たたかうあるみさんのブログMKⅡ

み~んなそろって、闘争勝利!でもやっぱりメットは、白でしょ⁉ということにしておこう。

容量がいっぱいになった「たたかうあるみさんのブログ」を移動して、2020年7月に新たに開設した、共産趣味鉄道ヲタブログ⁉…旅行、萌え系ネタ⁉もあります。

2021年10月

維新八策2021を批判する(その3)

 維新八策2021批判、サクサクと続けよう!
5.強く靭やかに、国土と国民を守る危機管理改革・エネルギー政策。と題している。
 大規模地震や自然災害に対応できる体制づくり
 特に高度成長期以降に整備したインフラの老朽化対策について、AIやIoTなどデジタル技術の活用によるメンテナンスの高度化・効率化を推進するとともに、インフラの集約や不要な施設の撤廃を進めます。
 先日、和歌山で水道橋が落っこちたようにインフラの老朽化対策は大切だ!AIでもIoTでも何でも使ってやりたまえ!だが大阪で維新がやってきたことは、万博・カジノ・再開発といった新規の公共投資である。その一方で、道路の白線ははげおちて見えない、危険な道路が放置ちされている。公園も草ぼうぼうだ!身近な危険にも対処できないで、AIもへったくれもあったもんじゃない。老朽化対策には、予算と人材をもっと投下します(これは財政出動政策にもつながる)ときちんと述べるべきである。
 エネルギー政策では、
 東日本大震災の教訓を踏まえ、既設原発は市場原理の下でフェードアウトを目指し、国内発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を拡大させます。廃炉技術の伝承と使用済み核燃料の有毒性低減のため、小型高速炉など次世代原子炉の研究を強化・継続します。
 とあって、基本的に自民党や「連合」と同じ、原発維持・推進の立場である。老朽原発を無理やりうごかそうとしている関西電力には、なぁ~んも言えないし、新しい原発の建設も進めるだろう。粉砕あるのみ!
6では、地方分権と地方の自立ということが謳われている。
 首都・副首都法を制定し、大阪を副首都化することで、グローバルな都市間競争で日本をけん引するエンジンを増やし、まず二極型国家を実現し、将来的には多極分散型国家の実現を目指します。
 とある。その「グローバルな都市間競争」に勝つためと称して、「分権」とは真逆の、大阪市の財源と権限を大阪府にぶん投げる「大阪都構想」を強引に推し進め、コロナ禍でも住民投票を強行したのは維新である。彼らが「都市間競争に勝つため」に、大阪の自治をつぶそうとしたことを忘れてはならない。
 コロナ対応で限界が明らかとなった中央集権体制から、地方分権体制に移行します。国の役割を明確に絞り込み、国の機能強化と地方の自立を実現します。
 とあるが、彼らの言う中央主権体制から、地方分権体制への「制度改革」ができてないから、コロナ対策もなぁ~んもしなかったというのが、大阪府・大阪市であった。それゆえコロナの死者は10月27日時点で、東京が3127名なのに対し、大阪は3044名、人口比で比較すれば、ワースト1である!飲食店などへの時短要請協力金等の支払いも遅れに遅れている。こんな連中が地方行政を握れば、「国がなんにもしないから地方はなんにもしなくてよい」と言い訳をするし、国家行政を握れば財源も渡さずに「地方の責任」にして、なんにもしないだろう。
7では安全保障政策である。
 防衛力を強化し、世界平和へ責任が果たせる国へ 
 防衛費のGDP1%枠を撤廃し、テロやサイバー・宇宙空間への防衛体制をさらに強化します。また、領域内阻止能力の構築について、積極的な検討を進めます。

 とある。自民党政府が進める大軍拡路線を推し進める、南の島への自衛隊配備も、スタンドオフミサイルの開発も、敵基地攻撃能力の保持もガンガンやるということだ。そして「身を切る改革」で出てきたお金は、軍拡に使われる。私たちの暮らしは絶対に楽にならない!
8は、改憲についてである。
 教育無償化・統治機構改革・憲法裁判所を憲法に明記
 とあるが、維新の勢力ではこれが素直に実現するわけではなく、自民党が企む改憲を後押しするものでしかない。今回の選挙結果で自公が憲法改正ができる2/3以下になったとしても、自民党は維新と連立を組んで、2/3以上を確保しようとするだろう!それは「悪魔がやってた9年間の自公・安倍スガ政権」を上まわる、「地獄そのもの自公維政権」ができることになる。維新の後押しで新自由主義改革がこれまで以上にすすみ、一般庶民が苦しむだけの社会。公的な業務がなんでも民間企業任せで責任もとらない、そのくせ丸投げの過程で中抜きだけはしっかりする。吉本なんかと組んで、マスコミもなんも批判しない、できない、議会も形骸化してやりたいほうだい、民主主義もへったくれもない政治になるだろう!

結論…自民党がアカンからといって、維新に投票してはイケマセン!

 維新はいらない!維新を落とせ!


維新八策2021を批判する(その2)

 維新八策2021批判のつづきである。
 3番目は「チャレンジのためのセーフティーネット」大胆な労働市場・社会保障制度改革があげられている。そして、
 「チャレンジのためのセーフティネット」構築に向けて、給付付き税額控除またはベーシックインカムを基軸とした再分配の最適化・統合化を本格的に検討し、年金等を含めた社会保障全体の改革を推進します。
 とある。ベーシックインカムはうまくつかえばセーフティネットになるだろうが、「維新」がやるのは全ての社会保障を切り捨てた上で、最低限の生活費「しか」払わない、生活保護以下のベーシックインカムである。大阪でどれだけ福祉が削られてきたか?医療が削られてきたか…コロナの感謝者死者が東京より多くなった大阪がそれを物語っているではないか。維新の「抜本的改革」に明るい未来はない!多くの人が「生活保護」から抜け出せないのは、就労して賃金をかせいだら生活保護費からそのぶん引かれたり、貯蓄ができないほど保護費が低いといった問題があるからだ。また病気等で働きたくても働けない人もいる…そういったところを見直さないで「就労意欲」をうたうのは、なんでも自己責任の「新自由主義」である。
 なお、維新のベーシックインカム論は彼らのHP上でも日本大改革プランpdfとして大々的に掲げられているので、今後の研究・批判の課題になると思う。
 労働市場全体の生産性と賃金水準の向上を実現…そこにベーシックインカムとかも位置付けながら、 解雇ルールを明確化するとともに、解雇紛争の金銭解決を可能にするなど労働契約の終了に関する規制改革を行い、労働市場の流動化・活性化を促進します。
 とある。この論理で「規制改革」が進められ、非正規労働を増やしてきたのがこれまで20年の日本ではなかったか?大阪9区の足立康史はツイッターで「労働市場改革をやり過ぎたのではなく、足りなかった。何が足りなかったかと言えば、正社員の既得権に切り込めなかった。」と言っている。正規職が「既得権」だといって、みんあを非正規・不安定な職にしようとしている。これは「正規職をなくす」と竹中平蔵と言っていることが同じだ。

4番目は、多様性を支える教育・社会政策、将来世代への徹底投資と称したもの
 家庭の経済状況にかかわらず、等しく質の高い教育を受けることができるよう、義務教育の他、幼児教育、高校、大学など、教育の全過程について完全無償化を憲法上の原則として定め、給食の無償化と大学改革を併せて進めながら国に関連法の立法と恒久的な予算措置を義務付けます。
 と書いてある。「教育の無償化」は、「身を切る改革」に加えて、最近の維新のメインスローガンになっている。ところで大阪市の松井市長は常々「大阪では私立高校は無償化している」と自慢しているが、所得制限とかがあって授業料が免除されるのは一部の世帯だけだ。そうでない世帯については公立高校のほうが負担はすくない。しかし大阪で歯公立高校の統合もすすんでいる。公立の学校への支援も少ない。
 なお「教育無償化」は維新の掲げる「憲法改正」のお題目でもあるが、現行憲法でも人権・権利として手の「教育無償化」は可能である…逆に言うと「憲法を変えるまで、教区無償化なんかしない」と言っているに等しい。また注意して欲しいのは、朝鮮学校への無償化差別、補助金カットは大阪で堂々と行われている。これを正さない限り、多様性もへったくれもないだろう。
 「選択的夫婦別姓」について、
 同一戸籍・同一氏の原則を維持しながら、旧姓使用にも一般的な法的効力を与える選択的夫婦別姓制度を創設し、結婚後も旧姓を用いて社会経済活動が行える仕組みを整備します。
とあるが、これは自民党内の別姓に消極的な人たちと同じ意見である。ところで国際的に本人確認で見止まられる「姓」は残念ながら、パスポートの姓、戸籍の姓であって、戸籍をいじらなければ実効的な「夫婦別姓」とはならないのだ。もっともこの「選択的夫婦別姓」問題は、戸籍制度の問題でもあり、なにがなんでもいじりたくないのは「保守反動」として当然なんだろうな。
 つづくよ…

維新八策2021を批判する(その1)

 この度の衆議院選挙、自民党の議席は減ると予測されている反面、維新が議席を伸ばしそうだという世論調査結果が出ている。例えば自民“単独過半数”は微妙な情勢 大都市圏で接戦 FNN世論調査
 31日投開票の衆議院選挙について、FNNは全国世論調査を行い、選挙戦中盤の情勢を探った。
自民党が議席を減らすのは確実で、単独過半数を維持できるかは微妙な情勢であることがわかった。
調査は、10月23日・24日に、全国18歳以上の男女15万5,045人を対象に、電話(RDD固定)で行った。

日本維新の会(公示前11議席)は、拠点の大阪の選挙区で優位に戦いを進めているほか、比例で議席を増やす見込みで、公示前の11議席から3倍近くまで伸ばす勢い。


 11議席の3倍、30議席以上は獲得しそうだということである。
 そこで選挙前の、維新のマニュフェスト維新八策2021をざっくり批判していこうと思う。
まず最初は、彼らの一丁目一番地「身を切る改革」からだ。
 議員報酬・議員定数3割カットを断行します。3割カットが実現するまでの間は、2014年より実施している歳費2割の自主カットを継続し、被災地などへの寄付。その情報を公開します。
 とある。3割カットでどこまでのお金が出て来るのかは分からないが、以前に私はこんな試算をした。日本の国会議員数は、衆参合わせて713人、約700人として、一人当たりの歳費を年間1000万円削ったとしても、70億円しか出てこないのである。他方、昨年アベノマスクが2枚、全世帯に配られたが、それにかかった費用は260億円とも言われている…「身を切る改革」では、アベノマスクすら配れない!維新が熱心に「アベノマスク」政策を批判したかどうかは知らないが、逆にアベノマスクのような本当のムダを批判しないための「身を切る改革」ではないかと疑われる。
 また議員定数について、たとえば2020年にイタリアで国会議員定数を945議席から600議席にゲラしているが、イタリアの人口は6000万人弱、人口比では日本のほうが議員数が少ない。やたら議員定数を減らせば組織をもつ大きな政党ばかりが有利になり、議会に少数意見が反映されなくなる。これは民主主義の破壊である。
 そもそも維新の代表でもある松井一郎大阪市長は「身を切る改革」で自らの「退職金」をカットしたと自慢しているが、普段もらう給与は上乗せしている。それがボーナスの支給で効いて来るので、トータルでは退職金もらうのとほとんどいっしょか、それ以上もらっているのだ。また維新の議員はやたら「不祥事」が多い、いちばん最近では、大阪一区から立候補している井上英考が主婦に対し「東大阪はエタ、ヒニンの集まり」などと差別発言を行った挙句、暴行や暴言を繰り返したことから、侮辱罪、暴行罪、並びに傷害罪で告訴されている(アクセスジャーナル 山岡俊介の取材メモ)大阪の参議院議員、梅村みずほの秘書は「殺人未遂事件」を犯しているし、池田市では維新の市長が庁舎にサウナを持ち込み、職員にパワハラを繰り返しても、「改革」を続けるからと言って市長の座にしがみついた。議員の政務調査費等の不正使用なんかは日常茶飯事であるが、関西のマスコミは「維新」に忖度してあまり詳しく報道しない。そもそも「身を切る」のであれば、維新は2021年度の政党交付金18憶1700万円を拒否すればエエのに、それはやらない…他人に厳しく自分に甘いのが維新の「身を切る改革」である。断固粉砕しよう!

 二番目は、減税と規制改革である。積極的な財政出動・金融緩和で不況脱却、基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、現実的な黒字化の目標期限を再設定…云々というのは良しとしよう(金融緩和を除き、「新選組」の政策に近い)
 2年(目安)に期間を限定した消費税5%への引き下げを断行します。
 とあるが、その下には
 消費税のみならず所得税・法人税を減税する「フロー大減税」を断行し、 簡素で公平な税制を実現します。
 とある。消費税減税だけでなく、所得税・法人税も減税すると言う「大判ぶるまい」だが、これまで消費税増税分が、所得税や法人税の大幅減税に使われてきた歴史を完全に無視している。「簡素で公平な税制」とは、累進性を少なくした極端に税率フラットな税ということであり、結局、直接の所得や収入、利益に関する税は「減税」としたうえで、消費税負担は増となるだろう。だから2年間の時限的な消費税減税しかできない。「身を切る改革」でもそんなにお金は出ないのだから、所得税・法人税減税したあかつきには、消費税は間違いなく増税されるであろう。
 そして、日本の競争力を高める規制改革を実施とうたっている。
 規制改革をつづけてきたこの10年、20年の結果が、いまの格差社会・新自由主義社会だ!いつまでこんあことを言っているのか!「改革」で公務員を減らし、その代わりにパソナなんかの派遣炉同社を使って来たのがこの間の大阪である。パソナの竹中平蔵と維新はズブズブの利害関係者だ!こんな連中をのさばらしてはいけないのである。
 つづくよ…

シュミレーションで自然を知ることができるか?(後編)

 前回の続き、朝永振一郎氏「物理学とは何だろうか」(下)の、「科学と文明」からである。
物理学とは何だろうか 下【電子書籍】[ 朝永振一郎 ]
物理学とは何だろうか 下【電子書籍】[ 朝永振一郎 ]
 実験をやることができない、地球物理学について述べるにあたって、朝永氏は当時の再審理論「プレートテクトニクス」で地震が起こる仕組みがわかってきた…小松左京のSF[日本沈没」も例示しながら…ということを紹介すながら
 物理学者はなんかというとすぐ実験をやって、直接みようとするんですけれども、地球物理学者はそういう直接出ない事がらを積み重ねて、こういう驚くべき地球の構造と地球の変化に見当をつけた。(p220)
 朝永氏はこの講演で、ノーベル物理学賞、化学賞のメダルのデザインは、自然の女神がかぶっているベールを、サイエンスが少しめくってみようとしている図柄なんだと先に紹介している。それを受けて、次のように続けている。
 ある意味での物理学者というのはいちばん頭の悪い存在でして、試験問題が出たときにカンニングをやるんです。こっそり実験というようなことをやってのぞいてしまう。そうしないとなかなかわからないという頭の悪いところがあるんです。つまり自然の女神のベールをめくってじかに見ないとわからないというのが物理学者なんですけども、地球物理学者はベールをめくるような失礼なことはしないで外からいろいろ見て、どんな顔であろうかということを知ることができる。とても物理学者はかなわんなと思うような推理力を働かせて、測定、観測、測量とか、あるいはいろんなことからこうゆうことを見つけた。これは驚くべきことだと思うんです。(p220~221)
 もちろん、測定、観測、測量のためにはそれ以前の物理学による知識で得られた技術がぶんだんに使われ、大量のデータ処理にはコンピューターも使われている。しかし朝永氏が続けて言う
 つまり自然の女神のベールをめくって顔をのぞくというような、そういうぶきっちょなことをしないで、ベールをそのままにしながら自然を知るという方法、こういうものが可能であるということです。(中略)自然の女神というのはただ黙って立っているだけではない。どういうことを質問しようかということを学者が充分考えて、いろいろな状況証拠をそろえた上で、こうでありましょうかと言って自然の女神にうかがうと、聞き方が悪きゃだめなんですけれど、上手に聞けば少なくとも、そうだとかそうではないということは答えてくださる。(p221)
 そう、素直にあるがままの自然を観察し、そこから法則を見つけたりする科学が、地球物理学であり、気象物理学であるということなのだ。そこで分かった法則とかを丹念にコンピューターのプログラム、アルゴリズムに組み込み、膨大な計算をしているのがコンピューターシュミレーションなのだ!
 だからコンピューターシュミレーションそのものが”偉い”のではなく、それをここに攻勢している物理の法則が”偉い”のである…そしてその中身は、現実によって補正・修正されるのだ。

 さて気象や気候をコンピューターシュミレーションで解析し、予測するということは、IPCCの「地球温暖化予測」から明日明後日の天気予報まで広く行われているわけだが、「現実によって補正・修正」されるということを忘れてはならない…時に「自然の女神のベールをめくらない」地球物理学の分野ではそうであろう。ところが、優秀なコンピューターシュミレーションが出来上がってしまうと、主客が逆転してしまう…シュミレーションに合わないことは、認めないということが起こるのだ!
 近藤邦明氏は、検証温暖化の中で次のように批判している。
検証温暖化 20世紀の温暖化の実像を探る (シリーズ「環境問題を考える」) [ 近藤邦明 ]
検証温暖化 20世紀の温暖化の実像を探る (シリーズ「環境問題を考える」) [ 近藤邦明 ]
 2017年9月9日、NHKスペシャル「異常気象・スーパー台風」という番組が放映されました。その中で2017年7月5日から6日にかけて九州北部地方を襲った集中豪雨災害について、《数値計算に基づく予測を大幅に上回る異常な豪雨による災害であった》と報告していました。
 番組の中で名古屋大学の坪木和久氏(地球水循環研究センター気象学研究室)は「日本の天気予報は世界でも最も優秀な気象予測モデルに基いている。その日本の天気予報でも九州北部豪雨は予測できなかった。温暖化によって、世界で最も優秀な日本の気象予報でさえも予測できないほど、現実の気象現象が異常になっている。」と述べていましたが、これは噴飯物のコメントでした。
 現実に起こった気象現象は、自然現象として常に100%正しい、物理的に必然的な結果です。それが人間社会にとってかつて経験したことのない”異常気象”であったとしても、100%正常な自然現象なのです。気象予測数値モデルが予測できなかったということは、数値モデルが気象現象を正しく表現できないことを示しているだけなのです。(p231~232)


 気象予測モデルによるコンピューターシュミレーション結果と違う結果がでたら、シュミレーショにに入れた前提条件やらなにやらの「どこかがおかしい!」という当然の判断をせずに、自然のほうが「異常」であると判断することのおかしさ、愚かさを示している坪木氏のコメントである。謙虚さがたりない、ゴーマンだとしか言いようがないわけだ。

 自然の女神の言葉を素直に聞かず、コンピューターに”解析”させて間違った答えを引き出しても、コンピューターのほうが正しい!と豪語する科学に未来はあるだろうか?真鍋淑郎氏のノーベル賞受賞が、気象部地理学、地球物理学の傲慢な進化をこれまで以上に推し進めないか?非常に気がかりである。

シュミレーションで自然を知ることができるか?(前篇)

 少し前、日本出身の気象学者、真鍋淑郎氏が、大気のエネルギー収支を計算する気象モデルを構築し、コンピューターシュミレーションで予測する技術を開発、二酸化炭素の増大によって地球が温暖化することを予測したなどという功績でノーベル物理学賞を受賞したあたりに、tkさんからこんなコメントを頂いた。 
 あるみさんこんにちは。本日ノーベル物理学賞で二酸化炭素の温室効果理論で真鍋氏が受賞しましたね。私はあるみさんのブログで最近でも人為的二酸化炭素の効果を懐疑的に扱っていることと中世温暖化説について正しいのではないかと思っています。世間的には日本人のノーベル賞ということですまた二酸化炭素温暖化説に傾くと思いますが、そもそも真鍋説がよく分かってません。もしまた解説していただけるのならぜ批判的解説お願いします。tk
 これへの回答というわけではないが、まず「地球温暖化」が”政治的に”大問題となっている以上、それの解明などに貢献した人物が「ノーベル賞」をもらうことは、なんら不思議ではない。温暖化に関しては、IPCCや、ジェット旅客機で移動しながら「温暖化の脅威」を煽ったアル・ゴア元米副大統領なんてのもいた。
 気候を決める大気のエネルギー収支をモデル化し、コンピューターでシュミレーションをかけること自体、別に間違ったことをやっているわけではない。間違っているのはそこに「二酸化炭素が増えれば、温室効果もそのまま増大する」というアルゴリズムを組み込んだことなのだ。そんなモノを組み込めば、二酸化炭素が増えればそのまま気温もドンドン上昇するという結果が出てくるのは当たり前である。実際のところCO2が温暖化の原因ではない!で示したように、二酸化炭素の温室効果はすでに飽和していると考えれば、いくらシュミレーションしても結果は違ってくる。
 ところで大昔の天気予報は「当たらない」ものの代名詞のように言われていたくらい、当たらなかった。観測精度も今ほど細かくないし、気象衛星もなくて雲の分布とかも正確にわからなかったからだが、データを大量に集め、解析し、それを予測にフィードバックさせ、理論を立て直す…という努力を真鍋氏以降の先人がやってきたおかげで、昨今の天気予報の精度は非常に良くなっている。天気予報の番組では、寒気の動きや雨の範囲がコンピューターシュミレーションによって計算され、映し出されている。非常に良い世の中になったモンだ。だから真鍋氏の研究、業績は全然、無駄ではない。
 
 ここからが本題…真鍋氏の受賞は、これまでのノーベル物理学賞が、素粒子だとか宇宙論だとか、一般の人にはなんかなじみのない分野ではなく「気象物理学」という分野では初めてであるということだそうな。ここから、気象物理学をもう少し大きくした「地球物理学」という言葉を使うが、このへんの話を聞いて、岩波新書の「物理学とは何だろうか」(朝永新一郎 1979年)の下巻にある「科学と文明」を思い出した。なお「科学と文明」というのは、1976年10月19日、26日の岩波市民講座における講演なのだそうな。
物理学とは何だろうか 下 (岩波新書 黄版86) [ 朝永 振一郎 ]
物理学とは何だろうか 下 (岩波新書 黄版86) [ 朝永 振一郎 ]
 そこは科学批判やその系譜なんかも書かれており、非常に興味深いものがあるのだが、その中に自らがやってきた”自然の普遍的な法則を見つけ出す物理学”について、ゲーテの科学批判を紹介してこんなことを書いている。
 たとえば現在の物理学的な自然、物理学者が考える自然と言うのは、すべてのものは原子からできている。原子は素粒子からできている。その素粒子は粒子とは言うけれども、ふつうの粒子とはぜんぜん違ったものである。それは波動の性質をもっている。ですからわれわれの日常見る波動とか粒子とかとはまるで違ったものです。そうゆうものは日常の言葉では言いあらわせないものだ、そこで数学という非常に抽象的な言葉を使う。
 そうゆう物理学の世界ではわれわれの日常の世界のように、色とか、あたたかさとか、冷たさとか、音とか、そうゆうものはなんにもない。(中略)ですから物理学の方法で、実験でしらべると非常に索漠としたそうゆう世界にぶつかってしまう。このことをゲーテは詩人らしく非常に嫌ったわけです。(p181~182)

 多くの人がノーベル物理学賞に選ばれる、素粒子だとか宇宙論だとかは、おそらくそういった色も、においも、あたたかさもない世界を想像するだろう、ゲーテの科学批判はそこを突いている。朝永氏はそうやっていろいろな科学批判が展開しながらも、次のような話を持って来る。
 普遍的法則を求めるために自然を非常にかえるような実験をして、そして異常な世界を目の前に展開するというような科学のほかに、われわれの日常の死自然そのもののなかに、つまり異常でない日常の世界のなかで、実験などしないで法則を見つけ出すという性格の科学が、物理学のなかにおいてさえあるわけです。そういうべ別の面の科学があるということですね。(p213)
 その別の面の科学として、
 たとえば地球物理学という分野を見ますと、お天気がどう変わるかというようなこと、あるいは地震がどうして起るかというようなこと、こうゆうことは実験をやるわけにいきませんから、それを解明するのに手っとり速くはいかないわけですけれども、しかし地球物理学者が非常な努力をして、現在こうゆう分野でいろんな新しいことがわかっております。(p215)
 と、地球物理学について述べている。
 今回のノーベル賞は、その地球物理学(気象物理学)にようやく光が当たったと評価するべきものあのだろう。(続く)
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あるみさんとは

あるみさん

左翼、時々テツ!ちょっぴり萌え系…白系共産趣味ブログであったが、どうも本人のスピリットは赤か黒らしい。闘争・集会ネタが主。主戦場は沖縄・辺野古。
 もとネタは、鉄道むすめのメットキャラ「金沢あるみ」さん。フィギュアを手に入れ、メットを白く塗ったりして遊んでいた。「あるみさん」つながりで「すのこタン。」も要チェック!
 「侵略!イカ娘」からはまったのは「ガールズ&パンツァー」…梅田解放区の隠れ「ガルパンおじさん」でもあるが、今は「はたらく細胞」の「血小板ちゃん」にハマり(おいおい)人間が朝の6時に起きれるか!という謎のコンセプトで生きている。

メールは、nishihansenあっとyahoo.co.jpまで(あっとを@に変更して下さい)
ではでは(^^)

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