たたかうあるみさんのブログMKⅡ

み~んなそろって、闘争勝利!でもやっぱりメットは、白でしょ⁉ということにしておこう。

容量がいっぱいになった「たたかうあるみさんのブログ」を移動して、2020年7月に新たに開設した、共産趣味鉄道ヲタブログ⁉…旅行、萌え系ネタ⁉もあります。

2022年01月

1・23 大阪アメリカ総領事館前 スタンディング&リレートークのよびかけ

 こんなのがMLで流れてきたので、拡散呼びかけ!
米軍基地からのコロナ感染拡大を糾弾する!日米地位協定を抜本改正せよ!
1・23 大阪アメリカ総領事館前
スタンディング&リレートークのよびかけ
 各位
 連日の活動、たいへんお疲れ様です。
 年が明けて全国的に急速に新型コロナ感染が拡大する中、感染拡大の大きな原因として、米軍基地からの感染が指摘されています。沖縄・岩国で、また岩国米兵が遊びに行く広島で爆発的な感染拡大が起こり、全国の米軍基地の周辺でも拡大の兆しがあります。さらに関西でも米軍Xバンドレーダー基地がある京丹後で米軍の感染者が出ています。
 これらの背景に日米地位協定があることを、沖縄や岩国をはじめ、米軍基地を押し付けられてきた地域の人々は強く訴えています。しかし岸田政権は、日米地位協定の抜本的見直しには触れずに、何の効果もない「お願い」でお茶を濁しています。
 私たちは黙っていられません。感染を拡大させた米軍に謝罪させ、これ以上感染を拡大しないよう最大限の対応を取らせなくてはなりません。また米軍を国内法に従わせるために日米地位協定の抜本改正のための世論を広範に作っていかなくてはなりません。
 多忙な中ではありますが、何とか一緒に声を上げて行きたいという思いで、下記のように、大阪アメリカ総領事館前スタンディング&リレートークをよびかけます。
 日時:1月23日(日)12時から  (13時までには終了)
 場所:大阪アメリカ総領事館前(淀屋橋駅から徒歩5分)
 内容:大横断幕を持ってのスタンディング、参加者のリレートーク、抗議文の確認 
※    プラカードや自前の横断幕など大歓迎です。一緒に抗議の意思を示していきましょう。
※    いちおうよびかけ側で簡単な抗議文を準備しますが、参加される団体・個人の抗議声明などもありましたら、ぜひ持参してください。
よびかけ:アジア共同行動・京都

ということで、アメリカ総領事館への抗議行動があります!その後はPLP会館のこっちの集会にも来てね(^^)//

レイシズムとは何かー梁英聖(その3)

 その2の続きである。
第三章 偏見からジェノサイドへ
 筆者は多様な形として現れるレイシズムを軽微なものから深刻なものへと5つのレベルに分け、下から上への並べた…1)偏見 2)偏見による行為 3)差別 4)暴力 5)ジェノサイド という「レイシズムのピラミッド」という図を示している。そして「偏見(レベル1)から差別行為(レベル3以上)への移行には「特に政治とモラル面で条件」がそろう必要がある」p95 と述べている。差別や偏見が、常に暴力やジェノサイドを引き起こすわけではない。移行をおさえる「反差別ブレーキ」と、差別を実行させる「差別アクセル」が存在するのだ。
 加害者の差別する自由を規制する効果…反差別ブレーキ
 差別行為やジェノサイドを実行させる効果を持つ社会的条件…差別アクセル
 この章では「差別アクセル」について述べられている。
 差別アクセルには、下の2種類がある。
利害関係…上司の命令による就職差別、外国人研修生に依存する労働、結婚差別など。最も強力なのが、資本主義経済の利害による差別アクセル
差別扇動…差別扇動こそレイシズムが人種化して殺す際のガキとなる権力関係。実行すればカネがもらえるわけでもなく、クビになるなど利害が絡まなくても、暴行、傷害、放火、埒、監禁、拷問、集団リンチ、レイプ、殺人に駆り立てるもの
 そして、暴力を取り締まる国家のブレーキを突破してまで暴力(レベル4)を振るうには、暴力を実現「可能に」し、実行者にとって暴力が「正当だと映るような条件」が必要であると述べている。 
 差別扇動としての差別アクセルについて
ヘイトスピーチ…レイシズムが暴力行為やジェノサイドになり人を殺す時の、実際にその支えになる言説。ヘイトスピーチが差別扇動であるのは、・人種を危険と結びつける・具体的な敵を名指しする・差別するマニュアルを提供するからである。
差別行為…これは実際に行われることで差別アクセルになり、他の誰かの差別行為の支えとなるものだ。
政治(特に国家)による差別扇動…レイシズムが社会防衛の名のもとに国家の暴力装置である軍隊や警察によって実践される。実例として、ナチによるホロコースト、ルワンダ虐殺、ソ連のグレートテロル、カンボジア大虐殺、関東大震災時の朝鮮人虐殺、沖縄戦での日本軍による住民集団強制死をあげ、関東大震災時の朝鮮人虐殺について詳細に論じている。この事件は、国家が朝鮮と「放火」「爆弾」所持などを結び付けたデマであるヘイトスピーチを全国に流布し、戒厳令を出した。ここで「朝鮮人」という人種は国家公認の殺すべき「敵人種」とされたのである。そして警察、憲兵が率先して朝鮮人を虐殺、検束した。これが庶民の虐殺行為を扇動したのである。
 なおジェノサイドに限らない政治による差別扇動もあって、トランプが二〇一六年大統領に当選して以降、FBIのヘイトクライム統計が急増、英国のブレグジット後もヘイトクライム統計は急増したという事例を上げている。(「反差別」のない日本には差別事件やヘイトスピーチ、ヘイトクライムの統計がないのであるが、朝鮮に対する差別政策をかかげ「慰安婦」を否定する差別主義者・安倍晋三が政権の座にいることで、差別事件、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムが日本社会にまん延したことであろう)
 なお、国家によるレイシズムは絶大な差別扇動効果を持つが、限界はあるものの国家は反レイシズム法制や政策によって差別、暴力行為を抑止することもできる「国家の両義性」についても述べており、国家によるレイシズムの抑止については
第一 レイシズムが暴力以上に発展するか否かが決定的な意味を持つ。
第二 国家の行動は、レイシズム暴力をどれほど実効的に取り締まるかによって、社会のレイシズムの正当化を左右する効果を持つ…レイシズム暴力を国家が放置したり、暴力一般より寛容さをみせるようなことがあれば、レイシズム暴力、レイシズムそのものに正当性を与える。
第三 国家の反レイシズム的行動は、極右への対処にも当てはまる。
とまとめている。
極右…極右は「レイシズムの発生」から「レイシズムの政治化」への移行(阻止)の決定的なカギを握る「差別アクセル」である。極右は差別、ヘイトスピーチを組織してレイシズムを暴力へと転化、選挙への政治進出、キャンペーンを通じて政治、国家の差別扇動に影響を及ぼす。社会を破壊するレイシズムの組織者なのだ。
 ところが日本では極右が可視化されない、なぜなら
第一 反差別が無いから、右翼と極右を引き裂く社会的圧力がない。
第二 反ファシズム運動の歴史的伝統も社会変革を成就するだけの強力な労働運動・社会運動がないので「敵」がおらず、わざわざ右翼と分裂して過激な極右になる動機に乏しい。
第三 国家が反差別の側に回ったことがなく、極右が反国家である必要にも欠ける。ある意味、普通の右派政党である「自民党」による政権が「極右」の政策を実行しているので、わざわざ極右になる必要もないわけだ。
 それでも日本にも極右は存在しており、彼らはヘイトスピーチをSNSで恒常的に発信する右翼政治家や日本軍「慰安婦」、問題をはじめ各種歴史否定をネタにする「ヘイト本」やブログ記事を乱造する右翼作家などの「亜インテリ」や、ヘイト街宣やヘイトクライムを組織する「行動する保守」などの実行部隊である。彼らは
差別を暴力へと過激化させる…直接極右が加害者に命令を出したり、あるいは意思決定によって組織的に暴力を行う。
ヘイトスピーチを過激化させる
極右が組織を拡大し市民社会のレイシズム扇動に成功して影響力を持つと、選挙や議会進出によって国家がもつ巨大な差別扇動効果を左右する。
 のである。
 どう対抗するのか?「グラムシの陣地戦では「保守勢力も革新勢力もともにヘゲモニー実践に取り組み、両者はせめぎ合っている。その力関係は流動的であり、また諸勢力がそれぞれ内部分裂を起こしたり、複雑に離合集散する場合もある」。つまりこの錯綜する力関係のせめぎ合いのなかで、いかにして反レイシズム規範を勝ち取る闘争がヘゲモニー実践を効果的に行い、極右の差別扇動や組織活動を抑え込み、むしろ極右規制を社会に埋め込んでいけるかが問われる。」P122 と著者は述べている。(つづくよ)
レイシズムとは何か (ちくま新書 1528) [ 梁 英聖 ]
レイシズムとは何か (ちくま新書 1528) [ 梁 英聖 ]

NHKへの抗議街宣やるぞ!

 NHK大阪放送局の番組で、とんでもない捏造事件が明らかになった。毎日新聞1月9日より
NHKの河瀨直美さんの五輪番組、字幕に不確かな内容 21年放送
 NHK大阪放送局は9日、2021年12月に放送したBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」について、字幕の一部に不確かな内容があったと発表した。「五輪反対デモに参加しているという男性」と「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という記述について、実際に五輪デモに参加した事実が確認できていないと説明した。NHKのディレクターらの確認が不十分だったとして、視聴者におわびした。
 映画監督の河瀬直美さんは東京オリンピックの公式記録映画(22年6月に公開予定)の監督を務め、19年7月から撮影を進めた。番組はNHK大阪放送局の制作で、河瀬さんの撮影現場を長期にわたり密着取材し、21年12月26日に放送、同30日に再放送した。

 問題になった番組は放送後すぐ、反五輪デモ関係者他、様々な市民運動でデモ等を行ってきた人びとから批判されてきた。市民運動、とくに政権や行政のやっていることに批判的なものがデモとかに参加する人は、みぃ~んな交通費から何から何まで手弁当、自分持ちでやっている。「お金をもらって動員されている」なんてあり得ないわけだが、この放送はあたかも反五輪デモやその他の市民のデモ、運動がカネで動員された人がやっている、カネで人を集めているかのような印象操作をやったのである。
 しかもやったのは、NHKという公共放送だ!民主主義社会を運営していくうえで、デモや市民運動について適切な報道をしないとイケナイにもかかわらず、逆にデモや市民運動の評価を貶めることをやったのだ。断じて許すわけにはいかない。(もちろんこの番組、東京五輪の公式記録映画を監督、撮影している河瀨直美氏を”取材”した上でつくられており、その過程で河瀨氏や問題の男性を”取材”した者の態度がそのまんま番組になったともいえる。五輪を”翼賛”する河瀨氏が反五輪デモをどのように見ていたのか?ということも問われているのだが、ここでは置いておく)
 またNHKの”謝罪”についても、経営陣や責任者が出てきて頭を下げるでもなく、番組中に字幕のような形でながすのみ、また謝罪も河瀨氏ら東京五輪公式記録映画作成者に対するもののみで、視聴者や反五輪の会など市民運動をしてきた者に対する謝罪ではない。(参考:NHKの謝罪文
 こんなふざけたNHKには鉄槌を!ということで、抗議街宣を行うぞ!

     
 1月15日(土)13:00~
 NHK大阪放送局
 市民の意思であるデモの侮辱を許さんぞ!
 第三者機関で今回の捏造放送について調査せよ!
 視聴者および名誉を傷つけた市民運動関係者に謝罪せよ!

レイシズムとは何かー梁英聖(その2)

 前回のつづき
第二章 レイシズムとは何か
 まず最初に「レイシズムと言う言葉は人種差別を扇動して台頭するナチを批判する文脈で一九二〇年代末から亡命ドイツ人による言論活動によって生まれた。」p47,48
 「レイシズムとは、エスニック・グループに劣っている者と優れているものがあるというドグマ(教義の意)である。どれかの人種を絶滅させようとしたり、あるいは純粋に保とうとするのは、このドグマである。」(ベネディクト・ルース 一九四二年「人種とレイシズム」による批判p48 OECDのレイシズムの有名な用例)と定義を示してみる。その上で科学的レイシズムが否定されていることが紹介されている。ユネスコは「人種に関する声明」(一九五〇年)を出し、さらに「人種の本質と人種の違いに関する声明」(一九五一年)において、人類がホモ・サピエンスと言う単一の種であること「人種の生物学的な差異は存在しないと断言し、人種優越の理論をきっぱりと否定」「人種は生物学的現象ではなくて「社会的神話」であると強調していた。」戦後国際社会は全人類の約束事として科学的人種理論と人種差別を全否定したのである。その上で、
第一 人種差別としての「レイシズムとは何か」の答えは、人類が撲滅すべき絶対悪以外のものではありえない。
第二 人種差別の原因となる人種主義としての「レイシズムとは何か」という問いも、死活的な切実さを帯びて問われる…レイシズムには社会科学的な分析概念としての客観性が鋭く問われている。
第三 欧米では、十九世紀型の人種理論のような人種を用いた人種差別は、少なくとも公的には使えない。
第四 人種を使わずに実際には人種差別をするという、様々な高等戦術が編み出されるようになる。
と筆者は展開している。
新しいレイシズム
 英社会学者マーティン・バーカーは「社会的、歴史的な仮定の所産にほかならない集団分類を、生物学的、疑似生物学的にとらえる」理論や議論はレイシズムとみなせると説いた。「人種の代わりに、移民の文化を人種化したり入国管理と言うナショナリズムに依拠してレイシズムを扇動する新たな高等戦術を編み出したのだった。」p55
 フランスでル・ペンの国民戦線が台頭してきた一九八八年、タギエフ「差異主義的レイシズム」として分析「より抽象的で洗練されており、身体的な序列化と文化的差異の対比に重点が置かれている」と説いた。こういったレイシズムは「人種なきレイシズム」とされ、人種に触れない代わりに文化や差異を持ち出してレイシズムを煽る言説に転換したものである。
 また一九六四年公民権法後も、黒人をはじめ非白人の失業と差別は深刻で、ストークリー・カーマイケルは『ブラック・パワー』内で「制度的レイシズム」という概念を生み出している。黒人と白人の平均収入に格差があるのは誰も意図していないかもしれないが、市場原理と言うシステムが生み出した差別であって「レイシズムが政治的に信用を失い、法で禁じられ、科学者からもまったく評価されず、偏見が表に出される空間がほとんどなくなっても、制度の自然な傾向を食い止める政策が意図的に採られなければ、被差別集団の成員はいつまでも経済や政治空間の底辺労働にしか就けず、雇用、住宅、教育の領域で差別を受ける。」p58、59ことに注目させ注意を促した。「制度的レイシズム」とは単なる分析概念ではなく、ブラック・パワー運動からの戦略的問題提起として生み出されたものだ。
 このほか「現代的レイシズム」という、黒人の文化的・道徳的規範をとりあげる。人種隔離は過去のもので、差別禁止法もあるからレイシズムは「終わった話」だ、というレイシズムや「新自由主義的レイシズム」…平等の基準を市場原理に置いたうえで、形式的差別禁止の論理を全面的に受け入れるとともに、アファーマティブアクションを不当な「特権」として攻撃するタイプのレイシズムが紹介されている。後者において差別を正当化しているのは生物学的人種ではなく市場原理である。
 こういったレイシズム概念の拡張…「新しい」「文化的」「差異主義的」「制度的」「象徴的」「カラー・ブラインド」…様々な形容詞をつけたレイシズムという言葉は、概念のインフレ(概念をやたら拡張させ意味を高騰させる)とデフレ(概念のもつ社会科学的な説明力を減価させる)であるという批判も紹介されている。なお日本のような反レイシズムがほとんど存在しない社会で、これら欧米のレイシズムに関連する概念や理論を無批判に輸入することの危険性も指摘しており、輸入された知が、日本ではむしろ反レイシズム規範を打ち立てることを妨害する効果さえ持つことになると筆者は危惧している。
 さて、これらをふまえた上で改めて著者が示した「レイシズムとは何か」について
レイシズムは人種化する 人口を人種によって切り分けて、「生きるべき者と死ぬべき者を分ける」こと、これがレイシズムの第一の機能である。
レイシズムは殺す(死なせる)ヘイトクライムやジェノサイドさえ引き起こす、単なる「異人種」への差別ではなく、人口にとっての生物学的懸念を駆除する社会防衛の実践するものだ。「レイシズムは人種をつくり出し、生きるべきものと死ぬべきものとを分け、殺す。この恐ろしい機能が前近代にはない。」P76
レイシズムは権力である 権力とは、「リアルな力関係」であり、「レイシズムとは何か」という知を規定する権力関係―差別と反差別ーがあるのだ。それは以下に示したように
第一 人種差別が戦後国際社会によって闘って撲滅すべき社会悪とされ、法や機変で禁止されるという実践関係と切り離すことができない。「何がレイシズムで何がそうでないのか」の真偽を判別する「真理の体制」打ち立てる必要があること。
第二 レイシズムがなぜ、どのようにして実際の行為として特に暴力やジェノサイドなどの最悪の事態として現れるのか、という具体的な分析として問われねばならない。
第三 レイシズムの近代的形態がどのようなものであるかが極めて重要になる。
 からである。
 その上で本書はレイシズムと言う言葉を、ありもしない人種をつくりだし(人種化)、命を奪うレベルにまでそれ等人種差別行為に人々を駆り立てる権力という意味で用いると定義している。そして、レイシズムをイデオロギー・制度・主体として定義することを避け、権力として分析するのである。(つづくよ)
レイシズムとは何か (ちくま新書 1528) [ 梁 英聖 ]
レイシズムとは何か (ちくま新書 1528) [ 梁 英聖 ]

レイシズムとは何かー梁英聖(その1)

 以前絶対読もう!「レイシズムとは何か」で(レビューもするからね)と書いておいて長い時間たったが、ようやく準備が整った!ので開始。「はじめに」と第一章
はじめに
 まず二〇十九年八月三日にアメリカ、テキサス州で起こった、メキシコ人移民を狙った銃乱射事件の紹介から始まる。「いったい若き白人男性に、メキシコ系移民を侵略者だと思わせ…銃乱射事件を夢見るだけでなく、実際に計画させ、犯行声明を書かせ、自宅から一〇〇〇キロの道のりを一〇時間以上かけて車でドライブしてまで実行させたものとは何だったのか―。その答えこそ、レイシズムである。レイシズムとは単なる暴力ではない。レイシズムは最悪の暴力現象を組織する差別だ。」p5~6と述べている。「本書ではレイシイズム(racism人種差別/人種主義)が偏見や差別にとどまらず、最悪の暴力に結びつくメカニズムを分析するという課題に、正面から取り組む」p6とある。
 ところで、日本にレイシズムはあるのだろうか?このブログの読者の多くは「ある」と答えるだろう…朝鮮人差別、アイヌ差別、沖縄差別はすべてレイシズムである。一方、「日本にレイシズムがあるのだろうか?」という疑問そのものに、レイシズムが隠れている。日本人も朝鮮人の同じ「黄色人種」だということ自体がレイシズムである…人種など存在しない「生物学では遺伝的な意味で人類をサブカテゴリに区分できる人種は存在しないことが定説となっている。」しかし「人種は存在しないが、人種差別は存在する」のである。
 本書のテーマは
 1. レイシズムが偏見や差別にとどまらず。最悪の暴力に結びつくメカニズムを分析する
 2. ナショナリズムとレイシズムの接合を分析する
 3. 反レイシズムによってナショナリズムとレイシズムを切り離す
  ということだそうな。また問題は日本における「反差別」の側にもあって
 ① 反差別とは被害者の権利を守ることだ。当事者に寄り添うのが反差別だ
 ② 反差別とは加害者の差別を止めることだ。差別行為を禁止するのが反差別だ。
 日本には差別と闘う社会規範がない…②がないということが問題なのである。欧米では、①と②は反差別の両輪 ②の差別行為の禁止は①の被害者の権利回復の必要条件となる
 「本書は右の日本型反差別から脱却し、差別する権利・自由を否定する反レイシズム規範を日本社会でどのように打ち立てたらよいかという課題と向き合うための基礎となるレイシズムの入門書をめざした。」p13 ということである。

第一章 レイシズムの歴史-博物学から科学的レイシズムへ
 レイシズムはいつ生まれたのか、それは近代である。ただし中世からの異邦人嫌悪(ゼノフォビア)などとレイシズムは関連している「両者とも近代の資本主義社会と深くむすびついているという共通の了解がある」p19
 古代においては、奴隷も植民地も人種とはむすびついていなかった。中世ヨーロッパの反ユダヤ主義は、聖書がユダヤ教を「神殺し」の異教とするキリスト教に基づく差別であり、人種や血統に基づく「ユダヤ人」に対する近代以降のレイシズムとは異なっていた。コロンブス以降の先住民や黒人奴隷に対する差別やジェノサイドも、人種理論がベースになっていたわけではない。「奴隷が改宗しても解放されないことが一連の法で明確にされた」「奴隷になるのは異教徒であるからでなく、異教徒を祖先に持つことによるとされた」p27 直接肌の色や「人種」が使われたのではなく、「祖先」が異教徒だったことが差別の根拠とされていたのである。
 「人種」を科学に持ち込んだのは、スウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネだ。世界を動物・植物・鉱物そして綱・目・属・種 に分類した。人間はヒトという種「ホモ・サピエンス」としたのであるが、そのヒトを四つに分類したのである。もっともリンネの分類は、当時の地理学で地球は四つに分類されていたのを、それに当てはめたもので、近代的な意味での「人種」ではなかったそうだ。
 序列化された分類をしたのは、ヨハン・F・ブルーメンバッハである。人類をコーカソイド、モンゴロイド、アメリカ・インディアン、エチオピアン、マレーと五分類した。「白人が「神の理想」であり、そこから離れるほど退歩し、モンゴロイドとエチオピアン(アフリカ黒人)が最も「神の理想」から遠いとされた。」p31 のである。十九世紀に人種は、進化の発展段階と結びつけられ「有色人種は「ヒトという種」でありながらも、サルと人間(白人)の中間段階に位置する下等な亜種として位置付けられる。」p33 まだ非白人の劣等視は科学的な人種理論には結びついていないが、差別が「自然」によって正当化されはじめた。「社会」と「自然」をわけたうえで「自然」によって差別を正当化する。そして文明や美的な基準…あくまでもヨーロッパ価値観によるもの…で序列化したものが、近代的な差別である。また人種理論は、頭蓋骨や知能を「測定」する基準を提示し、劣った人種と優れた人種とに人類を分類するモノサシ機能を付与した。人類学者が頭蓋骨を収集してデータを取り、脳の容量を図ったりしたのだ。ちなみに本書には書かれていないが、近代日本の帝国大学が、アイヌや琉球人の遺骨を盗掘して収集していたのは、この研究の系譜につながるものであろう。遺骨を返還しないのは、レイシズムである!「ホッッテントット(現南アのコイコイ人の蔑称)のヴィーナス」という、人間の展示、見世物化したあげく、死後も解剖され、標本が見世物にされるということも起こっている。
 生物学的レイシズムは、教育や入国管理や犯罪捜査などに積極的に応用された。イタリアのチェーザレ・ロンブローゾ(犯罪人類学の祖)は、犯罪者や「売春婦」は生まれつきの遺伝であると主張し頭蓋骨の形状や足の指の形や入れ墨の有無や人相まで、あらゆる身体的特徴を犯罪と結びつけただけでなく、有色人種・女性・貧民階級を犯罪と結びつけたのである。
 十九世紀末には、社会ダーウィニズムが登場した。ハーバート・スペンサー、自然淘汰を社会の不平等の正当化や、社会の発展と結びつける。フランシス・ゴルトン(ダーウィンの従兄弟)は一八八三年「優生学」を提唱している。「社会ダーウィニズムによって、進化論の形式で社会を考える、社会の危険から社会を防衛するための理論としてレイシズムが活性化しはじめる。」p40 のである。
 ナチが参考にしたのは実は二〇世紀の米国であり、優生学を徹底的に実施したのである。米国は南北戦争後もジムクロウ法で人種隔離を合法化し、一九三一年まで三〇州で断種法が制定され、約一万二〇〇〇件の断種が行われている。ナチスの政治綱領をまとめた一九二〇年二月四日「二十五箇条綱領」にはレイシズムが明記、第四条には「ユダヤ人は国家の構成員たりえない」とある。ナチスの権力掌握後、一九三三年に断種法、三呉年には人種差別を体系化したニュルンベルク法が制定される。断種を実施し、人種間の婚姻を禁止、アーリア人とユダヤ人の法的な区別を詳細に決めたのだ。ナチが極大化させた二十世紀のレイシズムは、第二次世界大戦を引き起こし、ユダヤ人犠牲者六百万とも言われるジェノサイド、ホロコーストに帰結したのである!(つづくよ)
レイシズムとは何か (ちくま新書 1528) [ 梁 英聖 ]
レイシズムとは何か (ちくま新書 1528) [ 梁 英聖 ]




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左翼、時々テツ!ちょっぴり萌え系…「鉄道むすめ」から「侵略!イカ娘」、「ガルパン」そして「血小板ちゃん」という謎の進化を遂げる。白系共産趣味ブログであったが、どうも本人のスピリットは赤か黒らしい。闘争・集会ネタが主だが、鉄道・乗り鉄ネタ、完乗闘争の記録も。
 もとネタは、鉄道むすめのメットキャラ「金沢あるみ」さん。フィギュアを手に入れ、メットを白く塗ったりして遊んでいた。「あるみさん」つながりで「すのこタン。」も要チェック!
 人間が朝の6時に起きれるか!という謎のコンセプトで生きている。

メールは、nishihansenあっとyahoo.co.jpまで(あっとを@に変更して下さい)
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