先日の梅田解放区、豊崎西公園ミニ集会における私の発言
コロナの感染が拡大し、多くの人びとが中止や延期を求める中、東京オリンピックが強行されています。様々な反対意見や不具合が噴出してからも、一度決定したことを撤回できない…これまでの日本の歴史の中で、数多くありました。リニア中央新幹線に代表される、様々な大規模開発、原発にしろ、あるいは先の大戦にしろそうです。東京オリンピックは「インパール作戦」などともよばれていますね。
今、日本国内で人々の反対を押し切り、あるいは科学的合理性も無視して強行されているのは、なんといっても辺野古新基地建設でしょう!普天間飛行場の代替施設が必要と計画されてから、すでに二十三年が経過しています。その間、様々なレベルでの選挙、衆議院参議院から、沖縄県議会、県知事選挙、名護市長選挙、そして2019年2月の県民投票で、沖縄の民意は「辺野古に基地はいらない!」と、ずっと示されています。でも安倍政権、そしてそれを引き継いだ菅政権は、辺野古基地建設工事を推し進めています。まったくもって、許せません。
辺野古新基地建設計画は様々な問題、たとえば自然豊かな辺野古・大浦湾の海を埋め立ててつぶしてしまう、ジュゴンもサンゴも殺されてしまうといった環境問題もあるのですが、もう一つ、建設工事の過程で、海底が軟弱地盤であることが明らかになっています。N値0という、豆腐のような地盤がずっと広がっている…ここに巨大なコンクリートの塊、ケーソンを沈めて護岸をつくるのですけれど、とても載せられるものではない。そこで何千億円もかけて砂杭を打ち込み、地盤改良をするという「設計変更」があがっています。普通、公共事業でこのような大幅な設計変更が行われる場合、その計画の是非も含めて見直される…辺野古の場合は、仮にあの場所に滑走路を2本持つ、軍港機能を持つ基地が必要だとしたとしても、埋め立て形状そのもの、護岸の位置や形すら変更することも検討するのです。そのほうがかえって安くなることもあるのですが、全くそうゆうこともやらない。そのまんまの形で、「設計変更」しているのですね。形状を変えると埋め立て許可申請から取り直さないとイケナイからです。このように民意を無視し、また科学的合理性も無視して強行されている。東京五輪が、感染拡大を防ぐため、世界中から人があつまる大規模イベントは中止しよう、延期しようという意見も、科学的合理性も無視して突き進んでいるのと同じです。
沖縄の県民投票が行われても、辺野古新基地が推し進められている状況に対し私はこう言ってきました…沖縄で民意が踏みにじられ、民主主義が破壊されるのは、大阪から遠く離れた沖縄だけの問題じゃない。こんなことが許されれば、今度はあなたの隣で不要な公共事業や、核廃棄物の処分場が民意を無視してドンドン作られることになると…まさに今おこっている、「オリンピック強行」がそれであります。
ではその沖縄で起こっている民意無視、民主主義の破壊について、私たちはどのくらい大阪で、あるいは沖縄県外で声をあげてきたのか?という問題もあります。沖縄の民意が示されたのは、昨日今日の話ではありません。2009年の民主党政権が成立する以前から、すでに県議会では社共をはじめとする辺野古新基地反対を掲げる勢力が多数でした。鳩山政権が掲げた「(普天間代替施設は)最低でも県外」という公約を実現させることが出来なかったのは、多くの人が「沖縄に基地が必要だ」「基地は沖縄にあるのはやむを得ない」と思わされてきたからです。しかし沖縄に存在する超迷惑施設!?海兵隊は1950年代まで岐阜県や静岡県、山梨県に駐屯していました。そこでの「反対運動」が激しくなったから、海兵隊は当時米軍が支配していた沖縄に移駐してきた。その過程で「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる沖縄での強権的な基地拡張が行われています。もともと軍事上、必要だから沖縄にいたのではない。朝鮮半島に近いから、台湾に近いからといわれますが、たかだか3万人の兵力を急展開して、朝鮮や台湾で戦争することはできません。また海兵隊は攻めてくる、上陸する敵を迎え撃つのではなく、イラクやアフガニスタン、さらにはベトナムでやったように、遠く海外に派遣されて侵略戦争をやるための部隊です。沖縄で日夜、轟音をたて、国道を我が物顔で通りながら演習しているのも、そうした侵略戦争のための訓練です。北部訓練場ではかつて「ベトナム村」というのをつくって、沖縄の人をベトナム人に見立て、そこを攻撃する訓練をしていたそうです。こんなものは日本の「専守防衛」にはまったく必要がない!にもかかわらず、多くの人が「沖縄に基地があるのはやむを得ない」と考え、実際に沖縄に米軍基地が集中している…日本の在日米軍基地の面積で、7割が沖縄に集中しています…これはやはり、沖縄に対する差別ではないでしょうか?差別が沖縄米軍基地をささえている…ちょうど、東京五輪が、差別やいじめを礼賛するような人たちが企画し、多くの人がコロナで苦しんでいるにもかかわらず、アスリートやバッハのような五輪貴族だけがいい思いをする、電通やコカ・コーラだけが儲ける、差別の上に成り立っているのと同じです。
5年前の2016年7月、ちょうど辺野古の基地建設工事が止まっている時、高江のヘリパッド工事が強行されました!これも参議院選挙で基地反対の「オール沖縄」勢力が勝った翌日に行われたものです。7月22日には大量の機動隊が投入された…民主主義の破壊です。そして派遣された大阪府警の機動隊員は、抗議する沖縄の人に対し「土人、シナ人(ママ)」と差別用語を吐きかけました!そして当時の大阪府知事、現大阪市長の松井一郎はそれを反省・謝罪もせず「主張ご苦労」とねぎらっているのです。絶対に許してはいけません!1879年の琉球処分、琉球王朝を武力で排して日本に組み込み、「天皇制」の下にひれ伏させて、差別してきた…その歴史がまだ続いている。そして今も米軍基地を押し付けている、これを忘れてはいけません。
情勢はさらに進んでいます…石垣島や宮古島に自衛隊のミサイル部隊が配備され、奄美大島にも自衛隊が派遣されています。馬毛島も自衛隊の事前集積基地ができそうです。そして沖縄の海兵隊基地、辺野古の新基地も、陸上自衛隊と海兵隊で共同使用するということが報道されました。中国を封じ込めるための戦争、その最前線に沖縄をはじめ、南の島々で進められています。沖縄はかつての大戦で「本土決戦」を引き延ばすため、さらには天皇制を守るための「捨て石」として3ヶ月もの沖縄戦を強要され、多くの人が犠牲になったところです。ミサイル部隊を置き、海兵隊基地もある…まさに沖縄が「前戦化」しているのですが、それはふたたび沖縄戦をくり返すことです。絶対に許してはなりません。
辺野古新基地の設計変更で、大量の土砂が沖縄の南部から出されることが計画されています。沖縄戦の犠牲者の遺骨が眠る土が、戦争のための基地建設に使われようとしています。ほんとうに犠牲者を冒涜する行為です。絶対に辺野古新基地建設を止めましょう!遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんがハンガーストライキで抗議を行い、多くの人が共感を持って迎えています…埋め立てが強行され、土砂が毎日大量に投入されていても、沖縄の人は、多くの人は「あきらめないで」基地建設に抗議を続けています。東京五輪も「強行」されていますが、それでもあきらめないで中止・中断を求める声、抗議の声が上がり続けています!そこに私達は希望を見出します。
なんども書きますが、民意を踏みにじり、科学的合理性も無視して基地建設を強行したのは安倍政権であり、それを引き継ぐ菅政権です。オリンピックを誘致したのは安倍政権、強行しているのは菅政権です。コロナ禍で多くの人が苦しんでいる、休業・時短を強いられているお店や、収入が減った労働者には何も補償せず、給付金も配らないで、辺野古新基地も、東京五輪も、私達の税金を湯水のように使っています。そのカネをこちらにまわせ!補償・給付を行え!こう安倍スガ、自民党に突きつけましょう!菅政権は、辺野古新基地建設をヤメロ!基地建設もオリンピックもやめて、退陣しろ!以上です。