先日の「表現の不自由展かんさい」を妨害抗議しに来たクソ右翼どもは、天皇の肖像が燃やされ、灰にされて踏みつけられる”表現”に対しすごぉ~く怒っていた…曰く「自分のおじいさんの写真を燃やされて腹が立ちませんか?」と…いや、昭和天皇はアンタの「おじいさん」ではないだろう。本人たちはどうやら「昭和天皇」を自らの祖父のごとく慕い「敬愛」しているらしい、なるほど、その「信仰」は自由だ。
 だが昭和天皇は、普通のそこらへんに住んでいた「おじいさん」では全然ない!あの第二次世界大戦、それに先立つ日帝による「満州事変」を始めとする中国侵略戦争の第一の責任者であるのだ!
 当時の大日本帝国憲法は、
 第一条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス
 第四条 天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ
 第一〇条 天皇ハ行政各部ノ官制及文武官ノ俸給ヲ定メ及文武官ヲ任免ス但シ此ノ憲  法又ハ他ノ法律ニ特例ヲ掲ケタルモノハ各々其ノ条項ニ依ル
 第一一条 天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス
 第一二条 天皇ハ陸海軍ノ編制及常備兵額ヲ定ム
 第一三条 天皇ハ戦ヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス
 とまぁ、他にも天皇の権限とかが明記されているのだが、これだけ憲法に規定されたヤツが、先の大戦・戦争に関して一切責任がないということはあり得ない。
 大日本帝国憲法第五五条には、「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス」とあるので、天皇に責任はなくすべて輔弼した大臣の責任であるとするむきもあるのだが、この「輔弼条項」は世襲の君主に政治責任を負わせて簡単に”君主が辞職”しなくてもいいようにするためのもの…これがあるから天皇に責任なしとは全くいえない。
 そして昭和天皇は、国会で決まったり大臣が持ってきた案件に対し、無言でハンコを押して「有効」にするだけの押印機ではなかった…旧ブログ記事日本史上、一番ひどい悪人は昭和天皇にきまっているじゃなイカ!から引用すると…
 「天皇の戦争責任」(井上清 岩波書店同時代ライブラリー)によると、天皇は新しい総理大臣が組閣をするにあたって、実に細かな指示を自分で出しているし、側近たちを通じて政治にかかわっている。
 ましてや「軍部」が暴走しても、それを止める力は十分持っていた。1936年の2・26事件では、「反乱将校」達に同情的な陸軍上層部の意見を退け、反乱将校達を鎮圧した。また、ソ連国境で起こった小競り合い「張鼓峰事件」も、負け戦を認めて軍の虚構論を許さず、講和している。
 逆に「張作霖爆殺」「満州事変」などで軍が暴走しても、「成功」すればお咎めなしであった。これは天皇が中国侵略戦争に積極的に加担したといわれても仕方あるまい。
 中国侵略戦争が行き詰まり、米英の権益と対立するようになっても中国との和平を成功させず、ついに軍の口車に乗せられ、「日独伊三国同盟」から「対米英戦争」に突き進んでゆく…だがその過程をヒロヒトは止める力を持っていたのに、それを行使しなかった。
 さて対米英戦争は、緒戦は「勝利」するものの、国力の差はいかんともしがたく、1944年のレイテの戦いで連合艦隊は壊滅、国土は空襲され敗戦は誰の目にも明らかになった。にもかかわらずその後も戦争追行内閣を承認し、沖縄戦では「本土決戦」の時間稼ぎとして10万もの県民が命を失う。「ポツダム宣言」もさっさと受諾すれば、広島、長崎、ソ連参戦もなかったのに「国体(天皇制)がどうなるか分からないから」と戦争を追行し続けた。


 そう、昭和天皇、ヒロヒトは、先の大戦による「日本国民」300万人、中国その他アジア人民2000万人を殺した責任者であり、戦争犯罪人なのである!世界史的に言えばヒトラーやムッソリーニと同等なのだ!
 ヒトラーは自殺し、ムッソリーニはイタリア人民の手で「吊るされた」のだが、ヒロヒトだけはなぁ~んも責任を取らず、生き延びた!退位すらせず(敗戦時に「退位論」もあった)それどころか、自ら生き延びるため(天皇家の存続のため)マッカーサーに沖縄を売り渡した。そして当時の日本人平均寿命より長生きしたうえ、人民から多くの輸血をもらいながらベッドの上で死んだのである。

 あるクソ右翼は「(親である)天皇陛下の肖像を燃やすということは、子どもに自分の親を糾弾させた毛沢東やポルポトといっしょだ」と批難してきたのであるが、大量に自国民を殺した責任があるということは、昭和天皇は毛沢東やポルポトと等価なのである。
 あまり今、こうゆうことをするヤツはいないだろうが、毛沢東やポルポトの政治責任を考える(表現する)ということで(いかに彼らの親族が生きているとしても)毛沢東やポルポトの肖像を「燃やす」ことはおおいに有りだろう。「大量殺人」ということであれば、オウム真理教教祖の麻原章晃の肖像も(これもいかに彼の親族…特に今は子どもが生きているとしても)燃やされることは許容されるであろう。そうゆうことから考えると、昭和天皇の肖像が燃やされ、灰にされて踏みつけられるのは当然のことなのである! 

 そしてそのことに”耐えられない”、脳味噌が不自由なクソ右翼どもは、歴史の真実、重さから何も学ぶことが出来ない(話は変わるが、そういったお気軽さを許容してきたことが、今日の「資本主義体制下」における日本国の衰退も招いている)ということなのだ。親族の情なんかを持ち出して、歴史に向き合う事から逃げるな!クソ右翼ども!