昨日、大阪市役所で住民票のない野宿労働者に定額給付金を支払えという要求についての協議・交渉が行われたのだが、非常に残念なことになった。

 住民票のない野宿労働者に対し、定額給付金を支払うスキームは前回書いた記事にもあるようにおおむね「合意」し、実は7月16日から動き出していたのである。別の団体さんとの協議でも明確に提示され、シェルター等で「住民登録」が出来る仕組みが動き出していたらしい…だから17日の交渉で、その中身の確認や、さらなる拡充が求められていたわけだ。
 ところがそういった情報が流れる中で、せっかく住民登録をしても3ヶ月ぐらい立つとそれが消されてしまうのでは?という疑念をもつ労働者もいた。そうした人が昨日の交渉に参加し、のっけから激しく市当局に詰め寄った。満足な回答が得られない中で、市の担当者が負傷した!暴力だ!警察を呼ぶぞ!となったのが表記の「福祉局の被害届け」である。
 もちろんこちら側は大声を出したりはしたが、暴力はふるっておらず、市の担当者が負傷したという事実もない(ただし「市の担当者」はかなり大袈裟なリアクションをしたあげく、救急車を呼んで病院に行っている…医師がどのような判断をしたかは不明)。ただし市側も態度を硬化させ、「協議を打ち切る」と宣言した。こちら側としてもなんとか食い下がってはみたが、協議を再開するかどうかは、上司の判断をあおぎたい。協議を継続するかどうかの回答はすぐには出せないという押し問答が続く。警察は警察で、交渉の場にズカズカと入り込んでくる(すぐに追い返したが)。
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 こんなふうに、警察が会議室外の廊下にたむろし、隙あらば「弾圧」を狙ってきているのである。会議室入り口も、市役所担当とこちら側の押し問答が続いている。
 園氏のツイートにもあるように、公安三課もやって来た…園氏は11時頃に遅れてやってきたのであるが、市役所に入ると公安警察がわざと”体当たり”をかまして弾圧を狙ってくる、本当に卑劣な奴等である。
 市側からは連休明けの27日以降に「協議を継続するかどうか?」の回答をするという…とりあえずこの回答を引き出して今後の方針を決めた後、市側から12時以降に会議室使用予定があるとも聞いていたので、11時45分頃には会議室を引き払った…が、それを見越して、公安三課の連中がやって来て、会議室に入り込む。そして中から鍵を掛けて”捜査”を始めたようだ。中に傘を忘れたという仲間が取りに帰ってきたら、ドアに鍵がかかっていたのである。(いちおう頼んで中に入れさせてもらい、傘を確認した)。
 現場での”逮捕者”もなく(「暴力」も「被害」もなかったから当然のことである)とりあえず終わったが、市当局には安易に警察を呼び、公安警察まできたことを厳重に抗議した。当たり前だろう。公安警察は、市民の思想や信条を監視し、政府・行政に都合の悪い人間をあぶりだすための「思想警察」である。こんな奴らが市民が陳情にきたり、様々な必要書類を作成する公共の場でウロウロすることは「民主主義の破壊」であり、絶対に自治体が率先してやってはイケナイことなのだ。DSC04550
 雨も止んできたので、昼からは市役所前で街宣を行い、交渉を打ち切り、警察を庁舎に呼び込んだ市当局を弾劾した。また同時にどのような「スキーム」の下、住民票のない野宿労働者に定額給付金を支払うのか、その体制はどうなっているのかを確認しに行った。(これは「協議」ではなく、問合せなので市も応じなければならない)
 我々に用意していた回答書も含め検討すると、様々な問題点が明らかになってきた。
 大きな問題は、センター等に住民票を置いて定額給付金を支払うシステムを、あくまでもやりたい人、それを知りえた人のみがやってもらうという枠組みにしており、大々的に野宿労働者等に宣伝するようにはなっていないことだ。だから窓口も西成区役所”のみ”であり(野宿労働者は大阪市全域にいるわけだから、少なくとも全区役所に窓口を設けるべきである)釜ヶ崎内の便利な場所に専用窓口を設けるということも検討されていない。また住民票はセンターの「入所者」に発行されるとあるが、前回話されてた「利用者」と見なされれば利用者カードを発行し、そうした人にも住民票を発行するということがまるで示されていない。そして冒頭に上げた労働者の懸念…せっかく住民票を作っても、時間が経てばまた消去させられるのでは?ということが払拭されていないのである。もちろん広報体制についても不足している。
 また前回我々が要求していた、8月25日の定額給付金支給の起源を延長する件、あるいはセンター等に住所を定めたとしても、失踪届が出ている等様々な理由で住民票が作れない人に対し、住民票に拠らない支給方法の検討については、総務省が了解しないので難しいという回答・対応であり、市独自に仮支払いするということも検討していないようだ。また総務省との交渉過程をHP等に明示するということも検討されていない…こういった踏み込んだ要求に対しては、まだまだゼロ回答であるのが現状である。
 なんとしてでも協議継続を勝ちとり、追加要求を実現させなければならない!

 また「弾圧」について、現場での逮捕者がでていないものの、公安事件は忘れた頃にでっち上げ逮捕というのがあり得る。市当局や警察への抗議を集中し、コロナ被害者に対する弾圧(世界中でもさすがにそういったケースはあり得ない…逆に日本ならやりかねない)をなんとしても阻止しなければならない!