たたかうあるみさんのブログMKⅡ

み~んなそろって、闘争勝利!でもやっぱりメットは、白でしょ⁉ということにしておこう。

容量がいっぱいになった「たたかうあるみさんのブログ」を移動して、2020年7月に新たに開設した、共産趣味鉄道ヲタブログ⁉…旅行、萌え系ネタ⁉もあります。

武器輸出

杉原浩司さん講演集会(後編)と性暴力反対集会

 前編のつづき、
 2023年3月、イスラエル最大の軍需企業エルビット・システムズと伊藤忠アビエーション、日本えやークラフトサプライが「戦略的協力覚書」を締結した。これに対しNAJATなどがハガキを組み込んだアクションシートを配布、企業への申し入れ、抗議行動、就活イベントなどでのアピール、ネット署名などを展開した。海外でもカナダでの抗議や、マレーシアのファミリーマート(伊藤忠系)へのボイコットなどに発展したため、伊藤忠は国際司法裁判所の仮保全命令や上川外相談話を理由に覚書の終了を発表した、BDS(ボイコット、投資引き上げ、制裁)の成功例である。
 また今年の2月20日、市民による防衛省との交渉や質問で、輸入しようとしているドローン7機のうち5機がイスラエル製であると判明した。川崎重工や輸入代理店への抗議行動が行われ、6月26日の川崎重工株主総会で橋本社長は「(ドローンは)災害対策用」と防衛省も言っていない強弁をした(それだけ動揺しているということ)…9月20日から、グローバルボイコットが始まり、Kawasakiのバイクmサミットやトモズ(両社とも住友商事系…関西にはほとんどないスーパー、ドラッグストア)の不買などが行われている。なおKawasakiのバイクを「ボイコット」するのは、バイクユーザーにとっては考えられないことらしい(それほど性能が良い)が、買い替えとかを我慢してほしとのこと…またボイコットはSNSで宣言する…イスラエルとの取引をやめるまでkawasakiのバイクは買いません…ことが大切だそうな。また三菱重工へのボイコットも難しいが、ビーバーエアコンは三菱重工が作っているし、三菱電機の「霧ヶ峰」もあるとのこと。
 また大手産業ロボット製造企業ファナックは、イスラエルや米英の軍需産業に産業ロボットを販売し、製造武器がガザの虐殺で使用されている…これもBDSJapan Bulletinなどがネット署名による講義を行っている。
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 これから巻き返していくための市民運動の課題を、杉原さんは上げられた…まずはパレスチナ・ガザでの停戦のみならず、封鎖の解除や占領の終結を見据えた息の長い取り組みを行う、パレスチナの国家承認を目指すことを大前提としたうえで、イスラエル製虐殺ドローン輸入やファナックの虐殺加担をやめさせる取り組みの強化、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の、エルビッド・システムズへの投資をやめさせること、日本とイスラエル経済連携協定共同研究の中止、武器・技術秘密情報覚書書の破棄などの制裁を行わせることがある…9月18日には国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を受けて、12か月以内にイスラエルにパレスチナの不法な占領の終結を求める国連総会緊急特別会合決議に日本は賛成をした。日本は最大の資金拠出国である国際刑事裁判所(ICC)を後押しし、ネタニヤフの逮捕状を発行させるべきであるとのことである。
 また殺傷兵器の輸出について、日本はもうタガが外れてしまっているが、これは政権与党だけでなく重大な悪法に賛成し続けている立憲民主党も批判していかなければならない。外交・安保に関しては立憲野党と言えるのか?市民が正面から批判しながら押し返していく必要があると述べられた。特に野田佳彦が新しく代表になるであろう(実際なった)ことを憂慮していた。
 講演終了のあと、10分休憩とカンパ集め、その後、質疑応答が行われる。
 武器の開発や製造を止めるための効果的な方法は、具体的なボイコットのやり方、神戸市民が地元の川崎重工に圧力をかけること、メディアや立憲民主党の問題などが話された。
 その後、私は「辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動」としてあいさつ…沖縄で米兵による性暴力が相次ぎ、それが日本国によって隠蔽されてきたこと、琉球弧に自衛隊を配備して中国を封じ込め、攻撃する…そのための武器開発、製造のための武器輸出である…というようなことを言った。この発言後、会場を後にして米兵による性暴力・隠蔽を許さない集会&デモに行くことに…なお本集会は全国学生講堂連絡会のアピールがあった。また参加者は100名ぐらいか…

 米兵による性暴力・隠蔽を許さない集会は、豊崎西公園で…PLP会館から仲間とタクシーで向かう。DSC01463
 こんな感じで、集まっています。

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 集会では、沖縄戦当時の1945年から最近までの米兵による性暴力事件、1件1件の概要をまとめた資料を渡され、グループに分かれてそれを声を出して読むということを行った。足元には蚊取り線香がある。
 声を出して読むことで、ただの資料…これを個人で持っていて目を通している人もいる…ではなく、そこに一人一人の被害者がいるということを、改めて感じることができる。そしてグループで読んだ後で、感じたことを集会全体で共有する。人数の少ない手作り集会だからこそできるいい取り組みである。
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 5時40分が使づいてきたので、デモ出発準備…いろいろな打楽器をもってきた方がおられたので、それを叩くことに。

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 デモでありますっ!
 「性暴力を 許さない!」「アメリカの言いなりに なるな!」

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 阪急梅田駅横、茶屋町を行進!

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 もうすぐJRの高架をくぐって、解散地点のヘップファイブ前である。
 だいたい、20人ぐらいかな、お疲れさまでした。

杉原浩司さん講演集会(前編)

 9月22日、杉原浩司さん講演集会に参加してきた。DSC01453
 入口で大量のレジュメ、チラシを受けっとって入場…14時に司会の難波希実子さん(能勢町議会議員)からプログラム、スケジュールの紹介を含めたあいさつで始まる。
 実行委員会を代表して岩田吾郎さんがあいさつ…反戦運動を、反軍運動にしよう。また沖縄から韓国、朝鮮、台湾、中国の人民との国際連帯が大切だと述べられた。
 つづいて人民新聞の朴偕泰(パクテヘ)さんからのビデオメッセージ。彼は現在、アジアを放浪中とのことで、香港や台湾で運動をしている人との交流について述べた。香港の民主化運動では、大学が運動の中心を担ったが、現在はセキュリティが厳しくて外部の人間が大学に立ち入れなくなっているとのこと。また台湾では「台湾労働党」という左翼政党(国会議員はいないが、地方議員はいる)と交流してきた…台湾では日本の植民地支配を肯定するような動きがあるが、そういったことも含めて相手と交流することが重要だと述べられた。
 次が杉原さんの講演である。
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 まずスライドで武器見本市の様子や、経営者どもが協力覚書締結を祝して乾杯しているところ、抗議行動、ダイ・インの様子などの説明がなされた。WAR STARTS HERE(戦争はここから始まる)…これは2019年の幕張メッセで行われた武器見本市に対する抗議行動で掲げたものだそうな。杉原さんは2015年5月、パシフィコ横浜で行われた武器見本市に一人で抗議行動を起こし、そこから武器取引反対へっとワーク(NAJAT)をつくることになる。今はなく張メッセや東京ビッグサイトで武器見本市がたびたび行われており、その中で「殺傷能力が向上した」と宣伝される…それが武器見本市の世界なのだ。
 その後、レジュメをかいつまんで説明する形になる…エマニュエル駐日米国大使は「岸田首相は2年間で、70年来の政策の隅々に手を入れ、根底から覆した。防衛費のGDP比2%への増額、反撃能力保有、そのためのトマホーク購入に踏み切った。防衛装備品の輸出にもメドをつけた。日本は今や米国にとって完全なる安全保障のパートナーだ」(4月7日 産経)と大絶賛している。しれっと悪いことをしている、安倍ができなかったことをやった岸田は、安倍より悪いと述べた。
 「武器輸出三原則」は1967年からの国会答弁で確認されてきたもので、憲法9条の理念を主権者の力で具現化させたものである。それを2014年4月に安倍政権が閣議決定だけで「武器輸出三原則」を撤廃して「防衛装備移転三原則」をつくった…これは行政による独裁である。「防衛装備移転三原則」では「紛争当事国」には武器輸出できないが、「武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国連案税保障理事会が取っている措置の対象国」は、2024年2月21日の林官房長官の答弁では「現時点では基本的に存在しない」そうだ。これではイスラエルやロシア、ウクライナに武器を輸出することも可能になる。それでもこれまで殺傷壁兵器の輸出は回避していた。2023年6月に、立憲民主党も賛成して「軍需産業強化法」が成立し、武器輸出や設備増強に税金が投入されるようになる。この時杉原さんも参議院外交防衛委員会の参考人として参加し、自民党松川るい議員と「死の商人」という言葉をめぐって論争した。また2023年12月には殺傷武器輸出も解禁される…ライセンス品のライセンス元国への輸出、例えばアメリカやドイツなどへの輸出は、玉突きでウクライナやイスラエルに武器を輸出することにつながる。また部品輸出も、F15戦闘機のエンジンを輸出すれば、それを使用した戦闘機による戦争犯罪に加担することになる。次期戦闘機の第三国への輸出は、例えば英国がサウジアラビアにユーロファイターを輸出したら、それがイエメン内戦への軍事介入に使われ、無差別爆撃に多用された。韓国もフィリピンへFA50戦闘機を輸出したが、2017年ミンダナオ島マラウィ市でのフィリピン軍と武装勢力との紫外線に使用されるなどの問題があった。次期支援戦闘機輸出に設定されている「歯止め」も、後から「閣議決定」とかで追加したり、停戦になれば(イスラエルであっても)Okなのか?何一つ歯止めになっていない。次期戦闘機の輸出を認めた先には「地対艦ミサイル(12式地対艦誘導弾能力向上型)」の輸出が目論まれている。そうゆうことを軍事の評論家も言っているが、柚須津をしてはいけない。
 OSA(政府安全保障能力支援機構)は、「同志国」軍への武器無償供与であり、外交を軍事化させ、中国包囲網の一翼を担うものだ。2023年度は20億円がフィリピン、マレーシア、フィジー、バングラデシュに、2024年度は50億円がフィリピン、インドネシア、パプアニューギニア、ベトナム、モンゴル、ジブチに…と。国内紛争や軍・警察による人権侵害に加担しかねないものである。
 日本における武器見本市は、2015年5月のパシフィコ横浜でのMast Asiaに始まり、千葉の幕張メッセでも4回行われている。イスラエル軍需企業の出展が拡大しており、2019年11月では3社だったものが、2023年3月には16社に増えている。
 軍事費の伸びについて日本はトップクラスであり、軍需企業にとって日本は魅力的な市場である。米ロッキード。マーチン、英BAEシステムズなどの欧米軍需大手企業がアジアの拠点を日本にシフトしている。国内の軍需大手企業も軒並み品員と設備を拡大・増強している。三菱重工は「ミサイル特需」で23年度契約額が1兆6803億円となり、政府の有識者会議のメンバーにもなっている。
 2024年4月の「日米合意」とオーカス(AUKUS 米・英・豪)の取り込みについて、「日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議」(DICAS)が創設され、ミサイルの共同開発・生産、米軍艦船・航空機の日本企業による維持整備を解禁し、米国の武器生産体制のひっ迫を保管しようというものができた。9月24・25日に防衛省で行われる予定の作業部会では、ミサイルの共同生産と米空軍航空機の維持整備などが議題にあがるだろう。また日本は対中国抑止の攻撃的軍事同盟AUCUSと「第二の柱」で先端技術分野をめぐる協力に向けた協議を開始しており、日本が強いとされるAIや量子技術を使って新しい武器の開発が行われる。9月17日、米英豪の首脳は共同声明で「海上の自動航行システム開発での日本との協力」を表明しており、これは日本企業への機密保持態勢(セキュリティクリアランス 経済秘密保護法)と連動してくる。(つづくよ)

9・22杉原浩司さん講演集会

 集会のお知らせ
20240922 杉原浩二集会20240909
9/22 SUN.
武器輸出は死の商人国家の道
9・22杉原浩司さん講演集会
とき
 9月22日(日)13:30開場14:00開会
ところ
 PLP会館5階大会議室
 JR「天満」南8分、地下鉄「扇町」南東5分
参加費
 500円  賛同人・学生無料

 いま世界ではウクライナやパレスチナで侵略や虐殺が続き、さらに「台湾有事」が叫ばれ、沖縄(琉球弧)・日本各地の基地強化が進んでいます。岸田政権は22年末に安保3文書を決定し5年間に43兆円の予算を組み、空母を保有し次期戦闘機を共同開発するなど、「戦争をする国」に急速にのめりこんでいます。さらに軍需産業育成・拡大のためミサイルなど殺傷兵器の輸出を狙っています。「憲法9条を持ち、戦争をしない」国のあり方の全面転換です。
 京阪奈丘陵にある祝園弾薬庫(トマホークミサイル貯蔵)が増強されます。日本第2の武器製造メーカー川崎重工(神戸)では自衛隊との癒着が発覚しました。いま軍需産業・武器輸出での経済再生を止めないと、この国は「死の商人国家」になります。この分野の第一人者=杉原浩司さんを迎え、反戦・反軍備拡大の運動を強めましょう。

プロフィール
1984年京都教育大学入学のち中退
2012年「緑の党グリーンズジャパン」結成に参加
2015年「武器輸出反対ネットワーク」を結成、代表に
共著に『武器輸出大国ニッポンでいいのか』(あけび書房)『亡国の武器輸出』(合同出版)近刊共著に『戦争でなく平和の準備を』(地平社)雑誌『地平』創刊号、8月号の座談会に参加

主催:9・22杉原浩司さん講演集会実行員会

9・22杉原浩司さん講演集会への賛同のお願い
 来る9月22日(日)に杉原浩司さん講演集会を開催します。3月24日には、「木戸衛一講演会 私たちが変える社会は 世界は ヨーロッパ・ドイツから見たニッポン」(PLP会館)を、開催しました。約100人の広範な左翼、労働者、学生、市民の参加があり、活発な議論もされました。講演会の報告は、様々な団体の「新聞」でもなされています。
 現在、「台湾有事」を想定した米台、又日米、日米韓の共同軍事演習がおこなわれるとともに、武器輸出の解禁と軍事産業(三菱重工業・三菱電機・川崎重工業・NEC・IHI等の)強化・拡大を目指されています。岸田政権は「専守防衛」を投げ捨て、急速に「自衛隊」の軍備増強をおこなっています。「自衛隊」には、法制・憲法論議もありますが、私たちには岸田政権の武器輸出、軍事産業強化、
軍備増強に対する具体的な反対行動が求められています。
 武器輸出は、世界的な「紛争地」が対象となっています。具体的には、沖縄・台湾・韓国、そして中国、朝鮮の「東アジア」をめぐる状況を注視する必要があります。持続される沖縄の辺野古新基地建設反対運動をはじめ、全国的に米軍、自衛隊基地、軍事産業に対する反対運動が開始されています。関西では、京都祝園弾薬庫反対の闘いが始まり、岩国基地、Xバンドレーダー基地の反対運動が続けられています。
 今回、武器輸出反対運動の先頭に立っておられる杉原浩司さんを迎えて、広範な団体、個人の実行委員会参加と賛同をお願いします。

2024年7月

9・22杉原浩司さん講演集会実行委員会
 呼びかけ人 寺田道男 三野英二 茂木康 前田秀夫 太田やくーと 岩田吾郎 松田耕典
 連絡先 080₋1453₋8950(黒石)


岸田大軍拡は日帝の独自路線である!(前編)

 何回か書いているが、岸田政権によって今行われている大軍拡は、決してアメリカのいいなりになり、要求を”飲まされて”仕方なくやっているものではない。日帝が独自に生き残りをかけて、アメリカを巻き込みながら主体的に行っているものである。
 このへんを理論展開しているのが、革命的共産主義者同盟再建協議会が発効する理論誌「展望」第31号(2024年7月)の「綱領的世界認識のために 岸田大軍拡と闘う日本海遊闘争の飛躍を」(落合薫)論文である。以下、ちょっとずつ引用して進める。
 岸田首相自身が訪米後の米紙『ニューズウィーク』のインタビュー(2024年5月24日号、4月17日取材)で、「再軍備」という言葉を使い、「この点についてはいかなる誤解もあってはならない」と述べている。この古色蒼然とした言葉で、岸田首相は何を言おうというのか?従来の軍事強化は「軍備」とは言えない。自分はいままでとは次元の違った軍備強化をする、ということだろう。(p31~32
 彼らの言うところの「異次元の軍拡」とはこういったことだ…今までの「専守防衛」の軍備は軍備ではない、「敵基地攻撃能力」を持つ軍備こそ、真の軍備であると言いたいのだろう。その軍備は、アメリカのためにやるものでは当然違う。
 岸田首相の意図は、安倍首相が打ち出した「自由で開かれたインド太平洋」戦略という「故人のレガシーを引き継」ぎ、東南アジアやアフリカへの勢力拡大に注力すること、および日米安保同盟を通じて米帝・米軍を対中国戦争に引きずりこむことである。(p32)
 そう、これが日帝、岸田首相の本音である。そしてすぐ、以下に続く…
 「アメリカの戦争に日本がまきこまれる」危険を煽る言説が乱れ飛ぶ。しかし、自国の政権が大軍拡に転じ、対中国戦争を挑発する軍備配置を展開しているときに、何と的外れなことか。それどころか。自国政府養護の極みである。岸田政権が、2022年末の防衛3文書で中国を「最大の戦略的挑発」と「仮想敵国」規定したのに対し、関係諸国で公然と中国を「仮想敵国視」した国はない。米国ですら「唯一の競争相手」としか言っていない(2022年10月、米国家安全保障戦略)。米軍部や軍産複合体の関係者が中国の台湾進攻を盛んに煽っているが、それは自衛隊を「捨て駒」として中国と戦わせるための「策略」に等しい。(p32~33)
 と続ける。「中国敵視」政策は、日帝のほうが突出しているのだ。だから、日帝は米帝の「傀儡」ではない…独自の政策として中国を敵視し、対中国戦争に米帝を巻き込み、支援を受けながら(さすがに大国・中国と一国だけで戦うことはできない)戦う…この宣言が「最大の戦略的挑発」あんおである。
 その後、論文は自衛隊の実戦化について述べている。5月3日に空母化された「いずも」「かが」を含めた6隻の艦船が「令和6年度インド太平洋方面派遣」と称して12月15日まで半年以上も「実践的覇権」がされたと紹介し(ちなみに「展望」第31号の、ひとつ前の岸本論文では、この艦隊を「新連合艦隊」と呼んでいる)、また4月6日から7日にかけ、南中国海で米比豪の海軍とともに海上自衛隊が「海上共同活動」という、「訓練」や「演習」の名称を冠しない対中国戦争挑発発動に参加したと書いている。そして『軍事研究』2024年6月号から引用して、主な日米共同軍事演習をまとめている。
 数多くの日米共同演習が行われているが、ここ1両年の特徴として
①頻度が飛躍的に増え、ほとんど日常的に日本周辺で行われている。
②日米の全軍種が参加する多様な形態の演習が行われている。
③日米に加え、豪・英・加・比・仏・蘭・独軍が参加するケースが増えている。
④「米軍は矛、自衛隊は盾」論とは逆に、自衛隊が攻撃面を、米軍が防御ないし兵站面を受け持つ訓練が増えている。『軍事研究』の記述を引用すると、
 ①について、「南西方面ではあくまで主役は自衛隊であり、アメリカ軍は自衛隊を支援するという役割分担だったようだ」
 ③について、「アメリカ軍の小型揚陸艦艇部隊が、奄美大島に展開した陸上自衛隊に向けて、燃料、糧食、医薬品を輸送した」
 ④について、「指揮所演習で、主として自衛隊が敵の攻撃に対処しながら、アメリカ陸軍と壕陸軍が日本に増援部隊を派遣するというシナリオ(以下略) (p34~35)

と書かれている。
 後段の③については、まさに攻撃をしている自衛隊に対して、米軍が燃料や糧食を補給する後方支援を行っているので④についての間違いではないか?と思うのであるが、ここらへんは重要だと思うので太字にした…要するに南西方面を主戦場とする対中国戦争は、日帝自らの戦争として戦う、そのための「日米共同演習」であるということである。
 また、岸田軍拡は武器の性能向上とそれの大量購入に我々の税金が使われるわけだが、その武器は米国の言いなりに米国からバカスカ購入するわけではない(そういった「反米」構図はわかりやすい?のであるが…)実際、次期戦闘機は日本、英国、イタリアとの共同開発である。それを日本から第3国に輸出可能にする閣議決定が3月26日に行われた。日本の武器産業に利益を与え、育成するためである。同時に国家安全保障会議で、武器輸出のルールを定めた「防衛装備移転3原則」の「運用指針」を改訂したのであるが
ここに岸田大軍拡の核心を見ることができる。すなわち、
①米国に依拠しない最先端武器の開発、輸出、実戦化
②日本における軍産学複合体の本格的形成
③NATO(欧米)と連携し、また対抗するインド太平洋の軍事的核の形成(p35)

とある。武器の開発、実戦化も日帝主導で行うということだ。
 一方、米国との共同開発を通じて大軍拡に向かう動きもあり、これは①超音速兵器の開発…ロシアはすでに実践使用し、中国や朝鮮も開発に成功したとされる。アメリカは開発段階で重大な失敗をしたとされ、日本の技術を取り込む必要があるのだそうな。②中距離ミサイルの開発・量産…1988年に発効したINF(中距離核戦力)全廃条約により、米ソは核を搭載できる中距離ミサイルを一定廃棄したのだが、ロシアが条約違反をして中距離ミサイルを開発・製造していたため、2019年に条約は失効した。また条約に縛られない中国が中距離ミサイルを大量に開発・製造・配備している…ゆえにより精密なチュ距離巡航ミサイルの開発で日米共同の利害が一致するのだ。そして、
 すでに三菱重工が長射程の4種類のミサイルの開発・量産を受注したことが明らかとなった。その4種類とは、射程1000~3000キロで敵基地攻撃能力を持つ一二式地対艦誘導弾向上型、島嶼防衛用高速滑空弾、超音速誘導弾、地対艦・地対地精密誘導弾であるという。そしてこのようなスタンドオフ防衛能力の開発や量産や輸入のために約7340億円がすでに計上されている(吉田敏浩「ルポ軍事優先社会」『世界』2024年6月号)。なんのことはない、米国との共同開発以前に、日本の軍需産業に開発・量産を発注しているのである。自国企業による最新兵器の開発・生産・輸出・実戦配備を許しておいて、アメリカの兵器を購入することだけを非難するのは的外れである。(p36)
と展開している。
ちなみに、2024年度防衛白書に、一二式地対艦誘導弾能力向上型の画像が公開されているそうだ。
乗りものニュース
離島防衛の切り札か「国産ステルス長射程ミサイル」防衛省が初公開! 前倒しで配備も
 防衛省は2024年7月12日(金)、2024年度版の防衛白書を公表。その中で、2025年度から配備を開始する新型ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」の画像を公開しました。
 画像は試作品とのことですが、原型の12式地対艦誘導弾の弾体とは全く異なるステルス形状をしています。(以下略)

日帝独自の岸田大軍拡は、ここまで進んでいるのである。
後編に続くよ…
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あるみさんとは

あるみさん

左翼、時々テツ!ちょっぴり萌え系…白系共産趣味ブログであったが、どうも本人のスピリットは赤か黒らしい。闘争・集会ネタが主。主戦場は沖縄・辺野古。
 もとネタは、鉄道むすめのメットキャラ「金沢あるみ」さん。フィギュアを手に入れ、メットを白く塗ったりして遊んでいた。「あるみさん」つながりで「すのこタン。」も要チェック!
 「侵略!イカ娘」からはまったのは「ガールズ&パンツァー」…梅田解放区の隠れ「ガルパンおじさん」でもあるが、今は「はたらく細胞」の「血小板ちゃん」にハマり(おいおい)人間が朝の6時に起きれるか!という謎のコンセプトで生きている。

メールは、nishihansenあっとyahoo.co.jpまで(あっとを@に変更して下さい)
ではでは(^^)

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