いただいた資料には「身近に潜むPFAS汚染」大阪、兵庫、岡山の事例…とあったので、これを紹介する。
はじめに、PFAS(ピーファス)とは有機フッ素化合物の総称である。PFASは耐熱性、耐薬品性にすぐれているため、フライパンの焦げ付き防止や、車のワックス、そして(米軍が使う)泡消火剤など様々なものに使われている。一方、自然に分解されにくく「フォーエバーケミカル」と呼ばれており、一部のPFAS…PFOA(ピーフォア…カルボン酸が含まれる)やPFOS(ピーフォス…スルホン酸が含まれる)、PFHxSは人体に蓄積されやすく有害性が指摘されている。
大阪でのPFAS汚染は、摂津市のダイキン工業淀川製作所からのもの…ダイキン工業はエアコンメーカーとして有名であるが、それとは別に商品として2012年までPFOAを商品として製造していた。なお、現在PFOAの使用・製造は禁止されているが、PFOAの代替物質もまたPFASなのだそうな。
2019年の環境省調査で、ダイキン工業淀川製作所近くの井戸水から、1855.6ng/L(ナノグラムパーリットル…ナノですよナノ!)が検出された。これは全国ワースト1の数値だ。2020年、環境省は河川・地下水における「暫定指針値」を50ng/Lとし、水道水などの飲み水の「暫定目標値」も50ng/Lとしているが、それの37倍以上の値である。また50ng/Lという値も、専門家からみれが高い値だそうな。
ダイキン工業では昨年12月から地下水汚染を食い止めるため、淀川製作所の周辺を遮水壁で取り囲む工事を開始し、敷地内で地下水をくみ上げ、PFASの除去を行っている。また9月~12月に、京都大学が大阪府民約1000人を対象に血液検査を行い、459人の中間発表ではそのうち28%の人が、20ng/mlを超えていた…20ng/mlは、健康に影響がでる「要注意」ラインなのだそうな。また今月中に1000人全員のデータがでそろうとのことである。
兵庫県の明石市、2019年に明石川では105.4~145.6mg/LのPFASが検出された。丸尾牧、兵庫県議が汚染源を独自調査したところ、明石川の流域に産業廃棄物最終処分場があり、PFASを含んだ様々なゴミ(あらゆるものに使われているから…から浸出しているのだろうということだ。また丸尾県議は地震の政務活動費を使って、2023年夏、明石市民9人、尼崎市民10人の血液検査を行った。平均値は26ng/ml、5人が20ng/mlを超えていた。明石市水道局は2020年度から、活性炭の交換頻度を4年に1回から、年1回に増やして汚染に対応している。
そういった「使用済み活性炭」が山中に山積みされているところからPFOAが流出し上水道の水道水に混入したのが岡山県、吉備中央町でのケースである。給水エリアには約1000人の住民が住んでいる。吉備中央町の水道課は2020年に800ng/Lを検出していたが、対策を取らず、水道統計には1ng/L未満と虚偽報告していた。2021年には1200mg/L、2022年には1400mg/L検出されている。
京都大学が住民27人の血液検査をしたところ、全員が20ng/ml超え、平均値は186.4ng/mlであった。また住民のうち半数程度に、流産、肝機能障害、甲状腺疾患、腎盂腎炎などの症状があるという。
PFASを摂取しないためにはどうしたらよいか?まず、自治体に「水道水のPFAS検査はしているか」問い合わせてみる…環境省が全国を調査中である。自宅の水道には浄水器を設置し、安全性がはっきりしない井戸水は飲まない…湧き水なんかを汲んできても、そこに混ざっている可能性がある。PFASは色もにおいもないので、高濃度に混ざっていてもわからない。また汚染されている河川の魚は食べない、身の回りのPFAS使用製品を減らす(すごく難しい)、またアクロバットで「献血をする」というのもある…これまで蓄積されたPFASの血中濃度を下げることができるそうだが、輸血される側はいい迷惑だろう…一定の年齢以上になったら、かなりPFASが蓄積していると思った方がよいとのことでそうな。
最後は、PFASはどこにでもあります。正しく恐れて身を守ろう…ということであった。
Y!ニュースで大阪府での1000人の血液検査の結果について、幸田泉さんの記事が出ました。
大阪のPFAS汚染で府民1000人血液検査の結果発表。3割が「要注意ライン」超えの濃度
(前略)大規模な血液検査は京都大学大学院医学研究科に予算がついたことで実現。「大阪PFAS汚染と健康を考える会」(大島民旗代表)が結成され、昨年9月~12月、大阪民主医療機関連合会(大阪民医連)が血液採取を行った。
大阪府在住か職場が大阪府内の人を対象に1190人を検査。摂津市在住が183人、摂津以外の大阪府内在住が1001人、兵庫県在住が6人。年齢は15歳~93歳で、平均年齢は63.1歳。1万種類以上あると言われるPFASのうち、利便性の高さから普及度が高いPFOA、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸、ピーフォス)、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)、PFNA(ペルフルオロノナン酸)の4種類について、血中濃度のデータが公表された。
4種類の合計の平均値は17.7ng/ml(ngはナノグラム、10億分の1グラム)。内訳はPFOA6.7ng/ml▽PFOS6.8ng/ml▽PFHxS1.1ng/ml▽PFNA3.2ng/ml。米軍基地の泡消火剤に起因するPFOS汚染が問題になった東京都多摩地区の住民約800人の血液検査では、PFOSの血中濃度の平均値は10.3ng/ml、PFOAが3.7ng/mlだった。それと比較して、原田・准教授は「大阪はPFOAの値が高く、ダイキン工業淀川製作所が2012年までPFOAを製造してきた影響がまだ残っている」と分析。摂津市民183人に限ってみると、PFOAの平均値は9.8ng/mlと明らかに高い傾向があった。
約3割が「要注意」ライン超え
特殊な製品ではなく身近な日用品だったと思うが。
あるみさん
が
しました