昨日1月23日、PLP会館会議室で行われた辺野古新基地建設反対!琉球弧への自衛隊配備を許さない集会とデモに参加してきた。主催は「STOP!辺野古新基地建設!大阪アクション」である。沖縄から元沖縄平和運動センター議長の山城博治さんを招いて講演してもらう予定であったが、コロナ感染拡大を受けてリモートでの講演となった。川口真由美さんの歌も予定されていたが、川口さんが出席を控えられたため中止となったものである。
 集会は14時開始、リモートで山城博治さんとつながる。山城さんの肩書は「元議長」の他、今も「オール沖縄会議、辺野古現地闘争本部長」なのだと自己紹介された。この日は名護市長選挙の投開票日でもあるのだが、沖縄では朝から雨が降っていて人の出足が悪いため、投票率が低くなりそうだという話から始まった。(実際の投票率は68.32%で、前回より8.60ポイント下回るが、それにしても7割近くある。選挙結果は現職の渡具知武豊が1万9524票で当選、オール沖縄の岸本ようへいが1万4439票と残念な結果に終わった。)
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 まずは辺野古現地の状況から、ゲート前の抗議行動は一旦再開されたものの、感染拡大により1月7日から休止している。毎月第一土曜日に「ブルーアクション」というゲート前集会を行っており、12月4日のブルーアクションは800名が参加したが、2~3回やってまた休止になったのは残念である。私たちは1日も早い知事の判断を求めていたが、ようやく11月25日に「設計変更不承認」が出された。知事を激励するための集会を12月7日に計画していたが、これもコロナのために中止になった。国は設計変更不承認を覆すため、12月7日に国土交通省に審査請求を出したが、審査には数ヶ月かかる。また今回は「執行停止」がかけられておらず、不承認を撤回しても承認されたことにはならないから、事態は動かなくなっている。工事は細々と続けられており、空のダンプが出入りしている。港から土砂の積み出しは行われているので、どこかに土砂をストックして、辺野古側のかさ上げ工事を続けている。また大浦湾側でN2護岸が完成し、桟橋として土砂搬入に使われているとのことである。
 大浦湾側では美謝川の付け替え工事が課題となっている。水路の付け替えが市の協議事項であるにもかかわらず、現名護市長は何もしないで黙認し、12月から工事が始まった。市長の権限を使えば止められるのに、やらなかったのは市民への裏切りであり、暴挙である!名護市長選挙の課題は、市民の命と暮らしを守るために基地建設を認めるのか認めないかだ。22日の最後の打ち上げ集会では800人集まった、4年前より結集は少ないが、コロナ禍でよく集まったものだと思う。現市長は子どもの貧困に関わる政策、子どもの教育に関わる援助を基地建設協力の再編交付金を使って行うとしている。しかし岸本陣営は、名護市の年間予算400億円のうち、再編交付金は15億円、3~4%にすぎない。このぐらいの金額はいかようにも捻出できるのであり、ともに基地のない平和な街をつくる、数パーセントのために未来を誤ることはあってはならないと訴えているのだそうな。
 沖縄のコロナ感染源が米兵、米軍であることがあまり知られていないような気がする。キャンプ・ハンセンで最大の感染があり、金武町から名護市に広がり、医療崩壊が起こっている。軍事基地が市民の生活を潤すことはない。県政とタイアップしながら、辺野古の基地を止めると述べられた。
 自公の側は企業選挙を、職員に休暇を与えて期日前投票に行かせ、確認もとりながら行っている。23日昼の段階で投票率は45%、午後から雨が上がるのでもっと投票に行って欲しい。岸本ようへい候補の親は、岸本建男元市長である。「逆格差論」で地域おこしを提唱したバリバリの革新であったが、基地建設を容認した。しかし7項目の、ほとんど実現不可能な条件(25年使用など)をつけた。ようへい候補は、父が生きていれば、基地は野放図につくらせるものではない、このような基地建設は認めなかっただろうと言っている。これを取り戻す、名護市長選挙は地方自治がかかったものだと述べられた。
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 続いて南西諸島(博治さんは南西諸島という呼称を使う)の軍事化について、「台湾有事」「尖閣有事」が宣伝され、台湾有事は日本有事とされている。TVや新聞を使って中国の脅威が煽られている。バイデン大統領は21年4月の日米首脳会談で台湾問題を取り上げたが、これは中国の国内問題に日本が公然と介入していく宣言である。沖縄を拠点に米軍が介入し、同時に「集団的自衛権」を認めた自衛隊も参戦していく。沖縄の私たちが戦争の矢面に立ってしまうということだ。米軍といっしょになって中国に戦争を仕掛けるなど、理解できないし、あってはならないことだ。
 宮古島ではミサイル基地が建設され、保良(ぼら)弾薬庫には大型の輸送艦でミサイルが搬入された。石垣島は2024年の基地完成に向けて急ピッチで工事が進められている。石垣市の中山市長は積極推進派で、住民投票条例も無視している。2月に市長選挙があるが、現職に対抗する側は分裂している。一人は中山に反発して与党から離脱したが、自衛隊を誘致し住民投票にも反対しており、もう一人は自衛隊誘致に断固反対している。オール沖縄は「勝つために一本化を」と言っているが、自民党の市長が独り勝ちするのは止めたいと述べられた。(続くよ)