たたかうあるみさんのブログMKⅡ

み~んなそろって、闘争勝利!でもやっぱりメットは、白でしょ⁉ということにしておこう。

容量がいっぱいになった「たたかうあるみさんのブログ」を移動して、2020年7月に新たに開設した、共産趣味鉄道ヲタブログ⁉…旅行、萌え系ネタ⁉もあります。

#ハラスメント

DV加害者更生プログラムとは何か?

 先日の日曜日、28日に茨木市のローズWAMで行われた集会、ハラスメントのない社会を求めてに参加してきた。メインの講師は、松村徳子さん…水平社ボランティアガイドや、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークなどで活躍されている。奈良県吉野郡の生まれで、女人禁制の大峰山参りをする人が宿泊する街道筋の旅館が生家だったそうな。そこで「わけあり」の女性が「仲居さん」として働いていたり、なぜ大峰山には女性が入れないのか?ということに疑問を持ったりしていた。水平社運動を研究していると、出てくるのは男性の名前ばかり、女性は何をしていたのだろう?(様々な条件のもと、女性の名前がでてこない)…his storyから、her storyへ、ジェンダー視点での歴史見直しも行っているとのことである。
 様々なハラスメントについて説明をうける…最近は「知的ハラスメント」マンスプレイニングというのもあって、これは「男性が説明する」(manとexplainを組み合わせた造語)というもので、たのんでもいないのに(大生が女性に対し)えらしうに説明をしていくもの…こういったことも「ハラスメント」になるのである。様々なハラスメントの根っこにあるものは、力を使ってでも上に立ちたい、弱いものを支配してもよい、特恵意識、暴力容認、ジェンダーバイアスなどである。DV(Domestic Violence)とは、家庭内などでの親密な関係の人に対する、こころとからだへの暴力のことである。ここで「殴る・蹴る」などの身体的な暴力に比べ、言葉でのモラハラ(モラルハラスメント)は軽く思われがちだが、そんなことはない…身体的暴力、精神的暴力、経済的暴力、デジタル暴力、性的暴力すべてDVである。DVは被害者から、自分の考え、自分のやり方、生き方(自分らしさ)、価値観、自己決定権、人間関係、自信、自尊心、尊厳などを奪い、被害者に対し恐怖心、無力感、自責の念、あきらめ、絶望感などを植え付けるのである。
 ここでDV加害者プログラムと名何か…これは被害者支援のひとつであり、加害者を買えるものである。加害者が変わらない限り、相手を変えて被害者はふえるものだし、「変わってほしい」と名がうパートナーも多い、また親権や監護権、面接交渉権など、子どもに与える影響を軽くするという目的もある。DV加害者に対し
①相手を支配するために、手段として「(暴力を)自分が選択した行為である」ということに気づき、やめる。そのために価値観を変える。
②してしまったDVによる結果(嫌われる・別居・離婚など)に向き合い、その責任をとる。
③暴力でないほかの方法を選べるよう、学びと訓練を行う。
これらを達成するため、グループで行う教育的・心理的プログラムをが「DV加害者更生プログラムである。治療でもカウンセリングでもない、精神的な病気や性格、飲酒などがDVの原因とは考えない…教育と訓練の場である。また、女性のファシリテーターが必ず入り、被害者である女性の視点を絶えず意識させるものになっている。また加害者更生プログラムには「卒業」という概念がなく、少なくとも52回以上は参加してもらう、パートナーが「もう行かなくていい」と行った時だけが「卒業」となる。ここまでやるのは10人に2人ぐらいで、7年から8年くらいかかるものなのだそうな。
 従って加害者プログラムの対象者は、「自分を変えたい」という意思を持つ人、持ちづづけられる人で、パートナー面談が可能か人、かつ精神疾患やアルコール依存症、薬物依存症などの問題を抱えていない人である。またプログラム参加は有料となる。(精神疾患や依存症は別途治療が必要となる)
 DV加害者たちに共通する問題点として
◇正しい病◇自己中心的◇暴力容認意識◇特権意識(男らしさ・女らしさの偏見)①身のまわりの世話をしてもらう権利②気分や心のケアをしてもらう権利③自分を最優先にしてもらう権利④性的欲求のケアをしてもらう権利⑤服従してもらう権利⑥責任や批判から逃れる権利◇女性を見下す意識◇所有意識◇嘘をつく◇しつこい◇自分の暴力を相手のせいにする◇自分のDV行動の事実認識が甘い◇自分こそ被害者だと考える◇相手の態度・行動や弱点に焦点を当て大げさに考える◇自分の気持ちが一番大事◇相手の痛みに無頓着◇すぐ白黒をつけたがる◇夫婦は一心同体という意識◇恩を感じてほしがる◇嫉妬心が強い…などがある。
 DV加害者プログラムで、変わるのに時間はかかるものの、通い続ける人は少しずつ変化する…自分がやっていることはDVでだめなことと理解するようになり、体への暴力はしなくなる、我慢するようになる、態度や行動を変える、相手に共感できるようになる…ただ、またやってしまうということも起きやすいのだそうな。
 DVをなくすために私たちができること…「産まれた時からの加害者」はいないということで、◆誰もがDVについての正しい知識を持つ◆加害者に共感しない、味方をしない◆被害者を孤立させない、相談相手になる◆加害者の暴力を認めない、孤立させない◆次世代の人間関係のモデルになる◆ジェンダー平等のための子育て・教育 暴力やジェンダーに敏感な社会をつくるということであった。

 松村さんの講演のあと、河上リサさんから「元男性でもあるトランス女性の私が受けた性被害について」と題したアピールがあり、パートナーの実家で暮らしていたが、義父からハラスメントを受けて家から追い出されたこと、ニューハーフのクラブにいた時、先輩からハラスメントを受けたことなどを話された。
 そのあと、簡単なワークショップが行われ、お二人の講演について感じたことや質問などをグループごとにまとめ、発表するという方法で進められた。

 松村さんんの講演、河上さんのお話も何方も大切なことであり、特に松村さんはパワーポイントの資料を沢山つくっておられたのだが、時間不足で全てを出すことができなかった。お二人の話を一つの集会で聞くのではなく、もっと時間を取ってじっくりと聞くことができればと思った。

ハラスメントのない社会を求めて

 集会のお知らせ
ハラスメントを許さない会・関西
連続学習講座②
2024-01-28 ハラスメント集会
ハラスメントのない社会を求めて
講師 松村徳子さん
演題 DV加害者更生プログラムから

日時 1月28日(日)
 14:30~16:30/開場14:00

場所 茨木市立男女共生センター
  ローズWAM 501・502会議室
 阪急茨木市駅西へ約500メートル
 JR茨木駅東へ約800メートル

資料代:500円
 困窮者無料。受付でお伝えください

講師紹介
 1963年奈良県吉野郡生まれ、生家は街道沿いの料理旅館。大峰山山上参りに向かう男性たちや、「仲居さん」としてまた「嫁」として働く女性たちの姿を見て育つ。
◇主な活動 水平社博物館ガイドボランティア 奈良女性史研究会 「大峰山女人禁制」の開放を求める会 日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク 夜間中学をつくり育てる会 DV/デートDV防止教育ファシリテーター DV被害女性支援プログラムファシリテーター DV加害者プログラムファシリテーター ほか
◇ライフワークは「被差別の歴史に学ぶ」「ジェンダーと人権」

ゲスト 河上リサさん
「鏡をのぞけば~押された背中」監督
演題:元男性でもあるトランス女性の私が受けた性被害について
本ニューハーフの精神保健福祉士。24歳で戸籍上の性別を男性から女性に変更し、現在は無知からくる偏見や差別に喘ぐトランスジェンダー当事者のリアルな姿を可視化すべく情報発信を行っている。

お申込み不要

連絡先/サポートユニオンwithYOU
  ☎072-655-5415

主催 サポートユニオンwithYOU
   ハラスメントを許さない会・関西

ハラスメントのお勉強!

 先日19日、運動体におけるハラスメント問題集会に参加してきた。講師の加藤伊都子さんの話がなかなか良かったので、パワーポイントレジュメや手元のメモをもとに、内容を箇条書きで書き出してみる。
・ハラスメントには様々なものがある。パワーハラスメント(パワハラ)、セクシャルハラスメント(セクハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)等々、ソジハラ(性的指向、性自認に関連したハラスメント)というのもある。
・職場で起こるパワハラ、行為類型において過大な要求(業務上明らかに不要なこと、遂行不可能なことの強制)や過少な要求(能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること、仕事を与えないこと)はリストラ目的で行われる場合がある。
・職場で私的なことに過度に立ち入ること…結婚しないの、彼氏いるのとか聞く…も個の侵害となり、パワハラになる。
セクハラについて、本人が「セクハラ」と考えたら、それは「セクハラ」である…実はこれは「革命的転換」だった。本人がいやがることは、してはいけません!
・モラルハラスメントについて、モラハラはコミュニケーションを破壊する「暴力」。怒鳴る等がなければ周囲には全く見えない場合があるが、被害者を混乱に陥れ、精神に深いダメージを与える場合がある。
・ジェンダーハラスメントとは、性別に対する固定観念、役割分担意識に基づいた嫌がらせ、差別。女性にお茶くみや食事の用意といった役割を期待し、押し付ける。転勤を昇進の条件にしたり、世帯主手当の支給のような間接差別も、ジェンダーハラスメントにあたる。
・エイジハラスメントとは、相手を攻撃する際の理由として年齢を持ち出すもの。「だから若いのは…(ダメ)」「高齢者には…(気を遣う)」等。世代を一括りにして決めつけたり、年齢に応じて呼称を変えたりもあたる。ネガティブなイメージを年齢・世代と結び付けて云々したり、年齢・世代に関してステレオタイプな決めつけをするなどは、冗談のつもりでもハラスメントとなる可能性がある。
・職場におけるハラスメントを考えるうえで、勤務時間外の「懇親会」や社員寮、通勤中などであっても実質職場の延長と考えられるものは「職場」に該当する。
・「優越的な関係を背景とした言動」とは、抵抗や拒絶をすることができない蓋然性が高い関係を背景として行われるもの。上司から部下に対してのみならず、先輩・後輩間や同僚間、部下から上司に対しても様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。
・「就業環境が害される」とは、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるか、すなわち「みんながそう感じるか」が基準となるが、「嫌だ」という気持ちは人によって違っている。
・言動の頻度や継続性は考慮されるが、強い苦痛を与える言動の場合は1回でも就業環境を害する場合があるとされる。1回でも、いやだと言われればやめる…これが鉄則。
・ハラスメントがある職場は、コンプライアンス体制が未整備だったり、尊法意識が欠如していたりと問題があったりする。セクハラがあるところに、パワハラが出てきて、やがて「不正」があったと暴露につながることも多い。
・職場以外で行われるハラスメント…「運動体」だけでなく数多くある…町内会、PTA,ボランティア団体、芸能人・政治家などの後援会、ママ友グループやDV被害者支援グループなど。どうやってハラスメントをキャッチしていくか課題である。
・職場以外で起こるハラスメントの共通点は、加害者が逆に被害者意識を持つ(不満や苛立ちなど)、企業のような明確な上司・部下関係とは異なる、関係者のキャラクターに負う部分が多いこと、構成員の人数が少なく、範囲が狭い。新人が入らない、役員が変わらないなどの低い流動性、風通しの悪さなど。
・そのほか、ほとんどの団体、グループには事案が起こった時のガイドラインがなく、相談体制や第三者委員会の設置についての規定もない。代表者が加害者の場合、グループの事情が被害者の心情よりも優先されがちになる。双方が自分が被害者であり、加害者は相手だと主張することも珍しくない。加害者に加害の自覚がない上に、被害を認定する機関もないために、被害者救済は実現されない…よって加害者は基本的に無傷で、病むのは被害者の側、多くの場合は被害者の側が孤立あるいは関係からの離脱を経験することになる。
・こういったときに加害者に謝罪をさせようとしても「ああそうですか、ごめんなさい」といった”感じの悪い謝罪”しか出てこない。
・ハラスメントの舞台となる運動体のそれ以外の特徴として、主な構成員の数が少ない。資金が潤沢でなく、持ち出しの活動が多い。無償労働や労働時間外の働きになる活動への参加が求められる。創設時の伝説や情熱が求められる。最終的な決定が実務に携わらない古参によることが多いなど、暗黙のルールがある。このような非合理なルールについて、異議を唱えることが難しい。こういった非民主的な側面は、めったに表には出ない。ハラスメント等に耐えられなくて去ったメンバーは、離職後非難されがちとなる。こういったいずれかの要素を構成員が入れ替わっても繰り返す、ハラスメント団体はハラスメントを繰り返すことになる。
・ハラスメントをしないための基本的姿勢は、とにかく「いやだ」と言われたら1回でやめること。力関係が存在する場で、弱い側が強い側の言動に恐怖、不快、抑圧を感じたら、たとえ力がある側にそのような”つもり”がなかったとしておハラスメントになり得る。力の弱い側から不快を表明されたときは、力のある側はその意見を受け入れ、無理強いをしたり、否定をしたりしないことが重要。力のある側は、自分が特権的立場にいることを自覚して、相手に威圧感を与えているかもしれないこと、相手が自由に話していないかもしれないことなどを意識する必要がある。
・ハラスメントの被害を受けない…ということは選べないので、対処方法としては「早めに逃げる」こと。ハラッサーを改心させることより、自分の心身の回復と健康を優先させ、傷を小さくする。
こちらが納得する謝罪を求めても難しいときがある(当人が加害を認めていない)。むしろ相手が了解しやすい金銭解決で終わらせるほうが良い。
・グループにハラスメント体質がある場合は、新しいグループに移るほうがよいが、その
グループでないと目的が果たせない場合は、繰り返して被害に遭わないように、相手を選び、相手の知り合いとは距離を置く。
加害者(パワハラ行為者)の特徴…
「パワハラ上司を科学する」(津野香奈実 ちくま新書)より抜粋…おススメの本
パワハラ上司を科学する【電子書籍】[ 津野香奈美 ]
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自分の加害行為を認める加害者は極めて少ない
自尊心の不安定な高さ、感情知能の低さ
自分の言動が他者にどのように影響するかの認識の甘さ、
他者に対する期待水準の高さ
低い協調性、低い正直さ・謙虚さ。高い外向性と、パワハラ行為との間に優位な関連が見られる。
被害者に比して、外向性が高く、社交的なので、上層部から評価されやすい傾向にある。同様に周囲の人間はパワハラ行為者の(ex「指導のつもりだった」等)の言い分が通りやすい。

・副業の退職強要が意味することは、「仕事に就く」「仕事をやめる」は本人が決めること。他の人間がそれを決めるのは境界の侵犯、権利の侵害。
・なぜそのような判断が成り立つのか?その人の人生にとってどうするのがよいかを、その人以上に知っている、わかっているとする立場とは?無自覚な特権意識である。
・女性差別(ジェンダーハラスメント)…編集会議等で女性の意見が尊重されない。
・セックスワーク差別…「そんな仕事をしているから精神的におかしくなっている」
・セクハラとなるような質問「どんなサービスをしているのか?」「何という店で働いているのか」
SNSで悪評をたてる:かつての所属グループの評判を悪用(女性が事件にまきこまれたときの定番)
・知り合いによるSNSの内容を信じた応答、火消しに回ることの困難さ(伊藤詩織さん、木村花さん、りゅうちぇるさんと同じ)ほとんど不可能
・人間関係を壊されたこと、名誉感情を傷つけられたこと、嘘を否定することの困難さ等で自尊感情、自己肯定感を棄損される。

ここからは、会場からの質疑応答的な内容
・運動体内のハラスメントは、アナキズム運動、フリーセックス、私的所有の否定と関係ないか…多分関係があるだろう。大学紛争時の男尊女卑関係が、ひきつぎひきつぎされてきた。
・最近起こったDJ SODAさんの問題は、未整理だけれど悪いのは秋元康(「会いに行ける」アイドルのコンセプト…安室奈美恵や浜崎あゆみ路線では起こらない)
・これまでは「被害者」に注目が集まってきたが、香川照之の事件以降、加害者が問題でしょう!という流れになってきている。
・教師をしているが「日本人としての自覚を養い」などと職務命令をしてくることは、レイシズムであるばかりでなく、ハラスメントではないか?
・ハラスメントを許さない!と厳しくやっていると、周りにだれもいなくなってしまう。範囲はどこまでか?どうしょうもない人は、どこにでもいる。10あるうちの9を捨てて、1とつながっていればよい。どの部分ともつながれなければ、離れる。誹謗中傷はしない。
・どうやってハラスメントにアプローチするか?自尊心を高めるしかないが、自尊心を教えられたことのない人にはわからない。

・最後「運動体が大事」であるなら、ハラスメント(体質)を変えればいい!

いろいろと大切な学びがあったように思う…こういった「研修」を各運動体、団体が受けることで、「運動体におけるハラスメント」をふせぐことができると思った次第である。

運動体におけるハラスメント問題

 集会のお知らせ
フェミニストカウンセラーが分析する
運動体におけるハラスメント問題
20230819 ハラスメント問題
ハラスメントを許さない会・関西(仮)発足集会
記念講演 加藤伊都子さん
女性のためのカウンセリングルームフェミニストカウンセリング堺所属・認定フェミニストカウンセラー・特定非営利活動法人日本フェミニストカウンセリング学会代表理事・MPO法人ふぇみぱる堺代表理事
著書:『私は私。母は母』(すばる舎)、『ひとり親家庭を支援するために』(共著 大阪大学出版会)、「セクシュアリティからみた夫婦問題」(『結婚とパートナー関係』ミネルヴァ書房)など。

2023.08.19(土)
開演/14:30(開場/14:00)
会場/茨木市立男女共生センターローズWAN501・502会議室
住所:〒567₋0082 大阪府茨木市元町4-7
阪急京都線「茨木市」駅下車、西へ約500メートル
JR京都線「茨木」駅下車。東へ約800m

連絡先/サポートユニオンwithYOU
         電話 072₋655₋5415
資料代/500円(困窮者無料。受付でお伝えください)

人民新聞への裁判が終結したので、支援団体を発展的に解消して新たに「ハラスメントを許さない会・関西(仮)」を立ち上げ、その発足集会の企画だそうな。職場や運動体、その他もろもろの組織や集団の中で起こるハラスメントについて考え、たたかう会を立ち上げるということで、皆さま参加をよろしくお願いします。

人民新聞裁判のもつ意味

 1週間たつが、人民新聞裁判取り下げ報告集会のレジュメとその若干の補足…おおくは村上さん自身の報告による…でもって、表題のことを書いてみる。
 
はじめに、おさらいとして経過であるが。2021年11月に、人民新聞が村上さんに対し、副業であるメンズエステを辞めるよう強要し、そこでハラスメントが行われた。結局村上さんはメンズエステを辞め、別のナイトワークをすることになったわけだが、本人は当初「泣き寝入り」をするつもりだったそうだ。ところが宝島社裁判のある支援者が「裁判費用をかせぐためにナイトワークをしている」と肯定的な書き方であるがFacebookにあげたのである。その記事を、たまたまかつて人民新聞で働いていたものの、ハラスメントで辞めた女性の目にとまり「大変なことになっているね」と村上さんとコンタクトを取った。村上さんがメンズエステを辞めさせられた(だから別のナイトワークで働いている)という事情を説明したところ、「それはハラスメントだよ」と”指摘”されたとのことである。そして自分がハラスメントで辞めたのに、そのことについて声を上げなかったことが、今回の村上さんの件につながっている、ごめんねと謝ったそうである。そこで村上さんは「同じことを繰り返させない」ために、闘うことにしたのだそうな。
 手始めに「連帯ユニオン」に相談したところ、団体交渉はできないが「話し合いの場」を持つことは可能であるということで、年明けから3回、話し合いをした。その場では連帯ユニオン組合員である友人が参加して、人民新聞側を追及したりもした。ただユニオン側がこれ以上の介入は難しいし、団体交渉も避けたいということで、連帯ユニオンでの話し合いは終了した。
 その後、先に村上さんとコンタクトを取った人も含めた、人民新聞からかつてハラスメントを受けたという人が集まって話し合いを引き継いだ…これは労働組合・ユニオン相手ではなく、あくまでも任意の人の集まりによるものだ。数回の話し合いが行われたが、過去にハラスメントを受けた人が再度、人民新聞から被害を受け(資料によれば、セクシャリティに関するアウティングの仄めかしと、その実行である!)その方が精神的に追い詰められ、話し合いの継続が困難になってしまった。(私も別途、裁判直前にその方にお会いしたのだが、大変消耗した状態で、もう話し合いは続けられない、裁判しかありませんと訴えられたのである)
 村上さんは茨木市にあるサポートユニオンwithYOUに赴いて「自分たちでは人民新聞から対等な話し合いがなされなかったので、ユニオンにはいって団交したい」と伝えたが、連帯ユニオンでも無理だったこともあって「団交は無理だが、裁判にするなら支援できる」と提案され、裁判が始まったわけである。その後「きょうとユニオン」から連絡が入り「ウチで団交しよう」と提案され、団交が始まる…ただ裁判は一度取り下げると同じ内容で訴えることはできず、団交が決裂した場合に備えて団交と平行して継続されることになった。これが昨年の11~12月のことである。期日を引き延ばし、引き延ばしして5月25日に設定していたのであるが、なんとかその日までに「和解協定書」が結ばれ、自己批判文が人民新聞読者に発送されたため(参考)裁判は取り下げられたのである。

 では団交で解決したのであれば、裁判は何だったのか?という疑問が残る。この点について、労働組合による団交・交渉は当事者が絞り込まれ、部外者・支援者が参加しずらいということもある。交渉中もその過程や内容を外に出すことが難しい。それに対し、裁判は原則、公開されているので支援を募りやすく、裁判に沿った形ではあるが過程・内容を外に出すことも可能である。実際問題、裁判になるまで「村上さんと人民新聞が揉めている」こと水面下で行われており、運動圏では「なんか揉めてるらしい」程度でおぼろげに伝わっているか、あるいはまったく知られていなかったか?ということである。また裁判そのものが、団交に対しての圧力にもなったという面もある。ただ、いすれにしても支援者がそれなりに集まったということが大きなカギであり、後で行われた交流会の中でも村上さんは、人民新聞とそこの活動家が言うことと、田舎からでてきた自分の言うことのどちらを信用してくれるのか不安であったが、これだけの人(報告集会では30名程度)が集まってくれてありがとうございますとお礼を言っていたことも報告しておく。

 報告集会では、今後についての報告もなされた。まず本報告集会でもって「人民新聞ハラスメント裁判を支援する会」は解散することになり、団体交渉と連携した裁判を支援する取り組みとして
①運動体で働く者の労働環境について、使用者と雇用契約を結ぶことなど新しい芽をつくりだすことができた。
②裁判の報告集会や学習会を通して、運動体に存在する男性中心の共同社会の前近代的な関係を見直すことにつながった。
③同様に裁判の報告会や学習会を通して、ナイトワークや風俗産業で働く女性の権利や人権、職業選択の自由などについて考えることにつながった。
 との報告がなされた。そして、これらの立場を継続する個人参加の活動を進めていくことの確認がなされたのである。
 また大阪市西淀川区にある、医療法人愛仁会からのパワハラに対し裁判で闘っている島本友紀子さん(仮名)のアピールがあり、社会医療法人愛仁会パワハラ裁判を支える会(準)を足り上げたので、メーリングリスト等に登録して、支援してくださいとのことであった。

 ではでは…
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あるみさんとは

あるみさん

左翼、時々テツ!ちょっぴり萌え系…白系共産趣味ブログであったが、どうも本人のスピリットは赤か黒らしい。闘争・集会ネタが主。主戦場は沖縄・辺野古。
 もとネタは、鉄道むすめのメットキャラ「金沢あるみ」さん。フィギュアを手に入れ、メットを白く塗ったりして遊んでいた。「あるみさん」つながりで「すのこタン。」も要チェック!
 「侵略!イカ娘」からはまったのは「ガールズ&パンツァー」…梅田解放区の隠れ「ガルパンおじさん」でもあるが、今は「はたらく細胞」の「血小板ちゃん」にハマり(おいおい)人間が朝の6時に起きれるか!という謎のコンセプトで生きている。

メールは、nishihansenあっとyahoo.co.jpまで(あっとを@に変更して下さい)
ではでは(^^)

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