおい)人間が朝の6時に起きれるか!という謎のコンセプトで生きている。

メールは、nishihansenあっとyahoo.co.jpまで(あっとを@に変更して下さい)
ではでは(^^)

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