似たような話は過去に何回か書いたことがあるのだが、SNSで流れてきた記事にイチャモンをつけるコーナー…GIGAZINEより
「なぜ古代ローマ時代のコンクリートは2000年もの耐久性を誇るのか?」の謎が明らかに
古代ローマの人々は非常に高い建築技術を持っており、約2000年前に作られた道路や水道橋、港、建造物などが現代に至るまで残されています。「一体なぜ、古代ローマのコンクリートは2000年が経過しても大丈夫なほどの耐久性を誇るのか?」という謎について、マサチューセッツ工科大学(MIT)が率いる国際的な研究チームが調査したところ、「コンクリートの製造プロセス」にヒントがあることが明らかになりました。(以下略)
でもって、「高度な建築技術を持つ古代ローマ人が使ったコンクリートはローマン・コンクリートと呼ばれており、現代で広く使われている鉄筋コンクリートの寿命が約50~100年ほどなのに対し、2000年が経過しても構造を維持できる耐久力があります。」と続いている。
「なぜ古代ローマ時代のコンクリートは2000年もの耐久性を誇るのか?」の謎が明らかに
古代ローマの人々は非常に高い建築技術を持っており、約2000年前に作られた道路や水道橋、港、建造物などが現代に至るまで残されています。「一体なぜ、古代ローマのコンクリートは2000年が経過しても大丈夫なほどの耐久性を誇るのか?」という謎について、マサチューセッツ工科大学(MIT)が率いる国際的な研究チームが調査したところ、「コンクリートの製造プロセス」にヒントがあることが明らかになりました。(以下略)
でもって、「高度な建築技術を持つ古代ローマ人が使ったコンクリートはローマン・コンクリートと呼ばれており、現代で広く使われている鉄筋コンクリートの寿命が約50~100年ほどなのに対し、2000年が経過しても構造を維持できる耐久力があります。」と続いている。
記事は、ローマのコンクリートの成分や製法などの研究成果、現代のセメントコンクリートとの違いを解説しているわけだが、現代で広く使われている鉄筋コンクリートの寿命が約50~100年ほどについての理由が書かれていない(書く必要はないから)…ここに突っ込んでみよう!
Q:なぜ鉄筋コンクリートの寿命が約50~100年ほどなのか?
A:それは鉄筋が入ってるから。
普通の鉄筋コンクリート構造物は、表面から深さ3~4センチぐらいのところに鉄筋が入っている。鉄筋は空気中に置いておくとすぐに錆びてボロボロになってしまうが、コンクリート中ではアルカリ性の環境に守られているので、錆びない。ところがコンクリートが大気中の二酸化炭素を吸収すると、アルカリ性の性質がぬけてしまう。これをコンクリートの中性化(正確には炭酸化)と呼ぶ。コンクリートが中性化すると中の鉄筋が錆びだし、ボロボロになる。また鉄は錆びると体積が増え、膨張するのでその力でコンクリートにひびが入ったり、剥落したりする。かくしてコンクリートが劣化していくのだが、その速度がおおむね50~100年とされているわけだ。
もちろんコンクリートが中性化しても、構造が緻密で水分や酸素をあまり通さない良質のコンクリートであれば中の鉄筋は錆びることはない。また表面にいちばん近い鉄筋が錆びたからといって、内部にもある鉄筋全体で構造物を持たせているから、それで使い物にならなくなるわけでもない。一方、施工不良等により鉄筋が表面近くにあったり、コンクリート中に塩分が含まれている、あるいは海の近くで外から塩分が供給されるような場合、鉄筋はもっと早くから錆びだし、ボロボロになっていく。(塩分で鉄筋が錆びるのは「塩害」と呼ばれる)
だからローマ時代の構造物のように、鉄筋がなくコンクリートの塊を置いただけ、あるいはアーチ、ドーム状に積みあげただけの構造物であれば、風化にのみ耐えればエエので、それなりに長持ちする。現代のコンクリートであっても、数百年から千年は持つだろう。
あるいは鉄筋が錆びないようにする…炭素繊維で鉄筋代替品をつくれば錆びないのだが、コストがべらぼうに高くなる(炭素繊維鉄筋そのものはあるし、炭素繊維で既存のコンクリートを補強する技術もある)よく使われるのが、エポキシ樹脂で塗装した鉄筋であり、高速道路などの重要な構造物や塩害を受ける環境下の構造物の、いちばん表面に近い部分に使われる。青い色をしているので現場で使っていればすぐに分かる。また塩害の多い沖縄では、過去に亜鉛めっきをした鉄筋が使われたりもしたが、コストやコンクリートとの付着強度の問題から今は使われていない。
現代の技術でセメント、コンクリートが大量製造されてたかだか200年ぐらい…200年前のコンクリート構造物が残っていないのは、耐久性の面というよりは、使われなくなったので解体された…というのが理由である。経済成長その他の理由で、建物などの構造物が陳腐化し、使えなくなったり使い勝手が悪くなったり、新しくよりおおきなものが作られたりするからだ。実際、ローマ時代のコンクリートや石材でつくった建物、構造物も、ローマ文明が衰退して使われなくなると取り壊され、別の石材や道路の舗装に使われたりもしている。
ということで、鉄筋のない(錆びない)構造物をつくれば、コンクリートの耐久性は上がるわけだ。もっとも記事には、ローマのコンクリートにはひび割れの自己修復機能があると紹介されている。コンクリートは固まる時に収縮するし、内部の水分が徐々になくなっていく過程でも収縮する(乾燥収縮)また温度によって伸び縮みもするので、ひび割れが発生するのはある意味宿命でもあるのだが、ひび割れが入ればそこから空気や水が浸入して風化も進むし、中性化の速度も速くなる。だから「ひび割れの自己修機能」については現代のコンクリートでも盛んに研究されており、中には微生物の力をつかってひび割れを修復するというアイデアもあるのだ。
以上、記事内容に関係のないイチャモンつけは終了!ではでは…
Q:なぜ鉄筋コンクリートの寿命が約50~100年ほどなのか?
A:それは鉄筋が入ってるから。
普通の鉄筋コンクリート構造物は、表面から深さ3~4センチぐらいのところに鉄筋が入っている。鉄筋は空気中に置いておくとすぐに錆びてボロボロになってしまうが、コンクリート中ではアルカリ性の環境に守られているので、錆びない。ところがコンクリートが大気中の二酸化炭素を吸収すると、アルカリ性の性質がぬけてしまう。これをコンクリートの中性化(正確には炭酸化)と呼ぶ。コンクリートが中性化すると中の鉄筋が錆びだし、ボロボロになる。また鉄は錆びると体積が増え、膨張するのでその力でコンクリートにひびが入ったり、剥落したりする。かくしてコンクリートが劣化していくのだが、その速度がおおむね50~100年とされているわけだ。
もちろんコンクリートが中性化しても、構造が緻密で水分や酸素をあまり通さない良質のコンクリートであれば中の鉄筋は錆びることはない。また表面にいちばん近い鉄筋が錆びたからといって、内部にもある鉄筋全体で構造物を持たせているから、それで使い物にならなくなるわけでもない。一方、施工不良等により鉄筋が表面近くにあったり、コンクリート中に塩分が含まれている、あるいは海の近くで外から塩分が供給されるような場合、鉄筋はもっと早くから錆びだし、ボロボロになっていく。(塩分で鉄筋が錆びるのは「塩害」と呼ばれる)
だからローマ時代の構造物のように、鉄筋がなくコンクリートの塊を置いただけ、あるいはアーチ、ドーム状に積みあげただけの構造物であれば、風化にのみ耐えればエエので、それなりに長持ちする。現代のコンクリートであっても、数百年から千年は持つだろう。
あるいは鉄筋が錆びないようにする…炭素繊維で鉄筋代替品をつくれば錆びないのだが、コストがべらぼうに高くなる(炭素繊維鉄筋そのものはあるし、炭素繊維で既存のコンクリートを補強する技術もある)よく使われるのが、エポキシ樹脂で塗装した鉄筋であり、高速道路などの重要な構造物や塩害を受ける環境下の構造物の、いちばん表面に近い部分に使われる。青い色をしているので現場で使っていればすぐに分かる。また塩害の多い沖縄では、過去に亜鉛めっきをした鉄筋が使われたりもしたが、コストやコンクリートとの付着強度の問題から今は使われていない。
現代の技術でセメント、コンクリートが大量製造されてたかだか200年ぐらい…200年前のコンクリート構造物が残っていないのは、耐久性の面というよりは、使われなくなったので解体された…というのが理由である。経済成長その他の理由で、建物などの構造物が陳腐化し、使えなくなったり使い勝手が悪くなったり、新しくよりおおきなものが作られたりするからだ。実際、ローマ時代のコンクリートや石材でつくった建物、構造物も、ローマ文明が衰退して使われなくなると取り壊され、別の石材や道路の舗装に使われたりもしている。
ということで、鉄筋のない(錆びない)構造物をつくれば、コンクリートの耐久性は上がるわけだ。もっとも記事には、ローマのコンクリートにはひび割れの自己修復機能があると紹介されている。コンクリートは固まる時に収縮するし、内部の水分が徐々になくなっていく過程でも収縮する(乾燥収縮)また温度によって伸び縮みもするので、ひび割れが発生するのはある意味宿命でもあるのだが、ひび割れが入ればそこから空気や水が浸入して風化も進むし、中性化の速度も速くなる。だから「ひび割れの自己修機能」については現代のコンクリートでも盛んに研究されており、中には微生物の力をつかってひび割れを修復するというアイデアもあるのだ。
以上、記事内容に関係のないイチャモンつけは終了!ではでは…
