TBS日曜劇場「VIVANT」…豪華なキャストとお金をかけたモンゴルロケ、目まぐるしく、そして驚くべき展開と伏線回収が続くこのドラマ…「豪華キャスト」につられて見ていた。(しかしハイライトである、乃木憂助(堺雅人)が別班を”裏切る”シーンの回は、北海道のTVのない安宿に泊まっていたため見逃し)なるほど、巷で話題になるぐらいエンタメとしてはすごく面白い!
 しかし公安や自衛隊「別班」が日本国家のためにテロ組織と戦う「正義の組織」であるという設定からして「あーそんなモンですか?」という違和感だらけではあるし(いわゆる「刑事もの」の影響か「名探偵コナン」にみられるようニッポンのエンタメって公安は「正義」っていう前提が多いな)最終回なんぞは、孤児院運営という“善行”のためテロ行為を請け負っていた”テロ組織”を完全不問にして、バルカ共和国(ドラマ上の架空の国)の”悪党”を排除し、ニッポン政府とバルカ共和国、そして”テロ組織”が、半導体産業に不可欠の資源をめぐってWin Winになる”見事な展開”に収束していくのをみて、「あーこりゃありえないなぁ~!」と思ってみていた。

 で、そんな違和感をうまく批評してくれているものを発見したので、ご紹介…ダイヤモンドオンラインより
ドラマ「VIVANT」の裏に極秘任務⁉最終回の役所広司のセリフに漂うきな臭さを”考察”
 ネットやSNSでさまざまな「考察」で大盛り上がりしたTBSの日曜劇場『VIVANT』が最終回を迎えた。
 これまでのさまざまな伏線が見事に回収された一方で、また新たな「謎」を示唆するようなシーンもあって、まだまだ考察を楽しんでいる人がいる。かく言う筆者もそのひとりで、最終回にあった不可解なセリフが気になって、ずっと考察を続けている。
 そのセリフとは、役所広司さん演じるテロ組織の指導者、ノゴーン・ベキが私腹を肥やすバルカ共和国(劇中の舞台となる架空の国)の悪徳政治家に平和を諭して、改心を促していた時のこんな発言だ。
 「日本では古くからありとあらゆるものに神が宿っていると考えられてきた。神はひとつではないという考えがあることで相手の宗教にも理解を示し、違いを超えて結婚もする。日本には考えの違う相手を尊重する美徳がある」
 このあからさまな「日本スゴイ」演説を聞いて筆者が感じたのは、『VIVANT』というドラマは実は日本人の愛国心を刺激して、自衛隊入隊者を増やすことを目的としたプロパガンダ・ドラマなのではないか、という疑念である。


 問題のセリフ、たしかに「八百万の神」を拝むニッポンは、昔から多様性を尊重し…云々というのはX(旧ツイッター)にもあふれている「日本スゴイ」系の言説で(それではなぜニッポンは入管問題や在日韓国・朝鮮人差別、LGBT差別などにまみれているのかさっぱりわからない)こんなものをなぜドラマ制作者がのほほんと重要なシーンのセリフにいれたのか、あきれてしまうものなのであるが…なるほど、「自衛隊(入退社を増やす)」プロパガンダ・ドラマだったということであれば、話は早い。
 そして、2ページ目でこう展開する
 そんなナチュラルなプロパガンダ臭は『VIVANT』からも漂ってくる。主人公が自衛隊の秘密組織「別班」というこれまでの日曜劇場にない設定だが、あからさまな「自衛隊のPR」という雰囲気はない。むしろ、規格外の予算、豪華キャストで「超娯楽作品」として仕上がっている。
 だが、『VIVANT』にハマれば確実に愛国心は刺激される。「日本を守る」ことに命をかける堺雅人さんや松坂桃李さんの演じる「別班たち」の活躍を見れば、「自衛隊かっこいいな」と感じる少年少女もいるはずだ。一般人の自衛隊への理解も深まる。

 もっとも、存在するのか否か明らかにされていない(一応公式には「存在しない」ことになっている)自衛隊の謎の組織、軍服も着ていない、戦車にも乗らず(ガルパンじゃねぇ!)災害救援で大活躍もしないドラマで「自衛隊かっこいいな」になるかは怪しいと思うのだが、自衛隊はともかく「公安かっこいい」「資源確保のため活躍するのはかっこいい」ぐらいにはなるだろう。

 本リンクはエンタメとプロパガンダについてもちょっと書かれていて、お勉強になります。

 おまけ(ネタばれつき?)
 最終回の一番最後、”テロ組織”の首領、ノゴーン・ベキ(役所広司)は自分を見捨てた公安警察の元上司に対する復讐を試みるのであるが、「別版」乃木憂助らに阻まれ、命を落とす…いやぁ~最後の復讐ぐらい貫徹させてやれよ!悪は滅びよ!でいいんじゃね⁉
 もっとも、このドラマは続編も期待されているので、ひょっとしたら「ノゴーン・ベキは生きていた⁉」で続編は彼の復讐もテーマに語られるのでは?おそるべきTBS日曜ドラマ…