たたかうあるみさんのブログMKⅡ

み~んなそろって、闘争勝利!でもやっぱりメットは、白でしょ⁉ということにしておこう。

容量がいっぱいになった「たたかうあるみさんのブログ」を移動して、2020年7月に新たに開設した、共産趣味鉄道ヲタブログ⁉…旅行、萌え系ネタ⁉もあります。

#セックスワーク論

ドイツ・オランダが「失敗」している理由

 セックスワーク論批判でよく引き合いに出されるのが「ドイツ・オランダでは性産業を”非犯罪化”したので、かえって性産業が野放図に広がり、結局女性たちが苦しむ結果になっている」というものがある。要するに、ドイツ・オランダは「セックスワーク論」が主張する「非犯罪化」で失敗しているというものだ。
 現象だけみるとそうであろう…しかしドイツ・オランダは元々性産業が一定「合法的」であった国である。そういった国の規制が、新自由主義政策の下ということでかなり撤廃されたうえでの「非犯罪化」であることに注意しよう。
 その前に、非犯罪化と合法化の違いについて…
 「合法化」は、特定法を定めて売買春を取り締まり、この法を逸脱する行為を犯罪にするので、実は半分は「犯罪化」であると言っていい。対照的に、「非犯罪化」は、売買春に限って取り締まる特定の法を作らない、ということです。しかし、「合法化」と違うからといって非合法でいいというわけではない。そうではなく、他の産業や仕事と同じように、労働法・商法・民法などといった一般法の範囲内で営まれるようにするのが「非犯罪化」なのです。(セックスワークスタディーズ 第6章 セックスワーカーへの暴力をどう防ぐか 青山薫 p138)
 この、他の産業や仕事と同じように、労働法・商法・民法などといった一般法の範囲内で営まれるようにすると言うのが、セックスワーク論のもうひとつのキモなのだ。要友紀子氏も以下のように述べている。
 そうなるのは、日本の性産業が、「市場としてのみ存在している」からです。一般的に、他の産業や職業での仕事に伴う労働者の被害や怪我・病気の問題は、労災として救済されるのと同時に、それらが起こらないように、安全で健康に働けるような労働環境改善・法制定・施策・研修・社会啓発などの被害を減らす仕組みづくりが行われます。
 ほかの産業や職業と同じく、セックスワークにおける労働者としての権利を保障することによってのみ、悪事を正すことができるのです。(セックスワークスタディーズ 第7章 どうすれば安全に働けるか 要友紀子 p172)
 安全で健康に働けるような労働環境改善・法制定・施策・研修・社会啓発などの被害を減らす仕組みづくりは、おそらく労働法、労働基準法、労働安全衛生法の適用を受けるということである。製造業や建設業なんかで働いている人はご存じだろうが、労働安全衛生法には事細かく労働災害を防ぐための仕組みやしなければならないことが規定され、事業者に義務付けられている。もちろん違反した事業者に対するペナルティーや個人への罰則も存在する。
 性産業が「危険」で「ストレスフル」で「健康を害する(望まぬ妊娠等も含む)」リスクが大きいのであれば、それに合わせた特別な規則等を新たに制定し、事業者に守らせる必要がある…これが「非犯罪化」のために必要なのだ。(そしてこういった法や規則づくりに、当事者の声を聞けということである)
 ドイツやオランダの事例をみると、そういった規制がほとんどなされないまま「非犯罪化」され、事業者のやりたい放題になっているのが問題なのである。正確なことを言えばセックスワーク論の適用によって状況が悪くなったのではなく、セックスワーク論を口実にして新自由主義のため”換骨奪胎”した適用による失敗なのだ。”労働安全衛生法を守らせる”ためには公的機関の介入が絶対に必要になり、そのため多くのリソースを割かねばならない…新自由主義政策下でそんな余裕はなく、規制緩和は必ず労働条件の悪化に結びつくのである。逆にこれは、新自由主義下では「セックスワーク論」を適用することは出来ず、従ってセックスワーク論者もまた新自由主義と闘わなければならないということでもある。ひゃぁ~大変だ‼
 ついでにいうと、ドイツでは2017年に「性売買従事者保護法」が出来た。これは性産業従事者に対し仕事をすることを登録したうえで証明書・認証書などを発行し、ワーカーに権利と義務についての情報を提供し、社会保険にも加入できるというものだ。ただ事実上の義務事項となっており、煩雑な手続きの時間と費用はワーカーのみが負担し、事業者は負担しない。関連規制の処罰もワーカーのみが負う仕組みである。これは性産業はあくまでもワーカーが個人事業主でやっているという、日本をはじめ多くの国や地域でみられるタテマエに沿ったものであろうが、結局事業者の責任を免除・免罪するものである。またワーカーを登録し、証明書を発行するというのは、かつてあった「鑑札」でワーカーを管理しようとするものではないか?こうゆうことからも、ドイツは決して性産業の「非犯罪化」をしたわけではなく、あくまでも「合法化(その裏返しの犯罪化)」政策をとっていると言えるだろう。

性的サービスは女性から男性に売っているのか?

 前回のセックスワークとは、どんなワークか?において
 これに対し、セックスワークにおける性的サービスの提供については、圧倒的に
  女性 ⇒ 男性
 の関係性となる。
 と書いた。これをもう少し考察してみよう。

 具体的には、女性が街中で個別に男性と”交渉”して直接取引するケースを除き、性産業、風俗業を通さない限り、性的サービスを売ることはできない。そして性産業に携わるのは圧倒的に男性であり、男性が男性に性的サービスを売っているのである。女性が経営者であっても、性産業は「男性の論理」で商売しないと商品は売れないので、男性が男性に売るという構造は変わらない。
 すなわち
 男性 ⇒ 男性
 しか成立していないわけだ。この連関に入らないと、女性が性的サービスを自主的に売ることはできない。
 ここで前回出てきた、スーパー銭湯に併設されている、リラクゼーションを提供するマッサージについてはどうだろうか?実は個々の労働者がマッサージサービスを提供する場合も、業者を通じて行われている。ただしマッサージサービスを提供する業者は、別に男性であっても女性であってもかまわないし(男女平等が実現していないので、実際のところは男性経営者が圧倒的に多いのだろうが)経営が男性オンリーに向いているということもない。よって業者が介在していても
  男性 ⇒ 女性
  男性 ⇒ 男性
  女性 ⇒ 男性
  女性 ⇒ 女性
 の四つが平等に成立する。

 ここに、女性⇒男性であるような関係性のように見えて、実は男性⇒男性であるという倒錯したところに、性産業の本質があり、そしてそれが性産業が女性差別である、あるいは構造的に女性差別を内包しているし、せざる負えないということではなかろうか?
 加えてリラクゼーションを提供するマッサージ業の場合、サービス提供者は業者と雇用関係を結んでいるケースが多い、いわゆる雇用労働者である(そうでない場合もある)のに対し、性産業の場合、業者とサービス提供者(ワーカー)との間に雇用関係を結んでいるケースはほとんどない。ワーカーの立場は個人事業主である。これは雇用関係を結ぶに当たり、労働内容を明記しなけれなならないからであるが「性的サービスの提供」を労働内容にするわけにはイカンということがあるのだろう。
 業者はあくまでも「場」を提供しているだけなのだ。近年は店舗を構えない「デリバリータイプ」の性産業も盛んであるのだが、その場合業者は性的サービス提供の「機会」を提供しているだけということになる。だから大抵のセックスワーカーは「自分は男性に対してサービスを提供している」という意識になる。(もっとも大抵のサービスを提供する人は、会社に対して自らの労働・サービスを売っているという意識にはなりにくく、「お客様にサービスを提供している」意識を持っている人が圧倒的だろう)

 「セックスワーク論」あるいは「セックスワーク論者」が、実際の性産業で起こっている差別・抑圧関係への批判に欠けている(あるいは乏しい)といわれる原因は、このへんの仕分けがきちんとできていないからだろう。
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

あるみさんとは

あるみさん

左翼、時々テツ!ちょっぴり萌え系…白系共産趣味ブログであったが、どうも本人のスピリットは赤か黒らしい。闘争・集会ネタが主。主戦場は沖縄・辺野古。
 もとネタは、鉄道むすめのメットキャラ「金沢あるみ」さん。フィギュアを手に入れ、メットを白く塗ったりして遊んでいた。「あるみさん」つながりで「すのこタン。」も要チェック!
 「侵略!イカ娘」からはまったのは「ガールズ&パンツァー」…梅田解放区の隠れ「ガルパンおじさん」でもあるが、今は「はたらく細胞」の「血小板ちゃん」にハマり(おいおい)人間が朝の6時に起きれるか!という謎のコンセプトで生きている。

メールは、nishihansenあっとyahoo.co.jpまで(あっとを@に変更して下さい)
ではでは(^^)

最新コメント
タグ絞り込み検索
  • ライブドアブログ