離婚後の「共同親権」を導入のため、民放などを改正する案が衆議院で可決された…NHKより
離婚後の「共同親権」民法など改正の修正案 衆院法務委で可決
 離婚後も父と母、双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案をめぐり、自民党や立憲民主党などは、見直し規定などを盛り込んだ修正案を提出し、衆議院法務委員会で採決が行われた結果、賛成多数で可決されました。
 民法などの改正案は、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持つ今の「単独親権」に加え、父と母、双方に親権を認める「共同親権」を導入することが柱となっています。
 自民・公明両党と立憲民主党、日本維新の会の4党は、▽離婚後に「共同親権」を選択した場合、子どもと同居する親だけで決められる行為などを政府が周知することや、▽法律の施行後5年をめどに見直しを検討することなどを付則に盛り込む修正を行うことで合意し、12日の衆議院法務委員会に修正案を提出しました。
 そして、採決が行われた結果、修正案は賛成多数で可決されました。
 また、夫婦が互いを尊重して子どもを育てることができるよう政府に支援を求めるなどとした付帯決議もあわせて可決されました。
 修正案は来週にも本会議で可決され、参議院に送られる見通しです。

 離婚した場合、日本では「単独親権」制をとっているので、子どもの親権は父親か母親かのどちらか一方のみが負う。「共同親権」にすれば、離婚後も両親が子どもの「親権」に係るこおtができるので、それは”いいこと”なのではないか?と考える人も多いだろう。ところが「共同親権」については非常に問題が多い…change.orgには、このような署名が立ち上げられている。
 それによれば

 今年の国会で「離婚後共同親権」制度の導入が決定するかもしれません。導入されれば、離婚した後に子どもを保育園に入れるにも、治療を受けさせるにも、引っ越しにも、子どもが希望する学校に進学させるにも「両親」のハンコが必要になり、離婚した相手との関係が強制的に継続しますーー子どもがいる人に対する実質的な「離婚禁止制度」です。
そしてこの制度の影響は約200万人(試算※)の子どもに及ぶと考えられています。
 考えてみてください。もちろん離婚後も父母が協力して子育てできる関係であることは理想です。ですが、そもそも離婚に至るということは関係が立ち行かなくなっているということ。そんな関係の父母に共同親権を強制されたら、子どもは身動きが取れず、子どもの希望は塞がれてしまいます
 子どもたちに不利益をもたらし、立場の弱い方を追い詰める「離婚後共同親権」の導入を拙速に進めないでください。子どもたちのことを考え、立ち止まって考え直してください。
【離婚後共同親権ってなに?】
 子どもの重要事項についての決定に別居親の許可が必要になる制度です。拒否されれば、進学・入院・入園・引っ越しなどができなくなります。合意できなければ、裁判所に決めてもらうまで何もできません。
【具体的に何が問題なの?】
① 父母のどちらかが拒否しても、裁判所によって「共同親権」が命じられる。
② 子連れ別居ができなくなる。
③ 裁判所は、精神的・性的虐待など証拠がないDVを除外しきれない。
④ 家庭裁判所はすでにパンク状態で、対応する人員も施設も予算もない。
⑤ 「養育費不払い対策」は骨抜きで実効性がない。
⑥ 裁判などを悪用した嫌がらせ(リーガルハラスメント)の対策がない。
【共同親権って誰に関係あるの?】
ⅰ 子ども
ⅱ 子どもがいる人
 ・離婚を考えている人
 ・すでに離婚した人
 ・婚姻中・未婚・事実婚を含む子どもがいるすべての人
ⅲ 将来子どもをもつ可能性があるすべての人
 上記のみならず、医療・教育・行政・習い事など子どもに関わる仕事をする人も、訴訟リスク等大きな影響があります。(以下略)

とある。
 
 離婚、及びその原因が夫婦どちらかのDV、ハラスメントにあるケースがそこそこあって(表向きはそういった理由でなくても、隠れているケースもある)そんな家庭をぶっこわすようなヤツと「親権の共同」なんかできるわけない。
 そして離婚後も共同親権を導入しようとロビー活動をしてきた人たち…実はDV、ハラスメントの結果、配偶者が子どもを連れて逃げ出し、様々な禁止措置も取られ面会もさせてもらえない人(主に男性)…が「自分が子どもに会えないのは、『単独親権』制のせい!」とばかりに保守的な議員をまきこんで繰り広げてきたものである。彼らは自らの”加害”を自覚することなく(DV・ハラスメント加害者にありがちのことであるが)、DV/・ハラスメントから子どもを連れて逃げざるを得なかった元配偶者を「子どもを誘拐した!」などと警察沙汰にし、あるいは裁判に訴えたり、元配偶者の居場所を突き止め、嫌がらせを繰り返す…など、トンデモな人たちなのだ。
 ということで、こうゆう人たちが求める「共同親権」の問題について② 子連れ別居ができなくなる。③ 裁判所は、精神的・性的虐待など証拠がないDVを除外しきれない。には、あえて太字をいれてみた…そう、これは「離婚禁止法」なのである。4月12日のTBSニュースから
「共同親権」法案が衆院で可決 “離婚後も支配され続ける”と当事者から不安の声も
 離婚後の子どもの親権を父母の双方に認める「共同親権」の導入を柱とした民法の改正案が衆議院の法務委員会で可決されました。ただ、離婚した「当事者」からは不満の声もあがっています。
「起立多数、よって本案は修正議決すべきものと決しました」
 きょう、与野党の賛成多数で可決した民法の改正案。これまで離婚後の子どもの親権者は父母のどちらか一方の「単独親権」のみでしたが、今回の改正案では、どちらにも親権を認める「共同親権」が選べるようになり、父母の協議で決まらない場合は家庭裁判所が判断します。
 自民党 熊田裕通 衆院議員
「養育費の履行を確保することや、安全安心な親子交流を実現していくことが重要であります」
 賛成した議員は“共同親権になれば実際に養育していない親が子どもと面会しやすくなり、養育費の不払い問題も改善される”などと強調しますが…
後藤さん(仮名)
「絶対に反対っていう気持ちでおります。紙の上で離婚したとしても、現実的に離婚ができないような状況が続く法案だと思ってます。反対です、私は。色々な話し合いにおいて合意ができないから、協力して何かを進めることができないから別れているわけであって」
数年前に離婚し、2人の子どもの親権を持つ後藤さん。前の夫から“精神的なDV”を受け離婚し、現在も子どもをめぐる係争が続いています。
今回の法案はすでに離婚が成立していても申し立てが認められれば「共同親権」が適用されることから、“前の夫が申し立てを行うのではないか”と不安を感じているといいます。
後藤さん(仮名)
「共に居なくていいということが一番の救い。法によって、また“共同しなさい”と言われているようなものだと思うんですね、共同親権って」
 後藤さんのように精神的なDVによる離婚の場合、証拠が残りにくいことから、“訴えが家庭裁判所に正確に届くのか”という点も強く懸念しています。
 立憲民主党など野党側はDVや虐待など円満に離婚できなかったケースで、適切に「共同親権」を行使できるのか、との懸念を示し、与野党はきのう、親権を選択する際に「父母の双方の真意」を確認する措置を検討することなど、新たな付則を盛り込むことで合意。しかし、この修正案についても“不十分だ”と指摘します。
後藤さん(仮名)
「いろいろな経験、思い、言語化しづらいです。真意というものが、どれほど伝えられるのかなっていうのがあります。修正案に関してもすごく懸念が残りますね」
改正案は来週、本会議で可決され、参議院に送られる見通しで、後藤さんは「共同親権」申し立ての不安に駆られる日々が続きます。
後藤さん(仮名)
「(共同親権が)運用されるとなると、法律を使って支配され続ける状況が続くことなので、心身ともに衰弱しますし、それが共にいる子供にとって良いわけがなくて、サポート・ケアの対策までお話し合いを進めていただきたいなという思い」
当事者の悲痛な声を国はどう受け止めるのでしょうか。

記事中に、今回の法案はすでに離婚が成立していても申し立てが認められれば「共同親権」が適用されることから、“前の夫が申し立てを行うのではないか”と不安を感じている とある。DV・ハラスメントというのは「相手を自らのコントロール下においておきたい」という自らの「支配欲」からでており、しかも自覚がない場合それは「愛情」とか「相手のため」(親権の場合は、子どものためというのが加わる)というものに転倒してしまう。家庭裁判所も、そういったDVケースを見破ることができず、ホイホイと「共同親権」…協力できない夫婦に、子育て協同を強制する…を認めるだろう。
DV認定って、困難だそうで

 それにしても、家族を規定する法律で「選択夫婦別性」や「同性婚」なんかはなかなか認められず、国会で審議もされないのに、「共同親権」がこうも拙速に(民法改正のパブリックコメントが集められたのであるが、その内容が公表されていない)通過してしまうのはなぜか?一つは諸外国が離婚後「共同親権」制度を取っている国が多いこと、それと関連して、国際結婚した日本女性が海外で子どもを産み、その後配偶者のDV・ハラスメントから逃れるため子どもを連れて逃げた場合「国政的な子どもの連れ去り」という問題に発展することから、諸外国にあわせておこうという話もあるのだろう。(実際の外務省の対応はこちら…けっこういろいろやっている もっとも”諸外国”で離婚後共同親権だからすべてうまくいっているというわけではもちろんなく、DV・ハラスメント事例を排除できなかった結果、子どもの利益にそぐなわい親権行使が行われたり、ひどいときには「面会交流」が強制され(これは現在の日本でも行われている)面会交流時に、DV加害者が子どもに危害を加える、殺害してしまうという事件も起こっている。
 もう一つは、これがDV加害があっても、父と母がそろった「理想の家族像」を守るためのもの…すなわち、日本の保守層にずんと居座っている「家父長制」を支える力になるからだ!そうした意味で、この「共同親権」法案は、様々な家庭・家族の在り方を認める「フェミニズム」のバックラッシュの一つである。

家父長制を強化する自民党、岸田政権を許すな!
子づれ別居・離婚禁止法たる「共同親権」法案を廃案にしよう!