6月1日、辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動が主催するドローンから見た沖縄・辺野古~今何が起きているのか~ 奥間政則さんの講演会に参加してきた。
 主催者あいさつの後、奥間さん自身による自己紹介などから始まる…奥間さんは今でこそ「沖縄ドローンプロジェクト」を主宰する個人として(これも組織が手を引いちゃったエグいお話しがあるのだが、本題から離れるので省く)辺野古新基地建設反対闘争や沖縄の軍事要塞化に反対する運動の中心的人物であるが、大昔は基地問題とかには関心がなかった…1996年の米兵による「少女暴行事件」…これによる沖縄県民の怒りが、SACO合意、普天間移設(辺野古への移転)をもたらした大問題であったにもかかわらず、自身はキャンプ・ハンセンでの工事の現場代理人(土木工事における現場責任者で、予算、工程、現場などの様々な管理業務において権限を持つ)であったため、関心を持つことはなかったそうな。
 2012年にオスプレイ配備問題で沖縄が動いたが、そこでも動かず、2015年、ハンセン病(自分の親がハンセン病で隔離されたりしていた)の差別問題を知ることから「国策に反対する」ということで、辺野古新基地建設反対に動き出したのだそうな。もちろん、ハンセン病の件でも動いていて、奥間さんはそういう方面でも「本土」へ講演に出かけまくっている…スケジュールはいっぱいいっぱいにつまっている。そうしたところで、沖縄の基地問題についても話をしているそうだ。
 ところでハンセン病については、そういった「語り部」的な活動にも補助がでるそうなのだが、奥間さんの場合「基地問題」の話をするので、それは逸脱しているとして補助がおりない…これもひどい話で、ハンセン病は抵抗力の弱った人が発病する…だから子どもが発病するケースが多いそうなのでが、沖縄では沖縄戦で痛めつけられた人々の青年期の発病が増えた、奥間さんの両親もそうであったそうな…ハンセン病と戦争は関係があるのだ!なぜ補助が出ないのだ!と怒っておられた。
 怒りは、政府・首相にも…昨年の6月23日「慰霊の日」、追悼式会場で岸田前首相に向かって抗議の声を上げる奥間さんの映像(現地のマスコミが撮影)したものが流される…安倍元首相「暗殺」や、岸田首相演説への爆発物投げ込み事件などで警備が厳しくなっているなか、具志堅隆松さんがハンストするテントも張ることが出来ず、代わりに奥間さんが抗議の声を上げたのだそうな。
 その他、ジェノサイド防止条約には日本は参加していない(参加すれば過去の虐殺問題が掘り起こされるため…)や、沖縄・西日本の軍拡に反対するといいながら、沖縄・離島をないがしろにしている運動のあり方への批判、三上智恵氏への批判を行いながら、「本題」に入られた…いろいろ言いたいことがあって話が飛び「レジュメ通り」に進まないのが、奥間さんの講演である。
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 ともかく、ドローンで撮影された大浦湾での工事で「濁り水」が出ていることや…

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 与那国島の惨状…自衛隊が着た一方で、保育所もなくなる、介護施設もなくなる、医師の覇権もなくなるというニュースが流れる…そんな中で、湿地に軍港を作る計画が進められる(これはもうすでに出来上がっている図面をマップに落として作成したもの…図面ができあがっているということは、これをこのまま進めていくということだ!)

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 宮古島ではPAC3が展開され(しかし”Jアラート”が鳴った時、台風で展開されなかったそうな)

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 石垣島では弾薬庫が検察されている…弾薬庫の前方には土塁があって爆発の時に備えているのだが、住宅がある後方には何もない…防衛局に問い合わせると「爆発は起きない」という答え…なんじゃこりゃ!

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 この前の「土砂全協」の依頼で撮影した奄美大島の状況も紹介された。

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 種子島の隣、馬毛島に建設されている自衛隊施設についても説明がある…辺野古の新基地よりもでかい!辺野古に気を取られて、馬毛島の軍事要塞化を見過ごしてはならないと警鐘を鳴らされた。

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 その辺野古、大浦湾に展開する地盤改良船…6隻ぐらいきているそうな。

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 工事の進め方や、その過程でなぜ「濁り水」が出てくるかの説明…ちなみに「濁り水」の規制は、人為的に加えられるSS(懸濁物質)は2㎎/ℓと、実は非常に厳しい…目視で「濁り水」が確認できるのは、そこにSSが100㎎/ℓは含まれているのだそうな。
 軟弱地盤の設計問題、例えば震度2とか3で護岸が崩壊するといった問題は、過去の辺野古新基地建設問題を問う裁判で”証拠”として提出されたりしているのだが、裁判自体、入口論(原告資格があるかどうか…とか)で門前払いをくらっているので、これ以上だせない。ところが今進められている住民訴訟では、この濁水問題は使えるとのことである。その他、軟弱地盤改良工事のお話しもされた。

 また、ドローン規制について、ドローン規正法で例えば基地の真上とかは飛べないが、規正法がかかっている場所を示すアプリを使って、そこからギリギリ外れた場所から撮影をしているということだ。もっとも、真上から近づくことができた時代は、工事作業員の表情まで見えるくらい肉薄できていたのが(安全帯をちゃんと装着しているかどうか?労基法・安衛法に違反していないか?までチェックできた)、今では遠くから概要しかわからないような画像しか撮れないということである。
 関連して「土地規制法」について、政府は土地規制法にかかる範囲をネットで公開している…これは不動産取引に使うためのものだ…全国、米軍基地や自衛隊基地があるところは、全て規制区域に入っている。与那国島など、全島、規制区域だ。
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 一連の講演が終わった後、質疑応答…ドローンへのジャミング対策について、ドローンの規正法により各ドローンにGPS発信装置がつけられているので、奥間さんのドローンが発信したことは、例えば現場の海上保安庁にはすぐにわかる…やっていると、船で近づいてきて「妨害電波」を発信する、そうするとドローンが前に進まなくなる。こうゆうのは、今のところ知恵でコツコツと対応するしかない。
 沖縄以外の、全国の自衛隊基地などでドローンを飛ばす改革があるか?については、もちろんそのつもりである。京都・祝園の弾薬庫建設予定地で撮りたいという意向であった。ただ、今ドローンは届出だけで飛ばすことができるが、国家ライセンスを持てというようになった場合、どうするか?また今使っているドローンのメーカーサポートが無くなったというお話も。
 ハンセン病の問題…死後も「墓に入れない」という差別を受けてきた、そうした国策に対する怒りがある!これからもこの運動…基地問題とハンセン病…も続けていくとおっしゃられた。
 最後に、辺野古ブルーひょうごで、辺野古でカヌーによる阻止行動を続けている小野さんからあいさるがあり、奥間さんとの出会いや、この話を聞いて「いい話を聞いた」で終わるのではなく、辺野古現地に行き、カヌーに乗り、ゲート前に行って欲しい、また毎週土曜日、三宮マルイ前で13時から14事案で行っている「辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動」に参加して欲しいと訴えられて、集会は終了した。