その1の続き…台湾は中国の一部であるという「原則」、すなわち「台湾有事」は中国の国内問題になってしまっているという一方の現実を無視し、日米が台湾有事に介入するという前提になっていることが問題なわけである…と書いた。台湾有事への介入、参戦について、先月へグセス米国防長官と、中谷防衛大臣との会談が報道されている。Y!ニュース毎日新聞より
日米防衛相会談 中国威圧に「結束し立ち向かう」 抑止力強化で一致
中谷元・防衛相は30日、訪日中のヘグセス米国防長官と防衛省で会談した。ヘグセス氏は日米同盟について「インド太平洋地域における平和と安定の礎」だと強調。中国軍の威圧への対応に日本は「不可欠」な存在だとし、両氏は同盟の抑止力・対処力強化を「切迫感を持って推進」することで一致した。
へグセス米国防長官は会見でもっとあからさまに「日本は西太平洋で最前線に」と述べている(しんぶん赤旗電子版)
就任後、初来日したヘグセス米国防長官は30日、防衛省で行われた日米防衛相会談後の共同記者会見で、いわゆる台湾有事を念頭に「日本は西太平洋で最前線に立つ」と表明しました。米国は中国が2027年までに台湾を武力併合できる戦力を整えると見積もっています。これを「抑止」するために日本の役割を飛躍的に高め、米中戦争の最前線に立たせる狙いを露骨に示した発言です。(以下略)
毎日新聞も紙の3月31日朝刊には
会談後の共同記者会見で、へグセス氏は「中国共産党の威圧的な行動に日米は結束して立ち向かう」と宣言。「西太平洋で有事に直面した場合、日本は前線に立つことになる」と述べた。
とある。台湾有事勃発時に、日本が参戦することが既定路線なわけだ。
具体的には、宮古海峡の封鎖(宮古島と沖縄島のミサイル部隊による)や長距離ミサイルによる中国軍艦艇の破壊、基地の破壊を行うことになろう。もちろん、在日米軍も「出撃」することになるであろうから、自衛隊基地や弾薬庫、米軍基地は中国軍からの攻撃対象になる。
「台湾有事」でどのようなことが起こるか?アメリカのシンクタンクによるシュミレーションをQABが報道している。
「有事」の果てに(1)/台湾有事シミュレーション/在日米軍基地使用は「必須」/与那国「優れた拠点」/米シンクタンク
金城アナウンサー「今回は、台湾での有事を想定したシミュレーションについてお伝えします。アメリカの有力シンクタンクが2023年1月に出した台湾有事に関するレポートは、台湾と中国、日本やアメリカなど各国や軍の動きを詳細に分析し、注目されました。執筆者に現状分析や見解を聞きました。」
日米防衛相会談 中国威圧に「結束し立ち向かう」 抑止力強化で一致
中谷元・防衛相は30日、訪日中のヘグセス米国防長官と防衛省で会談した。ヘグセス氏は日米同盟について「インド太平洋地域における平和と安定の礎」だと強調。中国軍の威圧への対応に日本は「不可欠」な存在だとし、両氏は同盟の抑止力・対処力強化を「切迫感を持って推進」することで一致した。
両氏の対面会談は初めてで約85分間実施した。中国に関し、東シナ・南シナ海での一方的な現状変更の試みに反対し、台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認。ヘグセス氏は在日米軍司令部を「統合軍司令部」に移行させるための「フェーズ1を開始した」と伝え、司令部を増員すると表明した。防衛省が24日に発足させた「統合作戦司令部」との連携を通じて作戦調整能力を向上させるとした。
「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の実現に向け、オーストラリアや韓国、フィリピンなども含めた多国間協力の推進で一致。ミサイルの安定供給を「死活的な課題」(中谷氏)と位置付け、空対空ミサイル「AMRAAM」の共同生産の取り組みを加速させるほか、中谷氏は艦対空ミサイル「SM6」の共同生産の可能性も提起した。宇宙やサイバーセキュリティーの連携強化でも合意した。
会談後の共同記者会見でヘグセス氏は「平和を求めているのであれば、戦争の準備をする必要がある」などと語り、「中国共産党の威圧的な行動に日米は結束して立ち向かう」と宣言。「西太平洋で有事に直面した場合、日本は前線に立つことになる」と述べた。そのような状況になった場合、「日米で互いを支え合う」とした。中谷氏は、台湾有事の際に日本は戦う準備があるのかと記者から問われると「状況に即して判断し、憲法、国際法、国内法令に従って具体的な対応を実施する」と述べるにとどめた。(以下略)へグセス米国防長官は会見でもっとあからさまに「日本は西太平洋で最前線に」と述べている(しんぶん赤旗電子版)
就任後、初来日したヘグセス米国防長官は30日、防衛省で行われた日米防衛相会談後の共同記者会見で、いわゆる台湾有事を念頭に「日本は西太平洋で最前線に立つ」と表明しました。米国は中国が2027年までに台湾を武力併合できる戦力を整えると見積もっています。これを「抑止」するために日本の役割を飛躍的に高め、米中戦争の最前線に立たせる狙いを露骨に示した発言です。(以下略)
毎日新聞も紙の3月31日朝刊には
会談後の共同記者会見で、へグセス氏は「中国共産党の威圧的な行動に日米は結束して立ち向かう」と宣言。「西太平洋で有事に直面した場合、日本は前線に立つことになる」と述べた。
とある。台湾有事勃発時に、日本が参戦することが既定路線なわけだ。
具体的には、宮古海峡の封鎖(宮古島と沖縄島のミサイル部隊による)や長距離ミサイルによる中国軍艦艇の破壊、基地の破壊を行うことになろう。もちろん、在日米軍も「出撃」することになるであろうから、自衛隊基地や弾薬庫、米軍基地は中国軍からの攻撃対象になる。
「台湾有事」でどのようなことが起こるか?アメリカのシンクタンクによるシュミレーションをQABが報道している。
「有事」の果てに(1)/台湾有事シミュレーション/在日米軍基地使用は「必須」/与那国「優れた拠点」/米シンクタンク
金城アナウンサー「今回は、台湾での有事を想定したシミュレーションについてお伝えします。アメリカの有力シンクタンクが2023年1月に出した台湾有事に関するレポートは、台湾と中国、日本やアメリカなど各国や軍の動きを詳細に分析し、注目されました。執筆者に現状分析や見解を聞きました。」
マーク・カンシアン氏「中国はアメリカ軍基地、自衛隊の基地に」「何百発もミサイルを撃ち込むでしょう」
そう語るのは、アメリカ・ワシントンの有力シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)のマーク・カンシアン氏。
カンシアン氏が記したのは、2023年1月に発表されたレポート「次の戦争の最初の戦い」。台湾有事におけるアメリカ軍や自衛隊と中国軍の戦闘を詳細にシミュレーションしたものです。おおむねの場合で中国の台湾進攻は失敗する一方、中国、アメリカ、日本いずれも多くの艦艇や航空機を失うと分析されています。
用いたのは「ウォーゲーム」という手法。極東地域の地図の上で航空部隊や艦隊のコマを動かし、有事で中国と台湾、アメリカや日本などの同盟国の部隊がどのように戦闘を行うか、詳細に分析してきました。
用いたのは「ウォーゲーム」という手法。極東地域の地図の上で航空部隊や艦隊のコマを動かし、有事で中国と台湾、アメリカや日本などの同盟国の部隊がどのように戦闘を行うか、詳細に分析してきました。
マーク・カンシアン氏「日本が基地を使わせない想定のゲームでは敗北しました」「米国はグアムやオーストラリアからミサイルや爆撃機を飛ばさざるをえません」「日本の基地は絶対に必要です」
台湾を防衛するための条件の一つに挙げられているのが、台湾有事での、在日アメリカ軍基地の使用です。
台湾を防衛するための条件の一つに挙げられているのが、台湾有事での、在日アメリカ軍基地の使用です。
玉城知事 2023年「台湾有事が起こるということになると、米国と日本がもし関わるようになり、中国との戦闘状態に巻き込まれたら日本全体がターゲットになることは間違いありません」
日本が台湾有事に関わることに懸念もある中で、カンシアン氏がやり取りした日本の関係者は、基地の使用についてこう語ったといいます。
マーク・カンシアン氏「日本の高官や民間人、自衛官とも話をしましたが」「彼らは日本が米国に基地使用を認めるという強い意志もっています」「一つはもし基地使用を認めなければ、70年続いた安保体制が破棄されるということで」「もう一つはそれが無難な方法と言えるからです」
ワシントンを訪れる日本関係訪問者の多くは、このウォーゲームについて関心を持っているといいます。その理由をこう分析します。
マーク・カンシアン氏「日本でこれほど関心を集めたのは、戦争と平和についての決定が、東京ではなく、ワシントンと北京の間で行なわれる可能性を認識しているからだと思います」「中国が日本の基地を攻撃すると決めたら、攻撃がアメリカ軍に対するものでも、日本自身は何ら決定をしないまま、戦争に巻き込まれることになるのです」(以下略)
長々と引用したが、日米安保体制は「日本を守るため」にあるのではなく、アメリカの世界戦略の一環としてあり、この場合は「台湾防衛」のために存在していること、そして「台湾防衛」のために「日米同盟」の下で、日本も前線に立つということになるわけだ。日米同盟そのものが、日本が対中国戦争に「巻き込まれる」リスクを背負っているのである。(トランプ大統領流に言えば、台湾のために日米同盟があるので、その負担は台湾が行うべきだということになる?)それが「一つはもし基地使用を認めなければ、70年続いた安保体制が破棄されるということで」「もう一つはそれが無難な方法と言えるからです」という言葉に集約されている。そして引用にもあるが、「おおむねの場合で中国の台湾進攻は失敗する一方、中国、アメリカ、日本いずれも多くの艦艇や航空機を失うと分析」されているが、失うのは艦艇や航空機ばかりでなく、兵士や民間人も含めた多くの命であり、住宅や道路、学校、病院といったインフラ設備や農地、漁場、山や川までも失うことになる。事実、台湾有事のエスカレーションで
マーク・カンシアン氏「一部の部隊は核兵器を使う可能性があります。戦場での核兵器使用で重要なのは、大量に使う必要があることです」
という発言もあるし、小西誠氏のnoteにもこのQABの報道について触れ
これによれば、その後の戦争は、大量の捕虜を出し、敗北した中国軍の核攻撃を含む、15回の核攻撃を双方が繰り返す戦争に発展した。とある…恐ろしいことだ!
核戦争の後に、勝者はあるのだろうか!
同時に、マーク・カンシアン氏「日本が基地を使わせない想定のゲームでは敗北しました」とある…日米安保を破棄して在日米軍基地を撤去、もしくは米軍が何らかの理由で派兵しない場合は、中国の「台湾統一戦争」は勝利するというものだ…後者の場合、中国軍による在日米軍基地への攻撃がある可能性はあるが、前者で、かつ自衛隊も宮古島海峡封鎖などの介入を行わない場合、「台湾統一戦争」で軍事力を全力で投入しないとイケナイ中国軍が(「台湾統一戦争」は渡海作戦であり、仮に大軍を台湾に上陸させることができたとしても、台湾軍および台湾人民の山岳地帯も使った激しい抵抗が予想される)、わざわざ琉球弧の島々を攻撃・占領することはないのだ!だから「台湾有事」で日本を守るためには、日米安保・同盟を破棄(あるいは発動させずに)したうえで台湾有事に軍事的に介入せず、中立を守ればよいということになる。ただし、台湾は中国本土に「統一」されることになる。
恐ろしいのは「中国脅威論」が煽られる中、台湾有事に関しては無条件に日米が軍事的に対応することが、政府や防衛省、自衛隊幹部のみならず、一般市民もそれを是である、あるいはやむなしと考え、今日本政府が行っている大軍拡・ミサイル部隊や電子戦部隊の配備、弾薬庫建設などに反対する世論が起こらないことである。そしてそれは日本防衛(実は台湾防衛?)のため、沖縄は、島々は犠牲になれ!それも仕方がない?(批判するなら中国に言え!)ということだ。
逆に言うと、沖縄を再び戦場にさせない、沖縄戦をくり返さないためには、「台湾有事」には中立を守る!介入なんかとんでもない!という世論を喚起することなのである。
長々と引用したが、日米安保体制は「日本を守るため」にあるのではなく、アメリカの世界戦略の一環としてあり、この場合は「台湾防衛」のために存在していること、そして「台湾防衛」のために「日米同盟」の下で、日本も前線に立つということになるわけだ。日米同盟そのものが、日本が対中国戦争に「巻き込まれる」リスクを背負っているのである。(トランプ大統領流に言えば、台湾のために日米同盟があるので、その負担は台湾が行うべきだということになる?)それが「一つはもし基地使用を認めなければ、70年続いた安保体制が破棄されるということで」「もう一つはそれが無難な方法と言えるからです」という言葉に集約されている。そして引用にもあるが、「おおむねの場合で中国の台湾進攻は失敗する一方、中国、アメリカ、日本いずれも多くの艦艇や航空機を失うと分析」されているが、失うのは艦艇や航空機ばかりでなく、兵士や民間人も含めた多くの命であり、住宅や道路、学校、病院といったインフラ設備や農地、漁場、山や川までも失うことになる。事実、台湾有事のエスカレーションで
マーク・カンシアン氏「一部の部隊は核兵器を使う可能性があります。戦場での核兵器使用で重要なのは、大量に使う必要があることです」
という発言もあるし、小西誠氏のnoteにもこのQABの報道について触れ
これによれば、その後の戦争は、大量の捕虜を出し、敗北した中国軍の核攻撃を含む、15回の核攻撃を双方が繰り返す戦争に発展した。とある…恐ろしいことだ!
核戦争の後に、勝者はあるのだろうか!
同時に、マーク・カンシアン氏「日本が基地を使わせない想定のゲームでは敗北しました」とある…日米安保を破棄して在日米軍基地を撤去、もしくは米軍が何らかの理由で派兵しない場合は、中国の「台湾統一戦争」は勝利するというものだ…後者の場合、中国軍による在日米軍基地への攻撃がある可能性はあるが、前者で、かつ自衛隊も宮古島海峡封鎖などの介入を行わない場合、「台湾統一戦争」で軍事力を全力で投入しないとイケナイ中国軍が(「台湾統一戦争」は渡海作戦であり、仮に大軍を台湾に上陸させることができたとしても、台湾軍および台湾人民の山岳地帯も使った激しい抵抗が予想される)、わざわざ琉球弧の島々を攻撃・占領することはないのだ!だから「台湾有事」で日本を守るためには、日米安保・同盟を破棄(あるいは発動させずに)したうえで台湾有事に軍事的に介入せず、中立を守ればよいということになる。ただし、台湾は中国本土に「統一」されることになる。
恐ろしいのは「中国脅威論」が煽られる中、台湾有事に関しては無条件に日米が軍事的に対応することが、政府や防衛省、自衛隊幹部のみならず、一般市民もそれを是である、あるいはやむなしと考え、今日本政府が行っている大軍拡・ミサイル部隊や電子戦部隊の配備、弾薬庫建設などに反対する世論が起こらないことである。そしてそれは日本防衛(実は台湾防衛?)のため、沖縄は、島々は犠牲になれ!それも仕方がない?(批判するなら中国に言え!)ということだ。
逆に言うと、沖縄を再び戦場にさせない、沖縄戦をくり返さないためには、「台湾有事」には中立を守る!介入なんかとんでもない!という世論を喚起することなのである。