1月28日、埼玉県八潮市の道路が突然陥没して大穴が開き、トラックがその中に転落…31日夕方現在、運転手がいまだ救出されていないという事故が起こった。道路の穴はどんどん広がり、幅が40mにも達しているそうだ。また穴の中に土砂や瓦礫が入りこみ、下水も流れているので救出作業も困難をきわめているという。
道路が陥没した原因として、下を通っている下水道管が劣化して穴があき、そこに道路下の土砂が流れ込んでスカスカになっていたためと考えられている。そう、下水道というインフラ設備が劣化し、その点検や補修がおいつかなくなって起こった事故なのである。国土交通省も緊急で同様の下水道施設について緊急の点検を行うよう要請し、各地の自治体も動き出している。
しかし老朽化したインフラ設備の点検・補修にお金をまわさないとイケナイ時代なのに、防衛予算に8兆7千億円も使い、リニア中央新幹線や北海道・北陸新幹線の建設・延伸、さらには高速道路その他新規のバイパスなどの整備、万博・カジノなどにお金をつかうのは間違っているのだ。石破政権は軍拡にカネを使うのではなく、インフラ点検・補修にカネをまわせ!
ただ本記事はそういったことではなく、下水道管については橋やトンネルなどと違い、やっかいな問題があるということを書く。下水道は地中にあり、普段から水が流れているので点検や補修が困難であるということもあるが、もう一つは下水そのものによって構造物が劣化するのである。
手元にある「コンクリートの診断技術’06 基礎編」(日本コンクリート工学協会 2006年1月)によれば、その54ページにこんな記述がある。
下水道関連施設においては、一般に微生物腐食と呼ばれる劣化が生じることがある。下水中に含まれる硫酸塩や含硫アミノ酸が嫌気性細菌である硫酸還元最近によって還元され、硫化水素が生成される。この硫化水素が流水の乱れ等により気相中に放散されると、好気性細菌であるイオウ酸化細菌によって酸化され、硫酸が生成される。この硫酸がコンクリートを浸食するというメカニズムである。
また55ページにはこんな記述もある。
硫酸浸食においては、硫酸との接触によりコンクリートは酸としての作用を受け浸食するとともに、酸が内部へ進行しNaOHやKOH、Ca(OH)2で中和されたときには、硫酸塩としての作用による侵食が生じるため、非常に激しい侵食となる。
ナトリウム、カルシウム、マグネシウムの硫酸塩がセメント中の水酸化ナトリウムと反応して「二水せっこう」を生成し、それがさらにセメント中のアルミン酸三カルシウム(アルミニウムを含んだカルシウム化合物)と反応して「エトリンガイト」という膨張性のある物質を生成する。傍聴性があるのでそれが大量に生成すれば、コンクリート構造そのものが破壊され、ひび割れが入ったりするわけだ。
下水道のコンクリート管は、下水由来の硫酸および硫酸塩による劣化をうけるということである。また、下水道内の空気にも硫化水素その他の有毒ガスが含まれていることがある(大阪・夢洲の万博会場みたい)ので、人が入って点検を行うのも困難であるというわけだ。なお、コンクリートが硫酸や硫酸塩によって劣化しないよう、あらかじめもしくは補修工事で、コンクリート管内面に樹脂製の塗料・保護層を塗り付けておくという対策がある。
また硫酸塩によるコンクリート劣化は下水菅のみならず、硫酸塩を含む土壌の上に建てられた建物の布基礎コンクリートや壁のコンクリートがが、硫酸塩によって劣化するという事例も見られる。そういった土質の土地は、日本には広く存在する。
以上・硫酸および硫酸塩によるコンクリート劣化について説明した。これ「コンクリート診断士」の資格試験で出るからね‼
道路が陥没した原因として、下を通っている下水道管が劣化して穴があき、そこに道路下の土砂が流れ込んでスカスカになっていたためと考えられている。そう、下水道というインフラ設備が劣化し、その点検や補修がおいつかなくなって起こった事故なのである。国土交通省も緊急で同様の下水道施設について緊急の点検を行うよう要請し、各地の自治体も動き出している。
しかし老朽化したインフラ設備の点検・補修にお金をまわさないとイケナイ時代なのに、防衛予算に8兆7千億円も使い、リニア中央新幹線や北海道・北陸新幹線の建設・延伸、さらには高速道路その他新規のバイパスなどの整備、万博・カジノなどにお金をつかうのは間違っているのだ。石破政権は軍拡にカネを使うのではなく、インフラ点検・補修にカネをまわせ!
ただ本記事はそういったことではなく、下水道管については橋やトンネルなどと違い、やっかいな問題があるということを書く。下水道は地中にあり、普段から水が流れているので点検や補修が困難であるということもあるが、もう一つは下水そのものによって構造物が劣化するのである。
手元にある「コンクリートの診断技術’06 基礎編」(日本コンクリート工学協会 2006年1月)によれば、その54ページにこんな記述がある。
下水道関連施設においては、一般に微生物腐食と呼ばれる劣化が生じることがある。下水中に含まれる硫酸塩や含硫アミノ酸が嫌気性細菌である硫酸還元最近によって還元され、硫化水素が生成される。この硫化水素が流水の乱れ等により気相中に放散されると、好気性細菌であるイオウ酸化細菌によって酸化され、硫酸が生成される。この硫酸がコンクリートを浸食するというメカニズムである。
また55ページにはこんな記述もある。
硫酸浸食においては、硫酸との接触によりコンクリートは酸としての作用を受け浸食するとともに、酸が内部へ進行しNaOHやKOH、Ca(OH)2で中和されたときには、硫酸塩としての作用による侵食が生じるため、非常に激しい侵食となる。
ナトリウム、カルシウム、マグネシウムの硫酸塩がセメント中の水酸化ナトリウムと反応して「二水せっこう」を生成し、それがさらにセメント中のアルミン酸三カルシウム(アルミニウムを含んだカルシウム化合物)と反応して「エトリンガイト」という膨張性のある物質を生成する。傍聴性があるのでそれが大量に生成すれば、コンクリート構造そのものが破壊され、ひび割れが入ったりするわけだ。
下水道のコンクリート管は、下水由来の硫酸および硫酸塩による劣化をうけるということである。また、下水道内の空気にも硫化水素その他の有毒ガスが含まれていることがある(大阪・夢洲の万博会場みたい)ので、人が入って点検を行うのも困難であるというわけだ。なお、コンクリートが硫酸や硫酸塩によって劣化しないよう、あらかじめもしくは補修工事で、コンクリート管内面に樹脂製の塗料・保護層を塗り付けておくという対策がある。
また硫酸塩によるコンクリート劣化は下水菅のみならず、硫酸塩を含む土壌の上に建てられた建物の布基礎コンクリートや壁のコンクリートがが、硫酸塩によって劣化するという事例も見られる。そういった土質の土地は、日本には広く存在する。
以上・硫酸および硫酸塩によるコンクリート劣化について説明した。これ「コンクリート診断士」の資格試験で出るからね‼