24日に処理水放出開始 岸田首相が表明
岸田文雄首相は22日午前、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に関する関係閣僚会議で、24日に放出を開始すると表明した。風評被害対策や漁業者支援に政府を挙げて取り組む姿勢も強調した。9月1日に福島県沿岸の沖合底引き網漁が解禁される前に放出を始め、放射性物質の濃度などモニタリングのデータを公表する方針だ。
首相は関係閣僚会議で「現時点で準備できる万全の安全確保、風評対策、生業継続支援策を講じることを確認した」とし、東電に処理水の放出を求めると表明。時期については「気象・海象条件に支障がなければ8月24日を見込む」とした。
さらに「風評影響や生業継続に対する不安に対処すべく、たとえ今後数十年の長期にわたろうとも、処理水の処分が完了するまで政府として責任をもって取り組む」と強調した。(以下略)
「処理水」と銘打っているが、ためられた水は事故でメルトダウンした核燃料に触れた「汚染水」である。通常の原発から排出される水(それでも放射性物質・トリチウムを含む)とは全く違う。またALPSで処理をしたうえで放出するというが、トリチウム以外の放射性物質も取り切れずに残っている。こんなものを大量に、しかも事故処理が終わるまで何十年も!環境中に排出させるわけにはいかない。
汚染水は大型のきちんとしたタンクを作ってため続けるか、モルタルで固化して保管するという方法もあるのだが、そういった代替案もろくに検討されていない。そして何よりも政府と東電は2015年に「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と文書で約束しているにもかかわらず、その理解は得られていない。海で仕事をする漁師さんたち、県漁連や全漁連もいまだ海洋放出に反対である。岸田首相は先日、福島に赴き「処理水」の放出準備譲許を視察したりしたのであるが、地元の県漁連の人とは合わず、東京に帰ってから全漁連の会長と面談し「放出反対であるということはいささかも変わりない」が「われわれの理解は進んできている」という回答をもって、汚染水海洋放出を強行するのである。(産経新聞)結局は約束を反故にしたのである。絶対に許してはならない。
政府は「風評被害」について「全責任をもって対応する」と言っているが、早くも中国が食品の輸入規制を強化することを示唆している。日本政府の「反論」が聞き入れられず輸入規制が始まれば、あるいは世界中の民衆が日本近海の海産物などを「自主規制」して消費が落ち込めば、それは「風評被害」ということになるのだろうが、そういったものまで政府はちゃんと補償するのか⁉また海はつながっているから、日本や中国・韓国だけでなく、太平洋に面する多くの国々、人々に影響するものだ。そういった人たちに「風評被害」あるいは実害がでたときにも、ちゃんと補償ができるのか‼
海に放射性物質を垂れ流してはならない…これが大原則である。
汚染水の海洋放出を強行する岸田政権を打倒しよう!
(参考)【Q&A】ALPS処理汚染水、押さえておきたい14のポイント