コーヒーや紅茶に角砂糖を入れると溶けるが、ほっておいても溶けた砂糖が再び凝集して角砂糖になることはない…実はこれも「エントロピー増大則」なのである。砂糖が固まった角砂糖の状態では、圓トリピーは低いのだが、それがコーヒーや紅茶に溶けるということは、エントロピーが高い状態になるということで、これを”元に戻す”すなわちエントロピーが低い状態にするためには、大量のエネルギーを使わなければならない。
で、「気候変動に対応する!」と称して、やみくもにエントロピー増大則に挑戦したがる愚かな科学者、技術者が世界にはわんさかいて、もう大変だ…あまり知られていないサイトから2つばかり紹介する。
大気中から年間100万トンのカーボンを固定するカーボン回収施設
(前略)ギリスのCarbon EngineeringがStoreggaと共同でスコットランド北東部に建設を計画しているDAC施設は、大気中の二酸化炭素を年間50万~100万トン回収することを目指している。
で、空気中から二酸化炭素を固定するだけでは飽き足らず、海水中から取り除こうと考える輩もでてきた。
年間数十億トンの二酸化炭素を海水から抽出、固体の鉱物にして永続的に貯留する手法
(前略)この技術は、原料を継続的に流路に流し込み流通(フロー)させながら反応物を生成するシステムであるフローリアクターを組み込んだものだ。海水はメッシュを通過することで電荷を帯び、アルカリ性になる。これがきっかけとなって一連の化学反応が始まり、最終的には、海水に溶けている二酸化炭素が海水に含まれているカルシウムやマグネシウムと結合し、貝殻の形成と同じプロセスによって、石灰石やマグネサイト(菱苦土石)が生成される。その結果、流れ出る海水は、水中に溶けていた二酸化炭素が減少し、より多くの二酸化炭素を吸収できる状態になる。また、この反応により、固体の鉱物以外の副産物としてクリーンな燃料である水素も生成される。(中略)
研究チームは、このコンセプトを実現するために必要な材料やエネルギーの投入量とコスト、そして、副産物をどう処理すべきかを詳細に分析した。炭素問題の巨大さを考慮すると、当然のことだが、毎年100億トンの二酸化炭素を回収するには約1800基のsCS2プラントが必要で、そのコストは数兆ドルになると試算された。(以下略)
やってることは単純な化学反応なのだが、それを大規模プラントで無理やり起こそうというシロモノ…毎年100億トンの二酸化炭素を回収するのに役1800基のプラントと数兆ドルのコストがかかると”資産”しているのだが、問題はコストじゃなくて投入エネルギー量…いくら水素も生成できるといっても、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムが出来る過程でちょっとだけできるだけ。おそらく投入エネルギー量は、1800基のプラントを建設する分もふくめて莫大な量になる。その膨大なエネルギーは、太陽光などの「再生可能エネルギー」から得る、もしくは「原子力発電」であるから問題ナシと考えているのではあるまいか…仮にそれで良いとしても以下同文…
紹介したサイト、技術者派遣を大々的に行っている某企業が出しているようなのだが、こんな「反科学的」な技術をさもすばらしいものであるかのように伝える企業が悪いのか、それともそれに疑問を持たない技術者が悪いのか、まったく興味はつきないが、いずれにしても科学や技術で飯を食おうという人間が、こんなクソ技術を”賞賛”したり、ましてやかかわってもイケナイのである。
で、「気候変動に対応する!」と称して、やみくもにエントロピー増大則に挑戦したがる愚かな科学者、技術者が世界にはわんさかいて、もう大変だ…あまり知られていないサイトから2つばかり紹介する。
大気中から年間100万トンのカーボンを固定するカーボン回収施設
(前略)ギリスのCarbon EngineeringがStoreggaと共同でスコットランド北東部に建設を計画しているDAC施設は、大気中の二酸化炭素を年間50万~100万トン回収することを目指している。
2026年の稼働を目標とするこの大規模DAC施設は、工業用冷却塔をモデルにした大きな構造物のエアコンタクター(air contactor)に大型のファンで空気を引き込み、空気中の二酸化炭素を水酸化カリウム溶液と結合させて回収する。二酸化炭素を吸収し生成された炭酸カリウム溶液は、ペレット反応炉(pellet reactor)で水酸化カリウムと炭酸カルシウムペレットとに分けられる。水酸化カリウムはエアーコンタクターにリサイクルされ、炭酸カルシウムペレットは煆焼炉(かしょうろ:calciner)で加熱されて二酸化炭素が分離される。分離された二酸化炭素は不純物が取り除かれ、海底に設けられた貯蔵設備にポンプで送られる。このDACプロセスにより、大気中の二酸化炭素の4分の3が除去できるという。(以下略)
工業用冷却塔をモデルにした大きな構造物のエアコンタクター(air contactor)に大型のファンで空気を引き込み、得られた炭酸カルシウムペレットは煆焼炉(かしょうろ:calciner)で加熱されて二酸化炭素が分離される。分離された二酸化炭素は不純物が取り除かれ、海底に設けられた貯蔵設備にポンプで送られる…云々というだけでアウトである。年間100万トンの二酸化炭素を空気中から「回収」するために、どれだけエネルギーを使うのか?これを計画している人たちは計算したことがあるのだろうか?まさかその膨大なエネルギーは、太陽光などの「再生可能エネルギー」から得る、もしくは「原子力発電」であるから問題ナシと考えているのではあるまいか…仮にそれで良いとしても、そこで得られるエネルギーをそのまま生産活動につかったほうが、よっぽど「化石燃料」の使用削減に貢献するはずだ。で、空気中から二酸化炭素を固定するだけでは飽き足らず、海水中から取り除こうと考える輩もでてきた。
年間数十億トンの二酸化炭素を海水から抽出、固体の鉱物にして永続的に貯留する手法
(前略)この技術は、原料を継続的に流路に流し込み流通(フロー)させながら反応物を生成するシステムであるフローリアクターを組み込んだものだ。海水はメッシュを通過することで電荷を帯び、アルカリ性になる。これがきっかけとなって一連の化学反応が始まり、最終的には、海水に溶けている二酸化炭素が海水に含まれているカルシウムやマグネシウムと結合し、貝殻の形成と同じプロセスによって、石灰石やマグネサイト(菱苦土石)が生成される。その結果、流れ出る海水は、水中に溶けていた二酸化炭素が減少し、より多くの二酸化炭素を吸収できる状態になる。また、この反応により、固体の鉱物以外の副産物としてクリーンな燃料である水素も生成される。(中略)
研究チームは、このコンセプトを実現するために必要な材料やエネルギーの投入量とコスト、そして、副産物をどう処理すべきかを詳細に分析した。炭素問題の巨大さを考慮すると、当然のことだが、毎年100億トンの二酸化炭素を回収するには約1800基のsCS2プラントが必要で、そのコストは数兆ドルになると試算された。(以下略)
やってることは単純な化学反応なのだが、それを大規模プラントで無理やり起こそうというシロモノ…毎年100億トンの二酸化炭素を回収するのに役1800基のプラントと数兆ドルのコストがかかると”資産”しているのだが、問題はコストじゃなくて投入エネルギー量…いくら水素も生成できるといっても、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムが出来る過程でちょっとだけできるだけ。おそらく投入エネルギー量は、1800基のプラントを建設する分もふくめて莫大な量になる。その膨大なエネルギーは、太陽光などの「再生可能エネルギー」から得る、もしくは「原子力発電」であるから問題ナシと考えているのではあるまいか…仮にそれで良いとしても以下同文…
紹介したサイト、技術者派遣を大々的に行っている某企業が出しているようなのだが、こんな「反科学的」な技術をさもすばらしいものであるかのように伝える企業が悪いのか、それともそれに疑問を持たない技術者が悪いのか、まったく興味はつきないが、いずれにしても科学や技術で飯を食おうという人間が、こんなクソ技術を”賞賛”したり、ましてやかかわってもイケナイのである。